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こども庁野田聖子炎上、明石市長よく言った!子育ては1年では終わらないことを政治が理解していない!

今週こども庁担当大臣予定の野田聖子炎上しましたね。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/301370

なんでも自分は河野大臣みたいにブロックしないと言っておきながら児童手当等の所得制限撤廃を訴える人たちをTwitterでブロックしたとか。

二枚舌は良くないですね。

所得制限に関しては明石市の泉市長の言。

「それに、所得制限をかけるのであれば、当事者を見るべきであって、本人以外で見るべきではありませんよ。1000歩譲って、所得制限かけるにしても、感覚的には年収3000万ぐらいからかけるべきやと思いますけどね。1000万ってお金あるようでないですから。子ども3人いて、進学とかあったり、障害ある子だっている、みんなその中でやりくりして、しんどいわけですから」

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/301370

年収1,000万は富裕層か?

年収1,000万円というとお金持ちに思う人も多いと思います。
でも今の日本の貧富の格差拡大は年収1,000万が中流以下の生活になることも大きな問題であるといい加減に政治家も理解してほしい。

この30年ほど平均所得はほぼ上がっておらずむしろリーマンショックで大きく下がって回復し切っておらず平成元年で平均436万円(国税庁調査より)、にも関わらずベースの生活費は食品以外軒並み倍増しています。

インターネットや電話、スマホなど通信費は、一人1台の時代になって、30年前の10倍以上。昔って二千円あればインターネットもできたのに、今は家のインターネット五千円に加えてスマホ代、家族4人なら2万円かかることも普通。
スマホはあって当たり前、ないとバイトやコミュニティにも参加できない。
水道光熱費は上がり続ける。
学費、給食代も上がり続け、失われた30年バブル以降で月額1.5〜2倍になっている。
その間の平均所得はほとんど上がらず。

実際のところ、地方は事情が違いますが、35歳以上の共働き世帯だと世帯年収1,000万は都市部ではそこまで珍しくはありません。
平成21年の所得の分布状況を見ると、60%は400万以上の年間所得があるので、共働きだと期待値として800〜1000万、子育てでお金がかかる30〜40代で共働きだともうちょっと上になるので、共働きなら世帯年収1,000万の世帯は普通にいます。(この調査はリーマンショック翌年の調査なので、平均年収はここからグッと下がっています)

年収1,000万って本当にお金持ちなのでしょうか?計算してみましょう。
都市部だと家族で住むようなマンションは12〜15万/月くらいはしてしまうのが割と普通なので、家賃だけで年間200万くらいかかります。

都市近郊での暮らしにかかる費用を考えてみると、年間で住宅費200万、収入に見合う保険に20万、車のローンや維持費40万、家族4人のスマホ20万、電話インターネット・映像受信料で年間15万、水道光熱費25〜30万とライフラインに準ずるものだけで年間300万円前後かかります。持ち家ならこれに修繕積立を年間15〜20万くらいはすることになります。マンションなどだと強制徴収されますね。そこに白物家電や黒物家電を定期的に買い替えることを考えると、年間20万程度確保しておかないと壊れた時に大変です。

家族4人の食費って切り詰めても月5万、普通に食べたいものを食べると外食しなくても7〜8万くらいはかかります。たまの外食なども考えるとやっぱり年間100万弱。服飾費はなんだかんだで切り詰めても、痛んだ服や肌着を定期的に入れかえるなら贅沢しなくても年間一人当たり5万はかかりますので20〜30万。

ここまで考えただけで都市近郊での家族4人、ブランド物とか買わないそこそこ悪くない暮らしをするには、年間500万くらいかかるなぁと言うことがわかります。

それに加えて、子供にかかるお金を出すことになるわけです。

学校の費用、給食費や修学旅行積立など色々で引き落としされます。この額はどの地方でも年収によって金額が変わります。後から補助が出るやり方と引き落とし時に既に補助分を引いた金額で引き落とすやり方など自治体によって違うと思いますし、金額自体も自治体によって違います。給食費は満額払う控除後年収900万以上の人がいる世帯は小学生で年間おおよそ6万円〜8万円、中学生で9万〜13万くらいのようです。(文科省給食費平均推移参照)

