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妄想小旅行『太郎とスヌーピーと私』

非常事態宣言は解除されたが未だに感染者が出ている。どうやらこのウイルスとの闘いは長期戦になるようだ。共存するための迷走期間というべきかもしれない。
「東京アラート」なるものが発動され、いつの間にか解除されたがまだ不要不急の移動は避けなければいけないので県外へも行けない。誰がこんなことになると予想できただろう。

自称広く浅いインドア系ヲタクの私は室内で楽しめることが結構あるので自粛生活をほとんどストレスなく過ごせたのは不幸中の幸いだ。
そんな私でもインドアで楽しめるのは好きなときにアウトドアに行けるからだということに気づいた。

この数か月で適度に体を動かさないと大好きなTwitter巡回も楽しくないし、本も読めないし、Twitterのヲタ垢のTLを見るのもしんどく推しが尊いという感情も薄れていくこととわかった。体と脳は繋がっているというのがよくわかる。適度に体を動かし心身共に健康でないと私はヲタクとして生きていけないのである。
このことにいち早く気づいて徒歩での買い物かウォーキングを意識してするようになったのでストレスが少なかったのかもしれない。

まだ仕事や必要な用事以外で外出は控えなければならないが
10万円支給の手続きも済んだので使い道について妄想しようではないか。

行けるかもわからない旅の計画をするのは時間があるときにする私の遊びのひとつなので今回は記事として書き残してみることにする。楽しいのは私だけかもしれないが(笑)
交通費やホテル代も調べてざっくりした日程も決めていくと楽しくあっという間に時間が溶けてしまうので暇で仕方ない方におすすめの遊びだ。持ち物や服のコーディネートも決めるとさらに時間が溶けていく。個人手配の海外旅行でこの遊びをすると数日楽しめることもある。
だいたいの費用もわかるので旅のために節約して貯金するモチベーションも上がる。(費用が莫大すぎて落ち込むこともある。)

計算したら交通費、ビジネスホテル1泊、入館料などで約1万円だった。食費と雑費であと1万円を確保しておけば残りは80000円。
残りはヲタ活と推しに課金だ。経済回すぞ( **ᐛ )و **(←私のまわりのヲタクたちの合言葉になっている。)

のんびりいこう

早起きと混雑した電車は苦手なものトップ3に入るので、9時過ぎくらいの電車に乗ろう。オトナなので必要なら早起きするし混雑した電車も乗るが、寝起きからしばらくは血圧が低めなので朝の混雑した電車はほんとうにしんどい。見るからに健康体なのだが朝は上の血圧が100ないこともあり、たまに病院で血圧をはかってびっくりされることがある。

移動時間は2時間以上、往復で4時間強になるし行きたいところがいくつかあるので1泊することにしよう。今はホテル業界も大変だろうから少しでも助けたい。5000円以下で泊まれるビジネスホテルを目的地の近くで見つけたのでそちらを予約しよう。

初日は南町田グランベリーパークへ向かう。ここは2019年11月にオープンした公園とショッピングモールが融合した空間になっている。
私はモールやアウトレットをぶらぶら見てまわるのが好きで、何も予定がない休日はお気に入りのアウトレットモールへ行ってウインドウショッピングしてお茶したりする。気に入ったものがあれば買うこともあるが何も買わないことの方が断然多い。長くて2時間、短くても30分は歩くことになるので適度な運動になるし楽しいし気分転換にもなる。今はそれも控えなければいけないのでせめて妄想で行かせておくれ!!

移動時間が長いのでとりあえず到着したら昼食にしよう。気になるサラダ専門店やカフェがあるので気分で決めたい。ヤナカコーヒーも入っているようなので豆も買いたいな。
ぶらぶらするのはあとにして昼食を終えたらスヌーピーミュージアムへ向かう。6月28日まで企画展『ビーグル・スカウトがやってきた!』をやっているのだ。2月29日から臨時休館中だったが、なんと6月5日から再開しているそうだ。

スヌーピーと私

スヌーピーは子どもの頃から好きだったが、実家でラブラドール・レトリバーを飼いはじめてからさらに好きになった。
スヌーピーはビーグルという垂れた耳が特徴的なイギリス原産の犬種で、嗅覚が鋭く猟犬として飼われたり、空港で検疫探知犬として活躍することもある。もちろん家庭犬としても愛されていて、知人が飼っているビーグル犬は人懐こくてとてもかわいい。
ラブラドールは盲導犬として活躍している犬種といえばわかる人も多いだろう。歩くとパタパタと動く垂れ耳はベルベットのような手触りで触っているだけで不思議な安心感に包まれる。だらりと垂れた耳でも何かを熱心に聞いている時や甘えている時はきゅっと少し後ろに倒れるのもかわいらしい。そんな耳をスヌーピーも持っていると思うと愛着がわく。

スヌーピーは6人きょうだいでベルという女きょうだい(姉か妹かは不明)もいて、そのことを知らない時に名付けたうちのラブラドールもベルという名前だったので不思議な縁を感じる。お気づきの方もいると思うがnoteのアイコン画像はラブラドールの方のベルだ。残念ながら5年前に死んでしまったが今でも毎日写真を見てかわいいと思っている。肉体がなくなってもかわいいは不滅なのだ。

『PEANUTS』の愛らしいキャラクターたちが繰り広げる日常にはほっとする場面や哲学的なメッセージがたくさんあり、オトナになった今読んでもとても楽しめる。
パイロットやキャンプや小説家などさまざまなことに果敢にチャレンジするスヌーピー、気が弱いチャーリー・ブラウン、いつも不機嫌なルーシー、
ユーモア、皮肉、人生の教訓を多分に含んだセリフや展開に感銘を受けたりくすりと笑えたりする。

