エンジニアリングマネージャーが週休3日で働くまでの道のり
この記事は 『LITALICO Advent Calendar 2022』21日目の記事です。
前回、「エンジニアリングマネージャーが3ヶ月の育休を取得するまでの道のり」という記事を書きました。
本記事ではエンジニアリングマネージャーが、育休が明けて、復職してから週休3日で働くまでの過程をご紹介します。
まえおき
筆者について
LITALICOへ新卒入社、インターン期間も含めると在籍8年(当時)
Webサービスの開発チーム数名のEM
裁量労働制
入社からほぼ一貫して、LITALICO発達ナビ の開発に従事
2020年前半から在宅勤務中心
2021年春に3ヶ月の育休を取得し、その後もとのチームへEMとして復帰
復職前の話
育休中の話は積もる話があるので別記事にする予定ですが、
週休3日に至るまでの過程で復職前の話も文脈として必要だと思うので簡単にご紹介。
(当然ですが)育休中は育児と家事に100%の時間を注ぐように心がけた
なので、机に向かって何かを考える時間は取れないが、頭を使う時間は(なんとか)取れる
頭が使える時間は、今後のキャリアや働き方、そもそも復職後に自分がどんな価値提供ができるのか考えた
復職前の面談などを通して出た結論
エンジニアHRとして、多様な働き方・エンジニアの働きやすさについて、貢献できるのではないか
育休取得の当事者になり、多様な働き方の当事者となったこと
メンタルヘルスマネジメント、衛生管理者など、労務に関わるような資格を取得していること(単純に興味もある)
エンジニアマネージャーのキャリアもまだまだ浅いので、続けたい
復職後の働き方と育児の状況
フルタイム(裁量労働)での復帰
元鞘にEMとして復帰
育休前に代理でお願いしていた業務の引き継ぎ
エンジニアHRを兼務
新入社員オンボーディングのお手伝い
エンジニア組織全体の会議運営のお手伝い
新卒採用、育成、研修の企画・実施
育児(生後4ヶ月〜1歳)
3-4回は夜中も起きる、結果的に自分の睡眠時間は3-4時間
朝は6時には起床
朝の家事、子どもの朝食を済ませて出勤
18時には退勤しないと、夜の育児のタイムリミットがある
子どもが寝る時間から逆算すると、色々回らない(ご飯、お風呂、寝かしつけ)
子どもが寝たあとに残った仕事、副業、プライベートでやりたいことをこなす
これも、子どもが起きるたびに断続的にはなる
夜中の育児も夫婦揃って対応するようにしていたので、自分の睡眠時間が短いのが一番身体にこたえました。
そんな中、HRとしての新しい業務も手探りで始めたので、非常にてんやわんやな状態での復職となりました。
社内の動き(週休3日制度の新設)
多様な働き方を選択できるようにすることを目的に、2022年4月より、週休3日(正式には週32時間社員)制度が新設されることに。
制度概要
週32時間勤務なので、フルタイム40h/週からマイナス8hになり、基本は週休3日
給与は、勤務時間の減少(32h/40h)に合わせて2割減
フレックスタイム制
エンジニアは裁量労働制が基本だが、週休3日を使う場合はフレックスへ移行
月に必要な労働時間を満たす必要がある
半期に一回、制度継続の検討可能
制度を使うまでの悩み
「育児も仕事もフルコミットで両立するのは難しいから、即希望を出そう!!」…となったわけではなく、非常に悩みました。
メリット
育児の状況と、育児へコミットしたい気持ちを鑑みると休みが増えるのは単純に嬉しい
平日に1日休みが取れるだけで、遠出しやすかったり、遊べるスポットが空いていたり、子どもとの遊び方の選択肢が増える
育児の状況も刻々と変化するため、半年に一回、働き方の見直しができるのは動きやすい
今の生活リズムでは限界が来るのが目に見えている
育児の負担を軽減するか、仕事の負担を軽減するか
後者の選択肢が存在するのはありがたい
デメリット
サラリーマンとして、単純に収入が今の8割になってしまうのは痛手
育休から復帰して数ヶ月、まだ両立できる道があるのではないか
裁量労働制という、ある意味「成果」さえ出せれば自由が効く働き方なので、週1日分(例えば、半日×2日間なども含む)休めるように調整できないか?
