子育て中のモヤモヤ、五味太郎さんの「大人問題」を読んで我を振り返る
子育てしているとさまざまな発見や気づきがある。固定観念を持っていないであろう無邪気な子供の姿。つねに今に集中し今を生きてる。なんて健やかで眩しいんだろう。羨ましいとすらと思う。
子育てをしていると、未熟な自分「自覚していない自分」と対面する機会が腐るほどある。しょーもないことで怒ってしまったり、落ち込んだり。子育てというか、親へと育ててもらってる、という感覚にすらなる。
余裕がなくてこちらの都合で怒ってしまっても、子供って本来とっても優しいから「ごめんね」を受け入れてすぐ許してくれる。大きな愛を持っているのは子供の方ではないか?とさえ思う。
たいてい大人の「怒る」は何かに対しての怒りで、目の前の子供とは関係ない気がする。子供はその"何か" のスイッチを押してしまっただけではないだろうか。
子供と接していると、これまで当たり前だと思ってたこと、いいことだとずっと思ってたことが、はたして私の中での「本当」のことなのだろうか?
違和感や疑問が出てくる場面が沢山あった。
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娘が小学校低学年のころかな、私が怒ったか、注意したときに小さい声で
「…えらそうに」と言った。はっきり聞こえた。
(…いま、えらそうに って言った?)
聞こえないふりをしてその場は過ごした。
えっ?と思ったけど、
そうか、わたしはこの子からしたら、なによえらそうに、って言われてしまうような日常態度をしているのか?と我を振り返った。
それってまずいんじゃないの…?まずいんじゃないの!?そんな大人なのか?
例えば、私は片付けが苦手なんだけど、散らかっている子供の部屋をみて「片付けなさい」なんて言ったって、子供からしたら「は?自分はどおなんですか?えらそうに言っちゃってさ、あなたもできていないじゃないの」ってなかんじだと思う。子供って親をよく見てる。
事実、片付けてと言いながら「片付け苦手なのによく言うよな…」と内心突っ込んでいた。自分で思っていることを、子供にズバリ言われただけなんだけど。
子供にこんな風に育ってほしいとか、何かを教えようだとかする前に、自分を整える必要があるなと思った。
「まずは自分」ということ。まずは自分。そんな姿勢でいないといかんなと。
「まずは自分」を考えるきっかけをくれたのは娘で、それなりにもがいた。
己のダメなところを正すとか、そういうのじゃなくて、娘は何も悪くないのに、なんでこーゆうシーンで私はイラっとしちゃうのかな〜の数々の場面に出くわすたびに、悩むようになった。どよ〜んと。私の中でどんどん深刻になっていった。明らかに私の問題だと。
そんな心の反応を1人で頭抱えて考えてたってわかるわけないんだから、本に助けを求めた。
そんななか出会ったうちの1冊が、五味太郎さんの「大人問題」
私は五味太郎さんの大ファン。五味さんの作品は何も押し付けてくるものがなくて、あったかくて大好き。
まえがき
はじめはたぶん絵本だったと思います。ごく楽し気に絵を描いて、なんとなくまとまって、結果、絵本という形になって世に出して、ま、気楽な作業をそれゆえに続けていたのですが、そのうちなんとなく、周辺の不思議な気配が気になりだしました。この本は子どもにわかるか、この絵本は何歳ぐらいの子に向いているのか、子どもを本好きにするにはどうしたらよいかなんていう話、
中略
それらすべて、とりあえず子どものことを言ったり扱ったりしているはずなのに、肝心の子どもがどこにもいません。子どもをどうするこうするの大人がいるばかりなのです。で、もしかすると、ぼく自身の作業もそんな不条理な、あやしい文化の中にくみされているのかなあと思うと、ちょっと言っておかなければならない気がしたのです。
なんか怒ってる?
これはちょっと、読みたいなと買った。
この大人問題のカバーが面白いんだけど、ど真ん中に「は」「が」「の」という文字がある。
「大人は問題」
「大人が問題」
「大人の問題」
とも読める。
内容は、子供をどうこうしようとする前に、その大人に問題があるんじゃないのかいって本。ズバズバと書かれているけど、その背景には子供を一個人としてとらえ、愛があるからこそと伝わってくる。
子供にとって自分はどんな親なんだろうと考えらされたし、向けている目線を「子供」ではなくて「自分」にフォーカスした。
書かれている内容の全部が全部そうですよね、とは思わないけど読んでて「耳が痛いわ!」「…そうかも…(反省)」なんてのも沢山あった。
娘が、学校に行きたくない。という時期に読んだ一冊でもある。
印象的だったものを一つ
一般論としては、だいたいの親は子どもに「集中力」をつけさせたいと思っているのですが、ファミコンに関しての集中力というものは認めません。同じ集中してマンガを読むんだったらせめて赤塚不二夫じゃなくて手塚治虫を読んでくれなどと、かなり身勝手です。
集中力が続かないもの、飽きてしまうものは、その子からすると興味がない「面白くない」のかもしれないな。
子育てを通して何かの壁にぶち当たった時におすすめの一冊です。
これは、もしかしたら子供が読んでも救われる本なのかもしれない。
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