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【感想】陰陽師0【怨霊物怪困った時は】

観てきました。そこそこツッコミどころ満載だったので他の作品を引き合いに出しながら語ります。原作(原案)は未読の上での感想です。

※下記ネタバレを含みます※

【マホウトコロ平安時代編】
最初に断っておきますが、
この作品は怨霊物怪によって民は困りません。
この作品は安倍晴明の学生時代の物語です。舞台は学校のような場所のため、セットも雰囲気があります。和風ホグワーツ、もといマホウトコロ(※1)なわけです。
薬を調合したり、五行や占いを学んだりと東洋ファンタジーが感じられる部分は好みでした。

※1.ハリー・ポッターの世界観に登場する日本の魔法魔術学校。所在は硫黄島。

【薄口のキャラクター】
個人の話で恐縮ですが、私はどうもキャラの顔を覚えるのが苦手です。髪色が派手とか衣装が特徴的でないと覚えられません。Who……?ってなります。

この映画、衣装が地味です。清明(とお姫様)だけは衣装に特徴があったためWho……?を免れたのですがその他は終始Who……?でした。いや、時代だとか身分だとかで安易に派手にできない理由があるのも理解できるんですが、それにしたって何かあっただろ!と。ちなみに清明の相棒である博雅も烏帽子に花挿してたのでなんとか認識できました。

キャラもとにかく薄く、いかにもライバル枠で闇堕ちを醸し出していたキャラも、主人公と直接対決することなく死亡します。前半での彼の掘り下げは必要だったのか?いや、要らない。

お姫様に関してもそうです。見えないものが見える、伊勢斎宮であったという設定が完全に死んでました。もう少し神憑り的な何かがあると思ったら、金属性の龍が憑いていただけ。しかもその源が想いの強さという。特に戦闘力などはなし。

【冗長なラブロマンスとヒス女】
精神世界で繰り広げられるラブロマンス。お姫様は身分違いの恋ゆえ想いを告げられずにいる博雅にこのタマなし!と言わんばかりにヒスります。博雅も負けじと淡々と自分の思いの丈をぶつけていました。精神世界だから何言ってもOK。正直寝そうでした。しかもこのシーンが後の博雅の行動に影響を及ぼしたわけでもありません。お姫様も結局帝に嫁いじゃうし。

【チープなCG】
これは技術の話なのであえてチープと言わせてもらいます。朱雀(鳳凰?)が飛ぶ冒頭、無駄に舞い散る羽根の作り物感、精神世界で咲き乱れる花、2世代前かよ!と嘆息するしかなかったです。ゴジラ-1で「日本のCG屋もここまで出来るようになったのかぁ」と感心した後だったので余計に。白組ってこんな感じだっけ?

【単調な画面】
この場面が全く変化しない雰囲気、どこかで……と考えてましたが、これ【ゲド戦記】ですね。同じロケーションの繰り返しで、画面に新鮮さがない。殺風景。そりゃ平安時代なんて殺風景もいいとこだったでしょう。初代の劇場版陰陽師も殺風景でしたが、その雰囲気が妖怪の不気味さを際立たせていた。持って行き方が上手かったんです。

【総括】
スケールちっさ!!!
晴明を帝の陰陽師にしたくないがための大騒動。おかげで学校の偉い先生は2人死亡し(首謀者だけど)、将来有望な学生たちも大体死にました。
ここまで来ると清明の育て親の策略にすら思えます。ある意味真の黒幕なのかもしれない。ここまで穿った考え方に至る程度には描写や演出の不足が目立つ作品でした。

今作のスレた清明から、数年後である旧陰陽師の飄々とした性格にどう至ったのかは気になります。

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