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資金繰りが窮した時に絶対に陥ってはいけない思考とは
新規事業コーチ&起業家メンタルヘルス研究家の神永です。
先日、資金繰りが厳しくなってきてしまった会社の社長とお話をしました。その時に「あ、この考え方をしちゃうとまずいかも!」というのがあったので、こちらで書き留めておこうとおもいました。
にっちもさっちも行かない状態だとこんな思考に
資金繰りが厳しくなった状態って、どんな状態かというと、「入ってくるキャッシュ(現金)よりも、出ていくキャッシュの方が多い状態」です。放っておけば、預貯金は底をついてしまいます。
すごく簡単な例でお話しますね。
月100万円の出費(これをバーンレートと言います。)が確定している会社が、今までは150万円の収入が毎月あったので月50万円ずつ余っていく状態であれば問題ないですよね。
ところがクライアントとの関係が切れて、月80万円しか入ってこなくなったとすると、毎月20万円がマイナスの状態になります。こうなると経営者の頭はパニックになります。
今までの既存クライアントとの関係が切れてしまったために、自信も喪失している状態。なんとか新しい受注をとろうともがいても、すぐさま案件化し、キャッシュが入るような新規クライアントはなかなかない。
銀行借入の与信枠もいっぱいになってしまって、これ以上の借入余力はない。
こういう状況になると、経営者はどういう思考になるかというと、、、
「やばい!なにがなんでもあと20万円売上をつくらなきゃ!それをしなければ会社を維持できない!」
という思考になります。
ぱっと見普通の思考ですよね。
でも、ここで大きな間違いがあります。
それは、「見ている目線」です。
人はフォーカスした目標を越えることはなく、やや下回ることが多い
この経営者は、「あと20万円を稼ぎ出し、なんとか必要”最低限”である100万円の収入を作り出さなければならない」という思考になっています。
目線は「なんとか必要”最低限”」。
とにかく100万円の収入を確保しようと躍起になるのですが、問題は人間が目標設定をする場合には、だいたい目標値を下回ってしまうことが多いこと。
つまり、100万円の目標を作ってしまうと、99万円とか98万円とかで着地してしまうことが多いんです。
なんとか目標に近づくことはできるのですが、結果到達できていない。ところが、マイナス20万円だったものが、マイナス1万円とかマイナス2万円の状態になるので、「ほっ」としてしまうんです。「なんとかなった〜」という感じですね。そうすると、脳はこの状態を維持しようとしてしまいます。翌月もその翌月も、同じことを繰り返してしまいます。つまり、「ずっと貧しい会社」を作り出してしまうんです。
厳しい時にこそ、目標設定は、「少しだけストレッチした目標」をつくらなければいけません。上記の例でいえば、100万円ではなく、110万円や120万円といった目標を設定しないと、負のスパイラルに入ります。
もちろん、極限の状況の時に、ぎりぎりである100万円を超える目標を設定するのは心理的にかなり難しいのは理解できます。しかし、それでも、目標自体はすこしストレッチした目標にしないといけません。
人は、フォーカスしたところに無意識に向かいます。
子供が自転車を練習し始めた時、よろよろしながら運転している時に「左に電柱があるからあぶないよ!」と声をかけたりすると、子供はその電柱にフォーカスし、無意識にその電柱に向かっていってしまったりします。これもフォーカスしてしまい無意識に動いてしまった結果です。
ストレッチした目標設定がアイディアを生み出す
ストレッチした目標設定は、今までの動きのままでは達成できないことが多く、そのため、全く新しいアイディアが生まれてくることも数多くあります。その時に生まれたアイディアが、のちのちのその会社の基盤収益を生み出したりすることもあります。
だから、極限状態のときこそ、今の自分では無理かもと思える目標設定をしてみてください!
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神永将行(Masayuki Kaminaga)
iU情報経営イノベーション専門職大学客員教授
iU Z investment パートナー
起業家メンタルヘルス研究所所長
他 複数社の役員を兼任
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