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装丁のお仕事と関連エッセイ

3000人以上の花嫁さんにヘアメイクや着付けをされた、美容家 長谷川清美さんの著書です。

結婚式をあげることの意味やススメ。

「人の手」だからこそできるヘアメイク、着付け、ウェディングプランナーのお仕事。美容師や、美容師を目指す方へのメッセージも書かれています。


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ここからは結婚式についてのエッセイです。

結婚式関係の本ということで、表紙制作にあたり、自分の結婚式のことを思い出しました。

私は挙式と披露宴をあげました。15年前くらいになるかと思います。

いまは結婚する方々の半数は結婚式をあげないそうですが、私も結婚式はあげなくてもいいと思っていました。結婚式にかかるお金を旅行に使う方がいいかも…、準備も沢山あるだろうし大変そう、結婚式はあげないといけないものなの?みたいな。

記念に写真を撮って、残るものがあったらいいかな、くらいの感覚でした。

でも挙げることになりました。

理由は、親が「写真だけ残すのちょっとさみしいんじゃないかな…」ぽそっと言ったのと、私の中に結婚式をあげるプロセスが残るのではないかなと思った記憶があります。夫と相談しながら決めることだし。あと、じいちゃんばあちゃんに花嫁姿を見せれると思ったのもあります。

結婚式の準備は、やることが沢山ありました。決めなきゃいけないことが進まなくて焦っている時に「ハッピーな準備なんだから楽しんでやったらいいよ」「行くの楽しみだな〜」と、家族や友達からかけてもらった言葉は今も残っています。

準備から式当日のことを振り返ると沢山のことを思い出します。

披露宴では、新郎新婦が座っている席に対して、背中を向ける席になってしまった私のじいちゃんが、私の方を首だけで振り向くような形で見続けてくれたこと(じいちゃんすごい体勢で見てたよと夫にあとから聞いた)。ずっとにこにこしてたらしい。

母は初めから終わりまでなぜかずっと泣いていたこと。

私は衣装替えとかで色々忙しいので、料理を食べる余裕はないんだけど、隣で夫がむしゃむしゃ料理を食べてたこと。友達が次々とお酒をつぎにきてくれて、つがれるまま夫はガンガン飲み続けていたこと。(足元にバケツみたいな大きい容器が置いてあって、酔いつぶれないように無理して飲まなくていいよと式場の方に言われてたことを知らなかったらしい)

飲み続けてるから「大丈夫か」と聞いたら「すごい酔っぱらった」と眉毛をハの字にして言っていた。

そろそろ披露宴は終わりますよってときの、両親への感謝の手紙を読んでるとき、隣でマイクを持ってくれてる夫がめっちゃ泣いてたこと。

「新郎新婦が退場します〜」と拍手で見送られてるときに、私のばあちゃんが帰る準備万端ですでに出口で待機していたこと。長時間で疲れたのかな?

友達が「あのときに食べた料理おいしかったよ〜」と今でも言ってくれること。私は食べれず、夫はおいしかった〜!と言っている。

そんなこんなで全部がなんていうか笑ってしまうし、いい思い出になっています。


本のサブタイトルの「ブライズルーム」ってなんだろう?と調べたら、お色直しをするための専用部屋のことだそう。

そんなことも知らずに結婚式をあげましたが、着付けをしてくれた方、記念写真を撮ってくれた方のことはよく覚えています。
写真を撮ってくれたおじさんはスフィンクスのようなヘアスタイルをしていました。

決して自分たちだけでは出来ない、結婚式に携わってくれたプロの方々や、家族や友達、みんなのおかげで出来たんだと改めて思います。

結婚式の写真を見ると照れくさいような気持ちになるけど、当時の思いや光景が蘇って、式をあげてよかったなと思います。



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