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#偏愛編集 No.4 - エトガル・ケレット

話し始めるまえに、彼の簡単なプロフィールをWikipediaより。

エトガル・ケレット(Etgar Keret, ヘブライ語: אתגר קרת‎, 1967年8月20日 - )は、イスラエルの作家。小説以外にも、絵本やグラフィックノベルの原作のほか、映画やテレビの脚本を執筆し、また映像作家としても知られる。

ケレット作品との出会いは『突然ノックの音が』で、カバーのイラストに惹かれたのと、そういえば星新一にも似たタイトルの作品があったっけ、なんて思いながら手に取った。
(余談ですが星新一の作品は『ノックの音が』。こちらもとてもおもしろくて好きな1冊です。)

38の作品が収録された掌編集、あ、そうだ、「掌編」という言葉もケレットがきっかけで初めて知りました。短編よりもさらに短い作品を指すんだそう。

掌編小説(しょうへんしょうせつ、掌篇小説)は、短編小説よりもさらに短い作品を指す。「短い短編小説」であるショートショートよりも短い小説(story)とされるが、散文詩的なものもあり明確な基準はない。

話を戻して。38の作品が収録された掌編集『突然ノックの音が』は、1つ1つがあっというまに始まってあっというまに終わるのに、どれも余韻はじんわりと残り続ける。
短さゆえにどんどん読み進められるけれど、この一瞬で旅に出られるような感覚を失うのがもったいなくて、少しずつ読んでいった。
読み終わるのが惜しいなんて思ったのは、ケレットが初めてだった。

『銀河の果ての落とし穴』刊行記念の来日トークイベントで、ユーモアについての話が心に残っている。
「ユーモアはなんでもないときには出てこなくて、それが必要になったときに出てくる。エアバッグみたいなものなんです。」

そうしてできあがったお話のおかげで、わたしは何度でも救われたり旅に出たりできている。

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