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明月院ブルース

今回のモチーフは、北鎌倉にある明月院。青い紫陽花で埋めつくされることから「明月院ブルー」と呼ばれています。梅雨の時期の人気スポットですね。

モチーフは観光客で賑わっている明月院


完成版がこちら。

作品名は「明月院ブルーに包まれて」

着物の女性が、大切なひとに逢いにいくワンシーンにしてみました。

何を間違えたのか、完成した絵を「逢引きのシーンです」とレッスン仲間に紹介したところ、「確かに、奥に”男性”がいますね」というコメントが返ってきました。

あー、そうか。そうなるのか。あらぬ方向へと鑑賞者の想像を導いてしまいました。

ちょっとしたモヤモヤを抱きながら帰っていると、ふと『いちばんすきな花』というドラマのセリフを思い出しました。

『男女が一緒にいるだけで、恋人同士ということにしないでください』

確か、そんなセリフだったような気がします。そう!これこれ!周囲に、自動的に枠に当てはめられてしまった時のモヤモヤと同じ感覚だったんです。

大切なひとって、例えば恩師とか、親友とか、おばあちゃんとか、色んな可能性があるのに、一足飛びに「男性」になったのが、ちょっぴり複雑だったんだと思います。

まぁ、すべては「逢引き」という言葉をチョイスしてしまった自分のせいです(笑)それに、アートをどう受け止めるかは鑑賞者の自由ですよね。

色んな感情が渦巻いたので、今日の記事は「明月院ブルー」ならぬ「明月院ブルース」です。

さて、気を取りなおして制作過程です。

スケッチ

スケッチ段階では、山門には人物が2人。途中で気が変わって1人消しました。

First Wash(ファースト・ウォッシュ)

空はCompose Blueを塗り、そこにUltra Marine Blueを加えて紫陽花を描きました。

Second Wash(セカンド・ウォッシュ)

続いて、紫陽花の葉や木々を描きます。まずは明るいグリーンから。紫陽花を塗り残すことで、輪郭が浮き上がってきます。

Third Wash(←こんな言葉、ない気がしますが・・)

続いて、植物の暗い葉や影。手前は暗くハッキリと、奥はボカすことで奥行きやムードが生まれていきます。

描き込み①

紫陽花を水で濡らして、濃いブルーを描き込んでいきます。平面的だった青が少しずつ立体的になってきました!(あと、山門も描いています)

描き込み②

今度は木陰を大胆に。さきに木陰部分に水を張っておくことで、柔らかい雰囲気を出します。

完成版

最後に赤い傘の女性、階段、木の枝や紫陽花の茎・・・細部を描き込む。そして青と白のスパッタリングをして、完成!

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