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【栄養⑥】〜ミネラル(軽視しがちだが実は大事)〜

埼玉県では、夏の大会の抽選会まであと約1週間になりました。

高校球児にとっては、この時期はベンチ入りをかけた勝負の時期であり、またここから夏の大会までケガなどで今までの努力が水の泡にならないように、細心の注意を払わなければいけません。

トレーニング過多などによるケガや、コンディショング不良によるパフォーマンスの低下といったことが起きないよう、1人のアスリートとして栄養面にも気を配ってもらいたいものです。

これまでに「スポーツフードスペシャリスト」と「スポーツフードアドバイザー」の資格取得の中で得た知識や、その他各種セミナーや講演会、野球指導専門誌の特集や連載記事、書籍の中で学んだことを参考に、私自身の頭の中のアウトプット・整理整頓・アップデートも兼ねて簡単にまとめてみました。

少しでもご参考になれば幸いです。

これまでは「たんぱく質」「炭水化物(糖質)」「脂質」「ビタミン」について書いてきましたが、今回はたんぱく質・糖質・脂質・ビタミンとともに五大栄養素である、残りの1つ、「ミネラル」について取り扱おうと思います。

不足しがちなミネラル分

ミネラルとは、体の中に存在する元素の中でわずか4%ほどしか占めない、無機質の総称です。

ミネラルの代表例としては、カルシウム亜鉛などがあります。

ミネラルも、ビタミンと同様、たんぱく質や炭水化物に比べると軽視しがちな栄養素ですが、体が強くなるのを助ける“潤滑油”のような働きをするため、重要な栄養素です。

特に、好き嫌いの代表例として、野菜やレバーなどに含まれる栄養素が不足しがちです。

また、アスリートは貧血になりやすいため、鉄の不足に注意する必要があります。

鉄(鉄分)

それでは、代表的なミネラルを3つ紹介していきます。

まずは、鉄(鉄分)です。

鉄(鉄分)は、血液中のヘモグロビンの材料となって、血液中で酸素を運ぶ役割をしています。

鉄(鉄分)の多い食材として、豚レバーしじみあさり納豆小松菜などが挙げられます。

上記のように、アスリートは貧血になりやすいため、鉄の不足に注意が必要です。

しじみやあさりなどの貝類を具にした味噌汁、そして日頃から食べられる納豆などから摂取していくのがよいでしょう。

亜鉛

次に、亜鉛です。

亜鉛は、たんぱく質の合成や、細胞の増殖に必要なミネラル分です。

多くの酵素の補助因子にもなります。

亜鉛の多い食材として、豚レバーしじみ納豆牡蠣などが挙げられます。

豚レバーしじみ納豆は、鉄(鉄分)が多い食材でもあります。

これらを食べれば、鉄(鉄分)&亜鉛の両方の摂取ができ、効率的ですね。

カルシウム

最後の3つ目に、皆さんも良くご存知のカルシウムです。

カルシウムは、骨の主成分であり、歯の形成や、細胞間の情報伝達筋肉の収縮にも関与する、大切なミネラル分です。

カルシウムの多い食材としては、牛乳ヨーグルトわかさぎモロヘイヤなどが挙げられます。

アスリートがカルシウム不足となると、足攣りや疲労骨折が多くなります。

疲労骨折をしてしまうと、リハビリまで含めて長くて3か月ほど、思う存分力一杯のプレーができなくなってしまいます。

高校野球3年間は、実質“2年3か月”、月でいうと“27か月”です。

27か月”のうちの3か月は、あまりにも大きな代償です。

せっかくの体力向上・技術向上のチャンスも逃してしまいます。

カルシウム不足が要因のケガは、本人の心がけで十分防ぐことが可能だと思います。

カルシウムは、18歳未満に摂取の上限量はないといわれています。

とにかくたくさんカルシウムを摂取しましょう。

たくさん摂ることを考えると、やはり食べ物より飲み物の方がラクだと思います。

そうすると、オススメは牛乳ヨーグルト(食べ物ですが…)です。

プロテインを牛乳で割って飲んだり、バナナなどの果物と一緒にヨーグルトを食べたり、工夫してみるとよいと思います。

他にも

他にも、主要なミネラルとして、ナトリウムカリウムマグネシウムリンマンガンヨウ素などがあります。

それらの主な働きと、多く含む食材は以下の通りです。

ナトリウム
・主な働き … 血液や細胞内の水分量をコントロールして浸透圧を一定に保つ,神経細胞の興奮作用
・多く含む食材 … しらす干し,イワシ丸干し,赤味噌など

カリウム
・主な働き … 細胞内の水分量をコントロールして浸透圧を一定に保つ,神経細胞の興奮作用
・多く含む食材 … ほうれん草,サトイモ,アボカド,バナナなど

マグネシウム
・主な働き … 酵素の補助因子として代謝を円滑にする
・多く含む食材 … あさり,イワシ丸干し,牡蠣,ほうれん草,バナナなど

リン
・主な働き … 骨・歯の成分
・多く含む食材 … 豚レバー,イワシ丸干し,カツオ,納豆など


・主な働き … 赤血球のヘモグロビン合成を助けて鉄との結合を助ける
・多く含む食材 … 牛レバー,シャコ,牡蠣,納豆など

マンガン
・主な働き … 抗酸化作用のある酵素の補助因子となる
・多く含む食材 … モロヘイヤ,アシタバ,レンコン,煎茶など

ヨウ素
・主な働き … 甲状腺ホルモンの材料
・多く含む食材 … タラ,イワシ,牡蠣,アジ,カツオ,昆布など

さいごに

このように、さまざまなミネラルについてまとめてみると、ビタミンと同様、すべてのミネラルにそれぞれの役割があり、それぞれが大切な栄養素であることがわかります。

「体づくりのためにとにかくプロテイン!」だとか「エネルギー補給のためにとにかくタッパ飯!」というふうに、偏った食事(食トレ)をしてしまいがちですが、一番大切なのは、日頃の3食の食事の中で、さまざまな食材を食べて、たんぱく質・糖質・脂質だけでなく、多くのビタミンやミネラルもしっかりと摂取することです。

ビタミンだけでなくミネラルも、車で例えると“潤滑油(オイル)”にあたります。

車の“ボディー”や“エンジン”、“ハンドル”が錆びついて動かないといったことがおきないように、しっかりと意識して日頃から摂取していきましょう。

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