塾や習い事、行かせるならですが、小さい頃なら月2〜3万で年間25〜40万くらい。中高生の受験対策の塾や家庭教師なら年間50〜70万くらいかかります。大学や専門学校に行くなら学費は国公立でも年間100万くらいになります。理系の専門や大学、短大だと国公立でももっと高い。大学の学費も30年前に比べて1.5倍以上になっています。(文部科学省;https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokuritu/005/gijiroku/attach/1386502.htm

ここまで考えただけで、都市部近郊で二人子供がいる中学生〜大学生まで、贅沢しなくても700万以上手取りがないと塾に行かせることもできないということが見て取れます。

では手取り700万って年収いくらでしょうか。年収早見表を見ると、手取り700万を超えるための年収の目安はなんと年収980万、ほぼ年収一千万円です。
https://www.musashi-corporation.com/wealthhack/annual-income-net-income

年収1,000万では奨学金や教育ローンなしに子供を大学に行かせることもかなりギリギリなのです。

そりゃ奨学金返済に苦しむ人が増えるのも当たり前、学費が高い理系に行く人が減るのも当たり前です。STEAMとか言って小中高生に理系の勉強増やしたって理系の大学に経済的に行けない。これで理系強化って政府も官僚も頭悪いとしか思えませんね。厚労省と文科省の縦割りもいい加減にしろと。

年収1,000万円の世帯の格差

共働きで年収600万と400万だと世帯手取りは777万円
一方で単独で1,000万だと世帯手取りは712万円

なんと共働きに比べて1馬力で働く世帯の方が手取りは65万以上少ない。

控除があるだろうと思う方もいるかも知れませんが、年収1000万を超えると配偶者控除も老齢者介護控除も受けることができません。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1191.htm

子供の控除があるだろうと勘違いされている人も世の中多いようですが、そもそも児童手当があると言う理由で15歳未満の子供には扶養控除はありません

同じ家族構成の場合、控除でこの65万の差が広がることはあっても縮まることは決してないのです。

そして、年収1000万以上を夫婦で稼ぐ世帯にはさらに児童手当がでます。

子供2人だと最小でも24万、最大36万。

自治体によっては明石市のように独自に所得制限撤廃していたり制限超えても半額だすと言ったところもあるようですがそれでも差は広がることはあっても縮まることはありません。

同じ世帯年収なのに可処分所得の差は100万円近くになります。

夫婦で働けば良いと思うかもしれませんが、ロストジェネレーションと言われる子育て真っ最中の40代。2000年前後に新卒の人たちは、男性でもまともに就職できていない人が多い中、当時の社会情勢で女性なら尚更です。

40前後まで専業主婦やパートをしていた人が正社員で就職なんてそんな簡単ではありません。40代以上、私もそうですが我々ロストジェネレーションはあらゆる点で社会から切り捨てられる結果となっているわけです。

うちはシングルファザーなのでそもそも共働きしてくれる人がいませんしね。

中流層も救わないと日本の未来はない

明石市長はよくぞ政治家が言ってくれた!と思いますが

中流層がローンなしで大学に行かせられるくらいにしないと、親も本人も借金まみれですよ。日本の知識層の拡充失敗も世界での特許・発明・論文数全ての失墜もこのままだと止まることはないでしょう。

奨学金返済で苦しむ若者が増えているのは児童手当や子育て支援と関係ないとか思っているのでしょうか。子供手当が出るだけで、その間に大学の学費に備えたりもできるのに、中流階級、中の下の階級からその機会と、理系を選択する機会も奪っている現実。子育て世帯の収支を1年単位でしか語らない政治家や官僚。子育ては20年あるんですよね。そんなこともわからないのでしょうか。

ただでさえ、30年前と比べて、税率の増加、消費税、介護保険、健康保険や年金の増額、手取りは減る一方です。とりあえず児童手当と子供を控除対象から外すことは別なので子供の扶養控除をちゃんと復活させ、中流階級の子供たちの学びをしっかり支えてこそのSTEAM、理系の強化です。

生まれてから成人するまで長期的な視点で見ないと子育て支援なんて言えないですよ。


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