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革靴が選べない人、まずはこれだけ読んで欲しい。

社内で靴磨きをするようになって、部署を超え、会社を超え、色々な人から革靴に関する相談をいただくようになりました。

特に多いのは「選び方」と「手入れ」についてです。

今回は社会人なり立ての人や新しい靴が必要になった人に、革靴に関する基本の「き」をお伝えできればと思います。

■■まず初めに

元靴屋の販売員でもある私。本当は深いところまで語りたいですが、今回はベーシックな部分にしぼって紹介します。

私は社外で靴磨きをする際、事前にPDF資料を先方の会社さんに渡しています。初歩の質問は解決できるようにするためですね。

今回はその資料を少しご紹介します。

■■どのメーカー、どんな種類を?

■まずは定番3メーカーを試してみる

こちら、「革靴にあまり関心の無かった人が、まず本格的なものに挑戦する」という前提でピックアップしてみました。

リーガル、スコッチグレイン、ジャランスリワヤ

どれも大型百貨店、スーパー、セレクトショップにいけば手に入るし、最初の選択としては悪くないと思います。

ただひとつ言いたいのは、いずれのメーカーの靴も「ちゃんと足を通して判断して!」ということです。

細かいサイズ感も、木型(要するに靴のかたち)も違うため、フィット感のチェックは怠らないでくださいね。

ちなみに、下手に1万やそれ以下のものを買うと、すぐ壊れちゃったり修理がきかない製法だったりするので、必要な投資だと思ってぜひ奮発して欲しいです!

■基本の3タイプはこんな感じ

これは元バイト先の受け売りでもあるのですが、「冠婚葬祭にも使えるやつ1つか2つ、後は明るめ」といったチョイス。

黒の外羽根プレーントゥ、黒か茶のストレートチップ、模様付きドレスシューズ

私は普段IT企業に勤めており、それも内勤なので基本必要ないのですが、このルール通りチョイスしています。

どれも、ジーパンや白チノパンに合わせやすくとても重宝しますよ。もちろん冠婚葬祭もばっちりです。

ただ、1個が2万~3万するとしたら決して安い買い物ではないですよね。なので、少しずつでも良いので揃えられるようにしましょう。

■■試し履きでは、どこを見る?

これも語り出したら止まらないのですが、まずはこの4か条を守ってください。店員さん時代のポイント込みでまとめました。

①普段使う靴下で試し、かかとが遊ばないか②つま先に爪一つ分くらいの余裕があるか③足の指の付け根を結んだ線(ボールジョイントという)が痛くないか④困ったら店員さんに聞く。慣れるまでネットで買わない

①はお家を出た時点で忘れないようにしましょう。そのままいつもの靴下を履いて行ってもいいですね。

②−③は店舗で確認できますので、意識していればOKです。少し歩いて試しましょう。

問題は④、スタンスが重要になります。ぜひ店員さんを頼ってあげてください。「餅は餅屋」です。

ちなみに、私は新しい発見が無いかという期待も込みで、積極的に見てもらうようにしています。

■■普段の手入れはどうするのか

■お家でのケア

普段手入れが慣れてない人が、最初から難しいことをする必要はありません。

まずは下記を買ってみて、少しずつ慣らして、愛着を持つことが何より重要だと思います。全部東急ハンズで買えますよ。

靴べら、防水スプレー、シューキーパー、ハンズのブラシセット

ぶっちゃけ、資料の「帰宅後のブラシ10秒」は少し盛りましたが(笑)、私も家について靴を拭く時はそこまで時間は掛けません。

■履く頻度や順番

これは買いそろえた時に覚えていて欲しいことであり、3足持つべき理由でもあります。

同じ靴を連投しない。乾燥させなきゃ中からダメになる

私の場合、雨の日にはスニーカーを履いたり、その時の気分でぐるぐる回していますが、同じ靴を連投したことは社会人になって一切ありません。

人の足は、歩行するだけで1日コップ1−2杯分の汗をかくとも言われるので、連投することは不衛生です。

また、内外の革に負担もかかるため、寿命を縮める原因になるともいわれています。

お気に入りの靴でも、ぜひ間をあけて乾燥させてあげてください。そのために、まずは2−3足揃えることを目指しましょう。

■■さいごに

実はこの資料を作るにあたって、Twitterのフォロワーの皆様には大変お世話になりました。

リプライだけでなくメッセージをくださる方もいて、とても参考になりました。自分ひとりで作る以上に、良いものができたと確信しています。

とはいえ、私の知識もまだまだ不足しています。これからレザーソムリエの資格の取得を目指し勉強も少しずつ頑張ります。

■参考文献鈴木章史(2017)『靴ブラシで歩き方が変わる。』Amazon Services International, Inc.長谷川裕也(2016)『靴磨きの本』亜紀書房.渡辺鮮彦(2017)『一流の人はなぜそこまで、靴にこだわるのか?』クロスメディアパブリッシング.

■画像引用
リーガル、スコッチグレイン、ジャランスリワヤ各社公式ホームページより

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