【栄養④】〜脂質(魚と植物の油をとろう)〜
埼玉県では、夏の大会の抽選会まで2週間を切りました。
高校球児にとっては、この時期はベンチ入りをかけた勝負の時期であり、またここから夏の大会までケガなどで今までの努力が水の泡にならないように、細心の注意を払わなければいけません。
トレーニング過多などによるケガや、コンディショング不良によるパフォーマンスの低下といったことが起きないよう、1人のアスリートとして栄養面にも気を配ってもらいたいものです。
これまでに「スポーツフードスペシャリスト」と「スポーツフードアドバイザー」の資格取得の中で得た知識や、その他各種セミナーや講演会、野球指導専門誌の特集や連載記事、書籍の中で学んだことを参考に、私自身の頭の中のアウトプット・整理整頓・アップデートも兼ねて簡単にまとめてみました。
少しでもご参考になれば幸いです。
前回までは「たんぱく質」と「炭水化物(糖質)」について書きましたが、今回はたんぱく質・糖質とともに五大栄養素の1つである「脂質」について取り扱おうと思います。
脂質は悪いものではない
脂質には、「脂肪となる」「太る」といった悪いイメージがあるのではないでしょうか。
まず脂質は、そのすべてが悪いというわけではありません。
脂質は、エネルギー源としても、体の“断熱材”としても、大切な栄養素です。
糖質と同様に体の“エネルギー源”となり、脂質は1gあたり約9kcalのエネルギーとなります。
糖質が1gあたり約4kcalのエネルギーになるのと比較すると、脂質は糖質に比べて効率の良いエネルギー源です。
また、脂質は体を作る細胞の材料にもなります。
脂質は摂取してはいけないものではなく、われわれの体には必要不可欠な栄養素だということです。
脂質には3種類ある
そんな脂質ですが、もちろんどんな脂質でも、どんなに摂取してもいいわけではありません。
脂質の中にも、良いものと悪いものがあります。
脂質は、大きく分けて3種類に分けられます。
① 飽和脂肪酸
まず、肉やバターなど常温で固体の油に含まれる飽和脂肪酸です。
飽和脂肪酸は中性脂肪やコレステロールを増やしてしまうため、摂取のし過ぎには気をつけなければなりません。
ただ肉については飽和脂肪酸を多く含みますが、良質なたんぱく質資源でもあるため、飽和脂肪酸の摂りすぎには気を付けつつ食べることになります。
② 不飽和脂肪酸
次に、魚油や植物油など、常温で液体の油に含まれる不飽和脂肪酸です。
DHA、EPA、オリーブオイル、菜種油などになります。
中性脂肪やコレステロールを減らす、動脈硬化を減らす効果があるため、体に良いものです。
不飽和脂肪酸の中の「n-6系脂肪酸」と「n-3系脂肪酸」は“必須脂肪酸”と言われ、体内で作ることができないため、食事を通して摂取するしかありません。
意識的に摂取するようにしましょう。
③ トランス脂肪酸
最後に、マーガリンやショートニング、それらを使うパンやケーキ、揚げ物など、主に加工食品に含まれるトランス脂肪酸です。
トランス脂肪酸は過剰に摂取すると、体脂肪を増やしてしまったり、心臓病のリスクを高めてしまったりします。
ファストフード、ジャンクフード、洋菓子、菓子パン、揚げ物などは美味しく感じるものですが、体に良いかと言われると良いとは言えないでしょう。
摂取は控えるべきかと思われます。
さいごに
今回の「脂質」の回のまとめとして言えることは、以下の3点になります。
筋肉量、除脂肪体重の多い、引き締まった体のアスリートになるかどうかは、脂質の摂取に対する意識が左右すると思います。
パワーがあり、かつキレ良く動けるアスリートになるために、脂質の面も意識してもらえるといいのではないかと感じます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?