スヌーピーを堪能したあとはモールをぶらぶらする。なんと南町田グランベリーパークにはアウトレットもあり、カフェなどの飲食店や公園もあるのでぶらぶらし放題である。モール内にはヤマト運輸の荷物受付センターもあるようなのでスヌーピーグッズをたくさん買ったらここから送ってしまえば身軽に帰れる。

モールを歩きながら夕食をどうするか考えよう。ネットで調べたらモール内に1人でも軽く飲めそうなお店をいくつか見つけたし、お酒とおつまみを買ってホテルで飲むのもいいかもしれない。なんと今回泊まるホテルは全室に電子レンジが完備されているので本格的にホテル飲みするのに最適である。これも当日の気分で決めたい。

ホテルは近くのビジネスホテルに泊まることにする。雰囲気のいいホステルも見つけたが数千円出して個室に泊まれるならそちらの方が落ち着く。そのホステルはカフェも併設されているので翌日の朝食をとりにいくことにしよう。

岡本太郎と私

妄想小旅行2日目は川崎市岡本太郎美術館へ向かう。ホテルからは電車で20分くらいだ。こちらは何度か訪れたことがあるので最寄り駅の向ヶ丘遊園駅から現地までのも道も覚えているので安心だ。
開館時間は9時半なので10時頃に到着を目標にホテルは9時過ぎに出ればいいだろう。前述のとおり私は朝も混雑した電車も苦手なのでゆっくり現地に向かえるのはストレスが少なく体もラクだ。その上大好きな作品を見ることもできるので最高の小旅行だ。

世代によって岡本太郎の印象は様々だと思うが、一時期テレビ出演していたこともあり「芸術は爆発だ」というフレーズを耳にしたことがある方もいるしれない。1970年の大阪万博のために建設された太陽の塔が有名だ。

岡本太郎との出会いは2006年の夏だった。
メキシコで見つかったあの有名な芸術家の壁画が修復されて日本で展示されるなら見に行ってみようかなと軽い気持ちだった。 当時はいろいろとあって体調を崩して無職だったが、リハビリがてらバイトでもしてみようかなと考えているときに出会ったのが岡本太郎の『明日の神話』という壁画だった。

人は感動すると震えるのだなとはじめて知った。
感動しすぎてあまり記憶がないのだが、壁画を目の前にしてしばらく動けなかったと思う。動けるようになって何度も壁画の前を往復して、遠くから眺めていても手が震えていた。その日から私は岡本太郎の作品に夢中になった。
2011年には生誕100年 岡本太郎展が東京国立近代美術館で開催され、もちろん私もそちらに足を運んで作品を堪能したのだがその日が3月11日だったことに勝手に運命めいたものを感じている。

『明日の神話』は原爆をモチーフにした作品で、中央には被爆した人体が描かれ、右側には水爆実験に巻き込まれたマグロ漁船、左側には平和な世界で過ごす人々が描かれている。原爆を発明し使い始めた人類への警告と平和を願った壁画だ。
被爆した人と炎は原爆の恐ろしさを、擬人化したマグロ漁船で原爆のむなしさを、平和な世界の手前に描かれたモンスターのような物体は原爆による混乱を描いていると私は解釈している。どす黒い色の中に走る稲妻のような赤は生命の輝きを表しているように感じる。
作品を解説することしかできないが、私はこれを見て魂が震えあがるような感動を覚えた。

川崎市岡本太郎美術館にはカンヴァスに描かれた『明日の神話』の原画が展示されているのでじっくり楽しみたい。
この美術館にはカフェも併設されているので、お昼を食べてからまたぐるっとまわろうと思う。カフェテリアTAROはコーヒーや紅茶の他にサンドウィッチやパスタ、ハヤシライスなどのごはんもの、デザートなどもありメニューはかなり充実している。しかもビールとワインもある。大好きな作品を見てからのビールは格別だろう。

おそらく美術館を後にするのは15時くらいになると思う。自宅がある千葉に帰るには2時間以上かかってしまうが余韻に浸るにはいい時間かもしれない。ゆっくり浸りたいときは快速のグリーン車か特急に乗って千葉まで帰ろう。

これで私の妄想小旅行は終わりだ。文章にすることでより長く楽しめたのでまた記事にしたいと思う。誰に求められていなくても!!

現在、川崎市岡本太郎美術館は開館しているのでお近くの方はぜひ足を運んでいただきたいが、VR動画で館内を楽しむことができるので気になる方は見てほしい。私はこれを知った時に声に出して「最高ッ!」と言ってしまった。

人がまったくいない美術館を見てまわるのは不思議な感覚だ。私はちょっと酔ってしまったのでVRに慣れていない方はご注意ください。

ちなみに川崎市岡本太郎美術館は月曜日と祝日の翌日は休館日なので注意していただきたい。私は電車で2時間かけて行って休館日だったことが過去に1度だけあった・・・。下調べを含めた妄想が大切だということはこの時学んだ。
スヌーピーミュージアムは8月18日以外は年中無休だが、今後また臨時休館があることも予想されるので、出かける前にウェブサイトをチェックしてくださいね。

さて、次はどこを妄想旅行しようかな。

※トップ写真はガチャガチャの『コップのフチの太陽の塔』とゴッホ展で購入したスヌーピーのぬいぐるみ。ゴッホも好きなのだ。

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