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あたたかみのある土鍋

先日メーカー様の訪問がありました。こちら現在取引のあるメーカーI社長より元社員Nさんが勤められた会社の紹介がありました。

会社の役員が面識があったため、今回の打合せに私も同席することに。

内容を聞いてみると、萬古焼の陶器屋さんでした。

まず最初に萬古焼(万古焼)の説明をWikipediaにて抜粋。

陶磁器・焼き物の一つで、葉長石(ペタライト)を使用して耐熱性に優れた特徴を持つ。陶器と磁器の間の性質を持つ半磁器(炻器)に分類される。
三重県四日市市の代表的な地場産業であり、1979年(昭和54年)1月12日から経済産業大臣指定伝統的工芸品に指定されている。その耐熱性の特徴を活かした紫泥(しでい)の急須や土鍋(どなべ)が有名であり、特に土鍋の国内シェアは約8割を占める。

萬古焼きについて

明治時代に地場産業として大きく発展した萬古焼きは、品質の高い製品を効率的で安価に生産するため分業制が発達してきました。今もメーカー、問屋はもちろん、土屋、型屋、生地屋、釉薬屋、上絵屋等様々な専門業者の手により作り上げられます。

一般的な焼き物の製造工程は

原料→製土→成形→素焼き→(下絵付け)→施釉→本焼成→(上絵付け)  →検査・梱包・出荷

となります。(難しい専門的な説明は読みやすさを優先し省きます)

①原料

萬古焼の主な原料は、粘土、長石、陶石などです。

②製土

各原料はポールミルなどによる粉砕、ふるいで分けます。必要に応じ水を混ぜ、沈ませ分離させます。元になる原料を精製し、水を混ぜ機械で脱水して杯土と呼ばれるものを製土します。

③成形

現在は機械ロクロ成形、鋳込み成形が主です。手で作る伝統的なろくろ成形もあります。

鋳込み成形・・・石膏の型に杯土を流し込み、水分の吸収を利用して成形する方法

④加飾

陶磁器の美観を整えるため、下絵付け、上絵付け、化粧掛け、彫りなどの装飾をします。

⑤施釉(釉掛け)

釉薬は多くの種類がありますが、釉薬の焼成性状により透明釉、乳濁釉、マット釉、結晶釉に区分されます。

⑥焼成

主にブタンガスを燃料としたシャトル窯、トンネル窯で行います。電気炉による焼成もあります。また素焼きは専用の両横扉の窯で行います。

⑦検査

耐熱試験、耐酸試験などで安全性を確かめます。

今回はガーデニング用でも使える雑貨的なピッチャー、花瓶、蚊やりを製作した。

生産が間に合わない土鍋

ただHPには萬古焼きのトレードマークの土鍋があったのにないので聞くと、よく売れていて、1年後まで注文が入り生産が間に合わないほど。

ただ色味といいデザインといい、温かみがあったのが土鍋でした。

役員と私も同意見でこの土鍋を売りましょう。注文待ちというのは売れているアピールになります。やっぱり土鍋の方が背景というか、ストーリーがつくりやすいですよと持ち掛けました。

萬古焼でも有名なのは土鍋だそうで、分かりやすいと思いました。

よく陶器屋さんは作務衣を着て、頭にタオルを巻いて一日中ろくろを回しているイメージに取られるらしいが、今はアート的な要素の方が高く、若者が作家としてギャラリー展に出展したりと見方が変わってきている。

茶器、急須のルーツ

ルーツは江戸時代まで遡ります。江戸時代で茶器、急須が流通していました。明治時代になり、今まで使っていた茶色の土から白色の土に変わっていきました。

海外への輸出が伸びていましたが、オイルショックにより輸出がなくなりました。

昔は大きい鉱脈があり、先祖代々その鉱脈から陶器を作っていましたが、近年鉱脈が減り、他の土を使いブレンドして陶器を焼き上げています。もともと原料の粘土は湖が干上がり、湖の底の粘土を原料としていました。

陶器屋さんの話

昔は琵琶湖も広かったようで、琵琶湖の干上がったところが信楽、四日市といった陶器の産地になっているらしいです。だから鉱脈としては途切れずつながっています。

岡山の備前焼などは陶器屋さんが100年分くらい確保して取り崩して陶器を作っているそうです。

また萬古焼の焼き方はガス焼きが一定に焼き上げるので一般的ですが、炭火焼きも味がある、こだわりの高価な陶器が作ることができるため併用しています。

これだけの話をスラスラいえるのに正直驚きました。卸は広く浅くなのでこういったルーツの話を聞くのは正直勉強になりました。

こういった話をする機会は少ないですが、知識のストックとして持っておくと話の流れでは後押しに、説得力に繋がると感じました。


最後まで読んでいただきありがとうございました。





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