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この曲ってパクり?と思ったことある人は【Riddim】を知ろう

レゲエに馴染みがない友人にレゲエサウンド(ヒップホップでいうDJのこと)が作ったMIXを聞かせると『あれ?いつ歌が変わったの??』と言われる。

レゲエサウンド達は、まずRiddim(リディム)に重点を置き、BPM(伯数)や歌詞の意味・年代順などを考えて曲を流している。
なぜRiddimが重要かというと、特にダンスホール・レゲエでは同じRiddimで様々なアーティストが全く別の曲を歌っているから。
曲をパクって歌っている訳ではなく、これがレゲエ独自の文化なのだ。

百聞は一見にしかず、まずは馴染みやすいようレゲエではなくNe-Yo『Miss Independent』 のRiddimを様々なレゲエアーティストが歌っているところから聞いてみてほしい▼
Riddimタイトルは、何の捻りもなく
【Miss Independent Riddim】


Riddimとは

Rhythm(リズム)が変化したパトワ語(ジャマイカ英語)で、他ジャンルではグルーブやビート、トラックなどと呼ばれている。
Riddimはレゲエ独自の言い回しだが、1990年代以降はR&Bやレゲトンでも用いられることがある。
Riddimのほとんどにはタイトルが付けられてあり、タイトル名の決定方法は下記のようにいくつかあるが①になるとこがほとんどだ。
① トラックメイカーやプロデューサーがRiddimを作った段階で決める
②最初にRiddimに乗せて歌った曲のタイトル
③最も売れた曲のタイトル


Riddimの歴史は、ジャマイカの歴史

▫️1950年代

ジャマイカは観光業しかない貧困国だったが、1960年代にイギリスの若者にスカ(レゲエの音楽ジャンル)がウケて、ジャマイカに歌手・ミュージシャン・プロデューサーが続々と登場して音楽業が盛んとなり、現在も重要な財源の一つとなっている。


▫️1960年代後半〜

音楽格差が激しく、スタジオを所有していたのは大手レーベルや限られたプロデューサーのみだった。
それ以外のプロデューサーは、なるべくコストをかからないよう一度録った音源を再加工して別曲にするDubを作ったり、Deejey(ヒップホップで言うラッパー)が曲の中でしゃべるという技法ができたりとジャマイカ独自の音楽が誕生した。


▫️1980年代

ダンスホール・レゲエの幕開けとも言える【Sleng Teng Riddim(スレンテンリディム)】が誕生した。
非常に有名なRiddimのため聞いた事のある音楽ファンは多いと思う。
ぜひ覚えておいて欲しい。

ちなみに、Joe Gibbsというプロデューサーが、J.C. Lodgeの「Someone Loves You Honey」をイギリスでヒットさせたが、作曲者のカントリー歌手Charley Prideに著作権料未払いで訴えられ、多額の賠償金を支払えずに倒産する事例が起き、ジャマイカでも著作権について考えられるようになった時代でもある。


▫️1990年代

ダンスホール・レゲエ最盛期。
Shabba RanksやSuper Cat、Buju BantonなどのレジェンドDeeJey(ヒップホップで言うラッパー)が登場し世界に活躍の場を広げていく。
また沢山の有名なRiddimが誕生。
ここではオススメをピックアップ。
① Filthy Riddim
Nicki MinajのMEGATRONで使用している。
04:21〜Mr.vegasのHeads Highはレゲエダンスホールの一つ、バタフライを踊りたくなる。


② Pepper Seed Riddm
十数人のアーティストがこのRiddimで歌ってる。
個人的にBeeniemanのMiss Angelaが爽やかで好き。


▫️2000年代

世界中でレゲエが流行しSean Paul、Sean Kingstonなどがビルボードにランクイン。
また山本KID徳郁さんがT.O.KのI Believeを入場曲にしたことで日本でヒットし、今まで馴染みが無かった人の耳にもレゲエが届くようになる。
ここでもオススメをピックアップ。
① Diwali Riddim
非常に有名なRiddimの一つ。
Sean PaulのGet Busyが有名だが、個人的にWayne WonderのNo Letting Goはリリックが甘く、R&Bらしさを感じるRiddimに仕上げているためスピーカー前でワイ二ーしたくなる。


② High Altitude Riddim
RihannaのサードアルバムにSean PaulをフューチャリングしたBreak It Offが有名。
VoicemailのLet's Danceは有名ダンスがこれでもかと詰め込んでいるため踊ると楽しい。



▫️2010年代

流行がEDMへ移り変わっていくと、レゲエにも電子音を取り入れたRiddimが増えていく。
レゲエっぽくないと言われることが多くなり世間からさらに遠ざかっていくことになるが、その中でもアーティスト達は日々リリースを続け頑張っている。
ここでもオススメをピックアップ。
① Major Riddim
落ち着いたレゲエらしいRiddim。
みんなで肩を組みながら、歌いたくなる曲が多く、締めに持ってこい。


② Overproof Riddm
爽やかなRiddim。
色んなアーティストが歌っていて、それに合わせたステップがあるのでクラブで踊ると非常に楽しい。


まとめ

ダンスホール・レゲエではRiddimの回転率がとても早く、日々新しい曲が生まれている。
毎日新譜を追っかけることもできるし、歴史を遡ると、あのRiddimはこれに対抗してるんだ!とか、このRiddimにはこんな意味があるんだ!など知れば知るほど新たな発見がある。

これを機会に
あなたの音楽の幅を増やしてみませんか。

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