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ビジネスセオリーの"基本のキ"を学ぼう!

皆さん、こんにちは。神村です。

前回、神田さんと久々にビジネスに焦点を当てて、9月頃から次年度を見越した準備が大切だという話をしました。

今回は、小出さんと一緒に事業計画・作成にあたっての重要なビジネスのセオリーを学びます。よく本やネットでも目にする概念・理論が多いのですが、改めて基礎を学び直す意味でも、読んでもらえると良いかと思います。
(本稿は「Off the pitch talk 」第137~139回の放送内容のまとめです。今回はインタビュー:小出さん、文責:神田さんでお届けします)

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#137 : https://stand.fm/episodes/612caa0d384e7200069f0722
#138 : https://stand.fm/episodes/612f489c384e7200069f35cb
#139 : https://stand.fm/episodes/6131e9fc4a8aba00068f2f34

3C分析

(神村):先週は、いわゆる事業計画を立てる上でどういう順序で考えていくかの具体的なスプについて話しましたが、今週はビジネスで用いるフレームワークの話をしたいと思います。今回取り上げる理論は小出君も聞いたことあると思うんだけど、どちらかと言うとコンサルティング会社や大会社の経営企画部がやると思われがちなんだよね。でも実は、中小企業にとっても頭の中を整理するために非常に有意義なものです。まずは細かい理屈を理解するというよりも、何のために使うかを知っていただきたいと思います。
(小出):僕もビジネス理論はいくつか聞いたことがありますし、使ってみたいと思うのですが、日々の生活では中々使いきれてないので、是非とも学びたいと思います。
(神村):まずは3C分析について解説しようと思う。突然だけど、この3つの”C”って何を指すか分かる?
(小出):はい、知っています。Company(自社)、Competitor(競合)、Customer(顧客)ですよね?
(神村):正解!この3つの軸を使って、まずは事実の整理をする。事業計画を作る時って、ついつい主観的な思いが入りがちなので、客観的な事実に基づいて自社・競合・顧客の関係を明示するためにあるんだ。例えば競合はどういう会社があってとか、顧客あるいは市場規模が成長しているのか衰退しているのか等が挙げられるね。
(小出):自分の思いや情熱は一旦脇に置いといて、単純に事実としてデータを集めてくるということが大事なんですね。
(神村):3C分析で一番重要なのは客観性です。 意外とこれが抜けちゃうんだよね。営業でも、つい「売上〇%あげよう」といった気合論に走ってしまう。でも本来そうじゃなくて、そもそも市場があるのか、お客さんがいるのか、彼らに対してきちんと商品を提供できているのかを見ていくべきなんです。
(小出):なるほど。僕も仕事柄、あちこちのジムを調べたりするんですけど、地域によって平均価格が違うので、事実を集めてくることで比較検討できます。
(神村):データを集める癖を常日頃から意識できていれば、自社の立ち位置が他社と比較してどうなのかも把握できるし、沢山のメリットがあるよ。日々の営業活動の中で蓄積していくデータを使いながら、3C分析を集大成としてレビューしてみる。こういうことが自然にできるようになると強いですね。俗人的ではなく、営業組織全体の知恵として、メンバーの共通言語になるようなイメージかな。
(小出):もし組織全体で共有することができていれば、段々と時系列でデータが蓄積されていくということですね。
(神村):そうだね。理想的には、3C分析をわざわざ腰を据えてやるのではなく、個々のメンバーが頭の中に3Cの意識を常に入れておいて、四半期1回位を目途に定期的に擦り合わせするのと良いと思うよ。
(小出):なるほど!初回から結構、僕の中でフレームワークのイメージが変わりました!ありがとうございます。

SWOT分析

(神村): 今度は SWOT 分析について聞きたいんだけれども、それぞれの意味を知っているかな?
(小出):SはStrength(強み)、WはWeakness(弱み)、OはOpportunity(機会)、WはThreat(脅威)ですね。
(神村):その通り。実は僕自身、この分析はあまり得意じゃなくて、3Cで基本的な事実を集められるんだけど、OpportuniyやTheratのような外部要因を捉えるためには、外に目を広げていかないといけないので、集めたデータを多角的に見る必要があるんだよね。
(小出):ある人にとっては強みに見えても、別の人が見たら弱みに見えたりすることもある。つまり、人によって正解が違うところが難しいのかなと思います。
(神村):正にそれが議論の醍醐味なんだよね。営業チームの中で意見が分かれたりすることも多々あります。そうなると、個々人でバラバラの戦略をとってしまうから、それを防ぐことが如何に重要かが分かると思います。3C分析で得られた事実を元に議論するということかな。SWOTが抜けちゃうと、正しい戦略が作れないからね。
(小出):3Cは個々の頭の中で常日頃から整理するもので、逆にSWOTに関しては皆で一緒に擦り合わせるイメージですか?
(神村):そういう風に使いこなせたら素晴らしいね。完璧さを求めるのではなく、皆の頭の中を共通言語・認識として持っておく重要性を知ってほしいな。コンサルタントみたいな職種って、かなり緻密な分析能力に長けているけど、ともすれば数値が独り歩きしちゃうことだってあります。チームとして、「市場におけるSWOTをこう理解しているから、こういう戦略にしよう」と固まることができれば組織が機能する筈です。
(小出):逆にSWOTが不明瞭なままだと、腑に落ちないまま仕事することになりそうです。
(神村):そうなると、偶然パフォーマンスが良かった人が褒められる文化になるよね。組織、とりわけ営業にとって大切なのは、個性やキャラクターに依存するのではなく、誰がやっても一定のパフォーマンスが出るように、全体的な平均値を上げることなんです。出来るやつだけに「売ってこい」できないやつに「何やってんだ」と言うのは一昔前の営業スタイルだし、これからの時代にはより組織全体の底上げが、営業責任者には求められてくるんじゃないかな。

