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還元されたお金はきちんと使おう、デジタル社会において開く格差

この前、知人と話していた時のことだ。携帯を楽天にして、日用品もまとめて楽天で買うようにしたら、ポイントが有効に貯まって使えて、わざわざスーパーに買い物に行く手間も省けて、生活コストが大幅に下がったという話があった。今でこそPayPayやLINE Payのバラマキキャンペーンで消費者へのお金の還元が強く意識されているが、企業はこれまでもポイントという見えづらい形でお金をみんなにばらまいてきたのだ。しかし、私の知人のようにそれをフル活用している人は、次第に増えつつあるとは言え、まだまだ少ないのではないだろうか。それは企業ごとにポイントが違って管理しづらい点やポイントを利用する為の手続きが手間な点、ポイントの用途が限られている点など理由は様々考えられる。

お金は不思議だ。どれも同じであるはずなのに、手に入れ方や使う時と場所、見え方によって性質が大きく変化する。例えば、ボーナスやギャンブルなど臨時で手に入ったお金を使う心理的なハードルは低い。東南アジアやアフリカなど貨幣価値の低い国で大量の紙幣を手にした時は、自国通貨ではないこともあってか、お金感が薄れて必要以上に使ってしまう。ところが、ポイントとしてのお金は、臨時的かつデジタルでお金感が薄いにもかかわらず、積極的に使おうとはならない。なぜなのか。先ほど述べたユーザービリティだけにその理由を求めるのは無理がある。それは、技術の改善が年々進み、LINEウォレットなど生活の一部としてポイントを一括管理できる媒体も現れているからだ。

ちょうどLINEが「全員にあげちゃう300億円祭」キャンペーンをやっていた時に、私も何人かの友達に1,000円をばらまいた。この時に驚いたのは、受け取った友達の多くが新しくLINE Payのユーザー登録(本人確認、銀行口座連携)をせずに、お金を受け取らなかったことだ。1,000円もあればスタバで好きなコーヒー2杯は飲むことができる。コーヒーを買う為に普段支払うお金と、LINE Payでもらったお金の一体何が違うのだろうか。本質的には何も変わらないはずだが、捉え方がやはり人それぞれ異なっている。日本人のITへの抵抗感やお金リテラシーの低さがこの違いを生み出しているのだろうが、これを克服しなければ、私の知人のようにあらゆるお金を使いこなす人とそうでない人で、デジタル社会における新しい格差は拡大していくに違いない。

そして、投資的観点からこの格差を大きくしうるのが暗号資産だ。今週に金融広報中央委員会が発表した「金融リテラシー調査 2019年」では、アンケート結果から暗号資産への理解度が投資成績に大きく影響していることが示された。国あるいは業界がきちんとした指導をしなければ、2017年末から2018年にかけての暴落時のように、アマチュア投資家がプロ投資家に食い物にされる構図は一層強まるだろう。しかし、これをチャンスと捉えることもできる。暗号資産はIT×お金の教材としてうってつけだ。そのデザインの仕方によっては、暗号資産が日本のキャッシュレス化を促進する起爆剤になる可能性も十分に考えられる。そうなれば、懸念される格差は改善され、世の中の経済厚生が上昇することにも繋がるだろう。
暮らしレベルに顕在化はしていないが、デジタル社会においてはこれら以外の面でも様々な格差が広がりつつあることを私たちは忘れてはならない。

#暗号資産 #ブロックチェーン #デジタル #キャッシュレス

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