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ぶっちゃけ塾バイトってどうなの?④〜個別との違い編〜

 こんにちは、もの子です。3年間中学受験専門塾で国語を教えた経験から「塾バイトのリアル」をお伝えするこのシリーズも第4弾となりました。私は集団授業をメインで担当していましたが、同じ塾の中で個別指導もやっていたことから今回は集団授業と個別指導の違いについてお話ししていきます。

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個別と集団の給料

 個別指導の授業は1コマ1時間でした正確な金額は忘れましたが1コマで2000~3000円くらいもらえたと思います。以前の記事で集団授業の場合は授業と同じ長さの予習が必要というお話をしましたが、個別指導の場合は予習にかかる時間が圧倒的に短くなります。私は板書案を考えるのが苦手だったので、板書案を考えなくてよい個別はかなり負担が軽かったです。また、個別の場合は生徒に問題を解かせる間にささっと確認することもできるのである程度の内容が頭に入っていれば対応できます。私の場合、個別指導の予習は15分くらいでチャチャッと済ますことが多かったです。ただ、これは同じ塾内なので集団授業と内容が被っていたことが大きく、普通なら30分くらいはかかるかもしれません。それでも集団授業よりはかなり負担が楽になります。(あくまでこれは私の感覚で、個別指導でももっと念入りに予習をされている方もいらっしゃると思います)

 ではここで予習の時間も含めた時給を個別と集団で比べてみましょう。個別指導の時給を2000円、1時間の授業に必要な予習時間を30分と考えた場合、予習時間も含めた時給は2000÷1.5=約1333円となります。続いて集団授業の場合を考えてみましょう。私の塾では集団授業の時給が2400円〜だったので時給を2400円とします。1時間の授業に必要な予習時間を1時間と考えると予習時間も含めた時給は2400÷2=1200円ですね。

 ただし、個別指導の時給が2000円というのはかなり高い方だと思います。一般的には時給1200円くらいではないでしょうか。また、集団授業の講師は能力が高ければ高いほど給料が上がっていくので高い人は時給4000円以上もらっています。(その分予習にかかる時間もある程度長くなると思いますが……)そのためどちらの方がコスパが良いかは塾や人によるというのが結論です。ちなみにポンコツ講師の私の感覚としてはコスパなら個別の方が圧倒的にいいですね。ただ、なんだかんだと安定してお金が貯まるのは集団だと思います。その理由はこの後に書いていきますね。

働き方の違い

 前の記事に書きましたが、集団授業を担当する場合基本的に通年でシフトは固定です。例えば水曜日の授業を担当すると決まったら1年間ずっと水曜日のその時間は働くことになります。(季節講習などの例外は除く)集団授業の場合1つの授業を受け持てば3時間くらいは働きますから毎週それなりの収入が確実に入るのがメリットです。

 一方個別の場合ですが、生徒の都合に合わせて時間が決まるのでシフトの変動が大きいです。また、1年を通して必ずある通常授業とは異なり「1ヶ月間だけ集中的に弱点を克服したい」といったケースもあります。むしろ1年間ずっと個別指導を受け続けるケースの方が少ないのではないでしょうか。そのため時期によっては仕事が全然ないという事態もあり得ます。私は集団授業をメインでやっていたからかもしれませんが、個別は与えてもらえる仕事量が集団よりも少ない印象です。個別指導専門塾であれば常に仕事があるかもしれませんが、あくまで集団授業がメインの塾の場合は個別だけだと収入が安定しない可能性を頭に入れておいた方がいいでしょう。個別指導はシフトの変動が大きい分融通も利くので他のアルバイトと掛け持ちしてもいいかもしれません。

 また、集団授業の場合は17時頃から仕事が始まり遅いと23時頃までまとまった時間働くことになりますが、個別指導は1コマ60分、長くても120分で区切りがあるでしょう。そのためうまくいけば隙間時間にバイトを入れることも可能です。また、集団授業ほど夜遅くならないので一人暮らしの女性なんかは特に安心ですね。

集団授業だからこそ得られること

 これまで集団授業と個別指導の違いについてまとめてきましたが、私がメインで担当してきたのは集団授業ですのでここからは集団授業でしか得られなかったことについてお話ししていきます。

 集団授業の大きな特徴は常に緊張感があることだと思います。前の記事の内容と重複しますが、私の塾では集団授業講師についてのアンケートが年に2回ありその結果が講師室に張り出されていました。結果に応じて給料が変わることもあり常に授業の質を向上させようと試行錯誤せざるを得ない状況になります。また、他の講師の授業を見たりアドバイスをもらったりすることで刺激を受けることも多く、充実した仕事をすることができました。

 一方個別指導は自分と生徒の二人で閉じた空間になるのでどうしても緊張感が薄れるところがありました。その分授業がなあなあになってしまっていたのではないかと思う部分があります。もちろん個別でもちゃんと緊張感を持って授業をしている講師もいらっしゃると思いますが、中には個別の授業中にスマホをいじる講師もいたので全体的な傾向として緊張感が薄れるところはあるでしょう。

 もし個別指導しかやっていなかったら良くも悪くも「所詮バイト」という感覚が抜けなかったのではないかなと思います。集団授業講師は正規・非正規関係なく同じ土俵でアンケート結果の順位が出ましたし、塾長から直接話を聞く機会もありました。そのため企業で働くとはどういうことか見えてくるものが結構あったように思います。社会人になれば嫌でも分かるので学生のうちに知る必要はないかもしれませんが、集団授業講師の経験から自分はどのような働き方をしたいのかを考えることが増え、それが就職活動の指標になりました。

 就職つながりになりますが教師になることに少しでも関心がある人は集団授業の講師がおすすめです。学校と塾ではもちろん状況が違いますが、子ども同士で起きるトラブルなんかは学校と同じだったりします。授業中におしゃべりする生徒がいる、妙に女子から気持ち悪がられる男子がいる、後ろの席の子が前の子を蹴るetc……。そういうときにどのような対処をするべきか?もっと言えばどのような対処をする先生でありたいか?集団授業講師としての経験が「教師としての自分」を作り上げる助けになると思います。そもそもトラブルを引き起こしてしまっている時点で自分の力不足だったなと思いますが、このトラブル対処が集団授業ならではの大変さです。(第3弾のやりがい・苦労編に書きそびれていました)

 ちなみに私は大学に入学するときは教師になることに興味がありましたが、同時に大勢の子どもたちの対処をするのが苦手すぎて教師になるのはやめようと思いました。そのことに気づけたのも集団授業の講師を経験したおかげですね。余談ですが教職課程を履修していると模擬授業をやらなければなりません。集団授業講師をやっていれば正直大学の模擬授業はちょろいです。大活躍できますよ(笑)

おわりに

 今回は集団と個別の違いに焦点を当ててまとめました。「集団授業だからこそ得られること」については第3弾のやりがい・苦労編とかなり内容が重複してしまいましたね。第3弾を読んでくださった方は分かると思いますが、集団授業の方が個別指導よりもいい!というわけではなく集団授業ならではの苦労も多々あります。自分に合った働き方を選べるといいですね!

 次回でこのシリーズは最後になるといいなと思っています。ならなかったらすみません(笑)ではでは次の記事でお会いしましょう♪

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