ランチェスター戦略

(神村):3つ目はランチェスター戦略について話をしたいと思います。小出君は前に聞いたことありますか?
(小出): 名前だけは聞いたことありますが、実際に説明できるかと言われるとちょっと難しいんです…(苦笑)
(神村):元々は兵法からきているんだよ。兵隊の数と武器の能力の掛け算で、小さい部隊が大きい部隊を倒すために、どう戦うべきかが説かれている。それをビジネスに応用しているって訳なんです。僕がこの理論を大事にしている理由は、これまでのキャリアで小規模な会社を経営することが多かったからなんだよね。それこそ10人規模の会社を大きくしていった経験から、どれだけ計画が正しくても戦い方を間違えるとビジネスでは勝てないってことを学べたんだ。その意味で、このランチェスター戦略の概念が、経験と照らし合わせても重要だと言えます。
(小出):なるほど、大企業相手だと、あらゆる面で劣ってきますよね。
(神村):当然ながら、小さい企業は資金面でも大きく劣るし、人的リソース面やそもそもの知名度でも歯が立ちません。そういうことをしっかりと認識したうえで、戦略立てて戦うことが大切なんです。
(小出):ズバリ、ランチェスター戦略におけるポイントは何ですか?
(神村):色々あるんだけど、僕はシンプルに2点に絞っています。まずは、市場を絞ること。戦う場所をはっきりさせて、そこに何を投入するかです。もちろん、市場を絞るからには勝てる市場を選ばねばなりません。どこの市場なら勝てるかを慎重に見定める。ビジネスは負けるかもしれないことをやってはいけませんから。人材会社なら、マーケットが大きいのは東京や大阪だけど、果たしてそこで勝てるのかを吟味するといった具合です。SWOT分析と組み合わせて、相手の弱点を見抜いて、自分たちが勝てそうな場所に戦力を投下するのも有効です。
(小出):それって、サッカーの戦術と似ていますね。守備の苦手なディフェンダーが右サイドに居たら、右サイドを中心に攻撃を組み立てるみたいなことですよね?
(神村):まさにそうだね。2点目は商品を絞るです。何でも売った方がいいという状態だと、営業マンがどれを売ったらよいのか分からなくなるんだよね。
(小出):そうなんですか!?数字という観点では、どんな商品でも売上が増えれば良いというイメージでした。社内的に良くないんですね。
(神村):特徴ある商品を作って、そこに戦力を充てるんだよね。例えば10人のセールスマンが居て、30種類ある商品を売る方法と、10種類ずつ分けて、それぞれに割り振る方を比べたら、後者の方が絶対に結果が出ます。この商品の方が売れる、ニーズがある、他社よりも優位性があるといった根拠を生み出すことが肝なんです
(小出):なるほど。”選択と集中”という言葉通りですね。
(神村):例えば、スーパーの棚にたくさん並ぶ商品を見たら、客はどれを買うべきか悩むよね?その中で、”カテゴリーNo.1”だったり、ある特定の部分でも1位と言える商品を作れれば、その商品は買ってもらえる確率が一気に上がります。よく、会社名はあまり知られてないのに、超有名商品があるようにね。
(小出):強みを際立たせて、勝てる所に絞るということですね。ここまでの話を伺う中で、ランチェスター戦略と3C / SWOT の関係性がイマイチ腑に落ちないのですが…?
(神村):ランチェスター戦略は、その名の通り”やると決めたビジネス/事業で、どうやって勝つか戦略を練る"こと。一方で、3CやSWOT分析は、その前段として、"そもそもどの事業をやるべきなのかを分析して、最終判断を下す"ということです。
(小出):今やっと全体が一貫して繋がっていることが理解できました。ありがとうございます。

ビジネスセオリーは目的ではなく手段

(小出):今回はビジネスの基本セオリーを3つご紹介いただきました。僕自身、最後ようやく腑に落ちたというか、非常に納得できた部分がありました
(神村):今回の3つの理論はどれも基本ではあるけれど、どれか1つの観点が抜け落ちたら十分な分析ができません。分析をやって満足するのではなく、あくまでビジネスを成功させるための手段でしかないから、そこは履き違えないように注意して欲しいかな。分析のための分析じゃないからね。
(小出):そうですね。肝に銘じておきます。それでは今回も貴重なお話ありがとうございました。

(文責:神田)

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