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都市部では5年前より、さらに家が狭くなっている(4)

前回は、都市部と地方の住宅面積の比較をしました。今回は、さらに都市部の住宅狭小化について、お話ししていきます。首都圏では、マンションの坪単価は年々上がり、平均面積は年々、狭くなっています。

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グラフは、首都圏マンションの平均坪単価と面積の推移を現したものです。ここから分かることとしては「首都圏では、部屋がどんどん狭くなり、家賃がどんどん高くなっている」ということです。オレンジ色で示しているのが坪単価で、2006年からじわじわと上昇していることがわかります。水色が専有面積で、坪単価上昇と呼応する形で、年々狭くなっています。地価は上がるものの、所得水準は横ばいなので、同価格を維持するため部屋を狭くせざるを得ない、という状況です。東京カンテイによると、住宅狭小化の傾向は首都圏だけでなく、中部・近畿圏でも共通しています。

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この背景として、共働き世帯の増加・職住近郊化により、超好立地のマンションに居住する人が30代中心に増加しています。例えば神田や人形町など、オフィスに徒歩や自転車で行けるようなエリアに住むDINKs世帯が増加しています。

皆さんも引越のときに感じたことがあるかもしれませんが、「立地」と「広さ」はトレードオフの関係です。同じ家賃で、立地を選べば部屋が狭くなり、広さを選べば立地を妥協せざるを得ない。その結果、入居後に「収納が足りない」と後悔する方が非常に多いのです。ヨシハラが2019年2月に実施した調査によると、子育て女性の8割以上が「収納に困っている」とのことです。

不動産会社側でも、少し前には「ウォークインクローゼット付き物件」が流行し、収納充実を謳ったマンションが多く販売されていましたが、近年は収納スペースを少なくし、少しでも居住スペースを広げるような間取りが人気になっているそうです。収納を全く備えない「デザイナーズマンション」も近年流行しています。首都圏の方は「普通に生活していたら、片付かなくて当然」の条件下に住んでいるのです。

「私って本当に片付けができないタイプだ…」「心の余裕がないから、部屋が片付かないのだ…」ため息をつく前に一度、部屋を見渡してみて下さい。

あなたが怠け者だからではありません。シンプルに、家が狭いのです。

ここまで見てきたように、住んでいる地域によって収納スペースに大きな差があるのですから、まずは自分の家の収納率を知る必要があります。
次回は、簡単に家の収納率を測る方法をお教えします。

#収納 #データ   #片付け #ブログ

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