【栄養③】〜炭水化物(糖質)〜
埼玉県では、夏の大会の抽選会まで2週間を切りました。
高校球児にとっては、この時期はベンチ入りをかけた勝負の時期であり、またここから夏の大会までケガなどで今までの努力が水の泡にならないように、細心の注意を払わなければいけません。
トレーニング過多などによるケガや、コンディショング不良によるパフォーマンスの低下といったことが起きないよう、1人のアスリートとして栄養面にも気を配ってもらいたいものです。
これまでに「スポーツフードスペシャリスト」と「スポーツフードアドバイザー」の資格取得の中で得た知識や、その他各種セミナーや講演会、野球指導専門誌の特集や連載記事、書籍の中で学んだことを参考に、私自身の頭の中のアウトプット・整理整頓・アップデートも兼ねて簡単にまとめてみました。
少しでもご参考になれば幸いです。
前回までは「たんぱく質」について書きましたが、今回は「炭水化物(糖質)」について取り扱おうと思います。
車で例えると“ガソリン”
炭水化物は、糖質と食物繊維からなります。
今回はその中の糖質に着目して書こうと思います。
糖質はご飯やパン、麺類などの主食となる食品や、いも類、果物などに多く含まれています。
体の主要なエネルギー源となり、1gあたり約4kcalのエネルギーになります。
車に例えると“ガソリン”の働きになります。
前回投稿した「たんぱく質」は車に例えると“ボディー”になるでしょう。
どんなに良い“ボディー”のスペックの高い車を持ってたとしても、しっかりと“ガソリン”が入っていなければ走ることはできません。
タンクは肝臓&筋肉
では次に、体内の“ガソリンタンク”の話に移ります。
体内で“ガソリンタンク”にあたるのは、肝臓と筋肉になります。
糖質は体内で分解・結合され、グリコーゲンという栄養素となり、肝臓と筋肉に蓄えられます。
肝臓に蓄えられるグリコーゲンは、およそ100g程度であり、グルコースという栄養素に分解されて血液中に放出されます。
一方、筋肉に蓄えられるグリコーゲンは、約200〜300gで、筋肉だけで使われます。
意外と「“ガソリンタンク”は小さいな」と感じるのではないでしょうか。
“ガス欠”になると
では次に、“ガス欠”が起きるとどうなってしまうのか、という話です。
炭水化物(糖質)が不足すると、疲労が蓄積し、筋力の低下を引き起こします。
また、筋肉だけではなく、脳の活動の低下も引き起こします。
それが原因となって、パフォーマンスが落ちるだけではなく、集中力が落ちたり、ケガをしたりしてしまいます。
先ほども記したように、“ガソリンタンク”は意外と小さいです。
もちろん基礎代謝や日々の生活、運動の中で多くのエネルギーが消費されるので、しっかりと炭水化物(糖質)を摂取しておかないと、“ガソリン満タン”という状態は維持できません。
特にアスリートは、常に“ガソリン満タン”の状態でいられるよう、炭水化物もしっかりと摂取していきましょう。
高校球児は1日5000kcal!
高校球児は毎日かなりのエネルギーを消費するため、1日に4500〜5000kcalを摂取しないとエネルギー不足になってしまうと言われます。
その中で、糖質の1日の摂取量は、1日に必要なエネルギーの約60%が目安と言われています。
そうすると、高校球児は1日に約3000kcalの炭水化物(糖質)を摂取する必要があるということです。
糖質は1gあたり約4kcalのエネルギーとなるので、約3000kcalを摂取するには約750gの炭水化物(糖質)を食事で摂る必要があります。
どのくらい食べればいいのか
では、高校球児は750gの炭水化物(糖質)を摂るためには、どのくらいの量を食べる必要があるのでしょうか。
ここで主食となるものの糖質の量をまとめてみると、以下のようになります。
ご飯だけで750g摂ろうとすると、1日13杯半食べる必要があります。
食パンだと約27枚、バナナだと約27本になります。
同じ物だけで摂るわけではありませんが、3食と補食(間食)の中でさまざまな物を食べ、約750gを食べられるように意識的に取り組んでいきましょう。
もちろん体づくりのためにも、たんぱく質とともに、です。
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