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かえるくんの話

私の翻訳へのあこがれは、村上春樹から始まっている。夫が村上春樹のファン、かつ英語を勉強していたので、村上春樹作品の英訳版が複数冊、家にあった。最初に読んだものは何だったか覚えてないけれど、「神の子どもたちはみな踊る」の英訳版「after the quake」も読んだ。(短編はありがたい)


それが先だったか、こちらが先だったか。NHKで「英語で読む村上春樹」という番組が始まって(今調べたら、2013年4月7日から2017年4月2日の4年間続いたという)、とても楽しませてもらった。画像は名作「かえるくん、東京を救う」をまとめた完全英訳読解なるもの。


翻訳小説ではカート・ヴォネガットに夢中になっていた頃があった。とはいえ、もともと読書量が多いわけでもなく、村上さんのファンとして、村上さんの好きな翻訳小説、原書を読んでいくことから少しずつ世界が広がっていったという。(こう思い出してみると、こんなんでよく翻訳を勉強しようと思えたものだと恥ずかしくなってきた。結局、まだあこがれているだけなのかもしれない……)


さて、文芸翻訳のゼミに一年参加した後、切れ目なく受講してしまうとそのまま受けているだけで満足してしまいそうになると感じ、半年休むことにした。


そして基本に戻ろう(?)と思い、柴田元幸さんと村上さんの「翻訳夜話」、柴田さんの「翻訳教室」を読み直していた。村上さんはそもそも、素晴らしい英文に出会ったところから翻訳を始めているということに、あらためて感動してしまう。


この作品をぜひ訳したい、この作家を紹介したい、この英文を訳したい、そんな衝動に駆られる作品に出会えることを願って、とにかく読まねば始まらない。


この翻訳の勉強は、趣味なのか?


柴田さん責任編集の雑誌「MONKEY」の「翻訳教室」なんて特集もあるのね、村上さんとの対談が載ってるのもあるのね、なんて見ていたら、研究社から柴田さんの「英文精読教室」というシリーズが出ていることも初めて知って、この半年にやりたいことリストが変動しつつある。


いっそ、翻訳の勉強は趣味です!って言い切れてしまったほうがいいのかな。

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