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1回だけの健康レッスンは逆効果かも⁉

初めましての方、そうでない方、こんにちは。
ウェルネスドア合同会社の狩野です。

今回は健康指導(食事栄養・運動・健康全般)を「1回だけ」受講すると、受けないよりも心身の健康状態を悪くさせるかも?というお話です。

スウェーデン・イェーテボリ大学の研究

約100名の50歳以上の成人を対象に、半数にはに健康の専門家のセッション(面談)を「1回」受講、もう半数は何の介入も行わず

12か月後、全体的な健康、心身の健康、社会的機能、トレーニング行動などをカバーする標準化された包括的なアンケートを使用して、すべての参加者の健康に関連する生活の質の変化を調査しました。

結果:専門家とのセッションを「受講しなかった」グループの方が健康状態が好ましかった

調査の結果、何の介入も行わなかったグループの方が、専門家とのセッションを1回受講したグループと比較して、一般的な健康、さらには感情的および精神的健康の点でより好ましいものでした。

研究チームは、50歳のスウェーデン人は、健康コーチを1回訪問しても、健康に関連する生活の質や運動レベルは改善されない、それどころか、それは彼らの知覚される健康関連の生活の質を悪化させる可能性がある、と結論付けてました。

WHY?

研究チームの見解としては、1回の専門家との面談では、対象者の健康課題やリスクなどの問題点を明らかにし通知する事には十分でも、ではどうすればよいのか?という具体的な行動や必要なツールや仕組みなどを明らかにし、行動を変えるだけの指導を行う事には不十分である。

面談を受けたことによって、自身の問題点に関して理解できても、改善の為の行動や方法については理解できない、はっきりしないまま放置される状況が、逆に、対象者の不安や不満を増幅させる結果となったと考察されます。

研究チーム教授のコメント

「あなたの欠点を理解するには1回の訪問で十分ですが、ライフスタイルを変えるにはさらに多くのことが必要です。健康コーチに会う場合は、一連のセッションが必要です。それが私たちの結果の意味するところです」

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ほとんどの健康に関しての指導プロセスには、まず初めに対象者の健康状態の把握と、健康課題、現在の健康状態や生活習慣を継続した場合の将来のリスクについて明らかにする事から始まります。

これは、指導者と対象者との間で認識の共通事項を明らかにし、対処法に対しての論理的な必要性を理解して、健康行動への着手してもらうために必要なプロセスです。

しかし、健康へのフィードバックというのは、対象者の不安や恐怖、不快感を増幅させるものである為、その課題の解決方法としての具体的な行動とセットに指導されなければ、逆に心身の健康状態を悪化させ萎縮させる結果となる場合があります。

この様な現象を、指導者も、指導対象者も理解し

例えばこれから健康指導を受ける可能性や、その意思のある人には、継続的なセッション(複数回)の指導・支援を前提としたカリキュラムの提案と、1回、または途中でのセッションの中断は、逆に健康不安を増幅させる可能性があることを伝えておくなどの、事前の説明(インフォームドコンセント)が必要であると考えられます。

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