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私が手漉き和紙に染まった理由 その2
協力隊として赴任したのは卒論で訪れていた地域ではなかったけど、基本的には自由に活動できるとのことだったし、具体的な活動内容を決めていたわけではなかったから、自分の意志次第でその地域とも関われるだろうと思っていました。
ところが、赴任してみると任された業務をこなすことに時間を取られ、その業務に少しでも紐付けられそうなことを合間で行う程度。
そんな具合で協力隊3年目に入ろうとしていた時、赴任先の担当の方が、使わせてもらえそうな空き店舗があるから、そこで和紙でも売ってみないかと声をかけてくれました。
それを聞いて、その空き店舗の雰囲気と、そこで和紙を売るイメージが私の中に一瞬で広がり、やるしかない!と一念発起。
しかも、あとで分かったことだけど、その場所は江戸時代、「紙役所」と言って、近辺の農家さんが作った和紙を納める施設だったのです!
このあたりから和紙とのただならぬご縁を感じはじめ、元々伝統工芸に興味のあった私は、関わる時間や人が増えれば増えるほど、手漉き和紙に対する愛情は深まる一方。
同時に、協力隊卒業後も続けていきたいという思いがどんどん膨らんでいきます。
でもそれだけに専念するというわけにもいかず、私自身も協力隊としては、まずいろんな人に和紙に触れてもらうことが最優先だと思って活動していました。
それに、和紙とはいえ単価が低い上に委託品を取り扱っていたので、ほとんど利益はでず、協力隊卒業と同時に起業するという段階には到底たどり着けず。
そんな中、協力隊卒業間際になって、またありがたい出来事が。
一つは、紙を仕入れていた町内の紙漉き工場の社長が、うちで働かないかと声をかけてくれたこと。
もう一つは、住居兼店舗ですぐに使えそうな借家が見つかったこと。
そういう物件が見つからなければいったんはお店の継続を諦め、まずは作ることに専念しようと思っていた矢先でした。
その結果、幸運にも、紙を作ることに関わりながら自分のお店もなんとか続けることができたのです。
でも、現在のお店はまた別の場所。
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