仮に制度を活用するとして、なんとか回している状態の業務、何をどう調整しようか
育休同様、何を誰に任せていくか
任せた業務はどのようにレポーティングしてもらうか、キャッチアップするか
いつ休むのか(何曜日の会議をどこにずらす?欠席する?)
決断
メリット・デメリットのまとめのようになってしまいますが、
最短で半年間の制度(見直しが可能)である
収入面、業務面で、やってみてうまくいかなかったら軌道修正しやすい
子どもの年齢が小さい間に、たくさん関わりたい
「一緒に遊べる(遊んでくれる)期間なんて数年だよ」と言われて納得
仮にもっと長期間遊んでくれたとしても自分の老化には抗えない(子どもの体力すごい)
子育ては20年だとして、自分のキャリアはその倍以上ある
子育てもキャリアも、どちらも待ったなしなのは変わらないが、自分のキャリアは今後も軌道修正できそう
裁量労働の枠組みの中で1日休む(業務調整する)のは自信がない
週5日で出していた成果を週4で出さなくてはいけない
ある意味、公休として週1で休みを取らなくてはいけない、という環境にした方が、自分の精神的にも楽なのと、周囲の納得感も得やすい
ということで、総合的に考えて、週休3日制を活用することを決断しました。
業務調整
週休3日を使うことを決めたのが2022年2月。
4月から開始なので、残された期間は1ヶ月ちょっと。
自分が平日1日いなくてもチームの業務が回る状態、そして自分の業務が回る状態を作る必要がありました。
考えたこと
マネージャーや部長が集まる会議などを調整したり、欠席するのは難しい(むしろ優先事項)
幸いにも、自分の業務の洗い出しは育休取得時にできている
改めて、何を大事にして、何を任せるか整理が必要
変えたこと
出ない会議を決めた
会議で決まった内容を把握できる仕組みづくり(議事録、レポーティングラインの整備)
今まで以上にマネジメント業務に集中
自分が開発業務に携わる優先度は下げて、チームメンバーがスムーズに開発できるよう、裏方業務を優先
週次でメンバー全員と1on1実施し、チーム状況の解像度が低くならないように
アシスタントマネージャーとの役割分担、レポーティングの仕組みを整理
週休3日で働いてみて
収入2割減は想像以上にインパクト大きい
数値上はわかっていたけど。。。
平日1日休めるだけで、家事・育児が非常に捗る
平日の公園、遊び場最高
後回しにしていた家事などを余裕を持って終わらせられる(QOL向上)
仕組みさえできれば、安心して業務を任せられる(丸投げはNG)
自分がいない間に進んでいる仕事の状況が、後でキャッチアップできる仕組みが重要
自分の業務の選択と集中が進む
さいごに
エンジニアマネージャーが育休からの復職を経て、週休3日制度を使うまでの過程をご紹介しました。
子どもが生まれてから、自分だけの時間が取れない(優先度が低い)ことが多く、一層「自分の時間を何に使うのか」を考えることが多くなりました。
育児も仕事もプライベートも、やりたいこと、やったほうがいいことはたくさんありますし、一方で時間は有限であることを意識させられます。
(他の職種でも同様だと思いますが)エンジニアという専門職は環境の変化が大きいので、常にスキルアップが必要な仕事だと思います。また、歳を重ねるにつれて、新しいこと吸収したり覚えたりすることのハードルは上がってきているように感じます。
その中で、仕事やスキルアップ以外のことに自分の時間を使うというのは、勇気のいる決断でもありました。
ただ、長い人生の中でライフイベントによって仕事に打ち込めない時期があるのはある意味当たり前だと思いますし、こういう環境に置かれたことによって自分の時間の使い方を見直すきっかけになったのは、良い変化だったなと思いました。
今後も人生の変化を楽しみながら、多様な働き方を実践していこうと思います!
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