ぶっちゃけ塾バイトってどうなの?③〜やりがい・苦労編〜
このシリーズは中学受験専門塾で3年間アルバイトした経験をまとめているものです。第3弾の今回は塾バイトのやりがいと大変だったことについて話していきます。これまでの記事も読んでくださると嬉しいです。
自分の力で授業を作り上げる
最初は研修がありますが、それが終わってしまうと自分一人で授業に入っていくことになります。この瞬間は正規・非正規関係なく一人の「先生」なわけです。その授業が完全に自分に任されている状態ですから自分なりに考えて創意工夫をすることができます。自分の考えた説明や演出がスパッと決まり生徒の納得した顔が見られるときはやはり嬉しいですね。残念ながら私はポンコツ講師だったのでそんな瞬間はかなり少なかったですが……(泣)このように自分ならではの仕事ができるのが塾講師の魅力の一つです。ただ、その分毎回の予習はそれなりに大変ですし授業のたびにプレッシャーは感じ続けていました。
成果が目に見える形で分かる
私の塾では年に2回アンケート調査がありました。生徒に「この授業は得点力が上がると思うか」「その科目をさらに好きになる授業か」などを聞くもので、その結果が講師の得点となります。そしてその得点に応じて給料が変わるシステムでした。私はダメ講師だったため得点が低く、最低の時給2400円で働く期間が長かったです。ただ、ダメ講師でも2400円もらえるのはいいですよね!(笑)
アンケートの得点は正規・非正規関係なくランキング形式で講師室に張り出されていたため、「あの先生は私より後から入ったのにずっと上だ……」などと落ち込むことも多かったです。これが塾バイトをする上で最大のストレスでした。「次からはもっと上にのし上がってやる!」と負けん気の強い人には向いているかもしれませんが、私のような落ち込み気質の人には苦しいことも多いと思います。全ての塾がここまで厳しいわけではないと思いますが、受験塾の場合はある程度激しい競争にさらされることを覚悟しておきましょう。
しかし、だからこそ「ここをもっと改善しよう」など己を振り返り向上させるきっかけにもなります。私の場合は自習の時間に積極的に記述の添削を行ったり生徒に声をかけたりすることでアンケート結果を上げることができました。相変わらず下の方ではありましたが自分なりに成果を上げられたことが嬉しかったです。時給が3000円に上がったのも少し自信になりました。
生身の子どもと関わる
私は大学で子どもについて学ぶコースに在籍しているくらい子どもが好きなのですが、子どもと関わることについては喜びよりもプレッシャーの方が大きかったです。これはバイトを始める前の想像と最も大きく異なる点かもしれません。
子どもは良くも悪くも大人の影響を強く受ける生き物です。自分の一言が子どもの人生を左右する、とまで言うと傲慢かもしれませんが、子どもの人生を預かっているという感覚が私にはプレッシャーになりました。今でも失敗を思い出しては後悔と罪悪感に苛まれます。また、無自覚に子どもを傷つけてしまっていることがあるかも……などと考え始めると本当に沼です。この強い恐怖感は辻村深月先生の『噛み合わない会話と、ある過去について』の中にある「パッとしない子」を読んだことに由来するのですが、まぁ余談なので詳しく語るのはやめておきましょう。
また、これは完全に私の力不足なのですが、授業を進めることに一杯一杯で生徒一人一人と向き合う時間は案外少なかったです。言い訳にすらなりませんが、私の塾はクラス替えが激しく学年によっては毎週メンツが変わるので名前を覚えるので精一杯。なので合格したと聞いても「あ、あの子合格したんだ……」くらいの気持ちにしかなれませんでした。もっとしっかり予習していれば余裕が生まれ真剣に生徒と向き合えたのではないかと反省しています。
ちなみに子どもと関わるという点では個別指導の方が私には合っていました。大勢の子どもたちの前に立って授業をするというプレッシャーがない分余裕を持つことができ、先ほど述べた子どもの人生を預かる云々というストレスを抱えることもなかったです。生徒の名前を覚えるのに必死になることもなく、その分一人の生徒とじっくり向き合う喜びを感じられました。
おわりに
やりがいと大変だったことについてまとめましたが、なんだか大変なことの割合が多くなってしまいました……。ただ、決して塾バイトのアンチをしたいわけではありません。大変だったことも含めて私の財産になっていると感じています。他のバイトではできない濃密で貴重な体験をすることができました。
さて、まだこのシリーズは続きます!もはや私の自己満足のための記事ですが次回も読んでくださると嬉しいです♪
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