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哲学対話のワークショップ化をさぐる企み#2レポ

 はじめに

今回は2回目の開催となります。前回の反省を活かして臨みました!
前回の記事はこちら↓



 この、「はじめに」の部分は、前回と同じなので、省略して書かせていただきますが、、、私が今まで参加、または主催したことのある哲学対話は、ワークショップデザイン的には、とってもざっくりしたプログラムです。ほとんどの哲学対話では、対話するテーマを決めて話し始めますが、たいがいは「では、〇〇とは何だろうか、についてご意見ある方いらっしゃいますか」という大きな問いかけではじまります。この問いかけは、なんだか不親切で、足場かけがないな、と思うのです。普段から哲学対話に親しんでいる方は、大きな問いかけでも違和感なく楽しめるかもしれませんが、初めて参加する方や、多くの人(5人くらいだとしても)の前で自分の考えを言うことに抵抗のある方には、急に問いかけられて戸惑う、ということがあるのではないか、と思っています。また、主催者の立場からは、テーマが決まっている場合に事前に自分の考えを整理して参加している方と、そうでない方とでは、テーマに対する深度が異なるので、そのギャップを埋めたいという気持ちもあります。

 そこで、今回は2回目となりますので、前回と比べてどんなところを改善したのかを取り混ぜながら、レポートしたいと思います。

今回(#2)で考えた仮説検証プログラム

【テーマ「あきらめるとは?」 参加者10名 所要時間3時間】
(1)導入・自己紹介・あきらめる場面での判断を〇✕で答える
(2)個人ワーク 自分のあきらめた経験をワークシートに書く
(3)2グループに分かれ、あきらめた経験をシェア【改善1 5人ずつに分かれて、話す時間を多く取った。前回は10人でシェアしていた。】
(4)各人の経験談を聞いた後に、問いを各自付箋に書く【改善2 前回は付箋を使わず、口頭で行った。】
(5)問いを決める
(6)対話の説明
(7)対話(グループごと)【改善3 対話の時間を前回より長くした。】
(8)個人ワーク 振り返りシート・持ち帰り用カードの記入【改善4 振り返りシートを書くグループと、持ち帰り用カードを書くグループに分けた。前回は全員が両方書いていた。】
休憩
(9)対話の感想をグループでシェア
(10)対話の感想を各グループ代表が全体にシェア
(11)個人ワーク プログラムについて、良かった点・イマイチだった点を色分けしてふせんに記入し、ホワイトボードに貼る
(12)ホワイトボードに貼ったふせんを場面ごとに全員で振り返る【改善5 ホワイトボードの前に全員がイスだけ持って半円状に座って、振り返り】
(12)全体の感想を一言ずつ言う、アンケート記入し終了


検証の結果、明らかになったこと

(1)ファシリテーターを二人体制にしたことで、私に余裕ができたことが大きかったです。前回は10人全員で問い出しや、対話を行いました。その結果、対話の時間が短くなってしまったので、今回は私の他にもう一人、ファシリテーターに参加していただきました。そして、メインファシリテートもしていただいたので、私自身、場を少し俯瞰できる余裕が生まれました。
(2)付箋を使って問い出しを行いました。参加者の感想として、付箋を使った方が、自由に発想できて良かった。というご意見が上がりました。
(3)実施後のアンケート結果では、今回の細分化された方法で、対話が深まったかどうかについては、10人中7人の方が深まったと回答されているので、前回よりは改善できたと思っています。
(4)振り返りシート(A3用紙で、書く項目が多い)と持ち帰り用カード(はがき大よりやや小さい厚紙に、今日の発見を一行で書く)については、人によって好みがあるので、次回は、「どちらかお好きな方法を選択して振り返ってください」という方式にしようと思います。
(5)最後の、全体のプログラムの振り返りでは、半円状に座って、忌憚ないご意見が聞けて、とてもよかったと思いました。前回はロの字型の机の配置のまま振り返りをしていたので、今回の配置の方が、全員の距離が近く、意見が言いやすい雰囲気を感じました。

検証結果を踏まえて、次回は?

今回、だいぶ改善されたと思っています。次回は、今回の流れをベースに再度改良を加えていきたいと思っています。

今回ご参加いただいた皆様、また、メインファシリをこなしてくださった、まゆち!どうもありがとうございました!

今回は、参加者の方の感想として、哲学対話の目的によってはワークショップ化しない方がいいのではないか、というご意見もいただきました。確かに。。一つのテーマについて深めていきたい場合は有効だと感じていますが、もう少し発想を広げたい対話では、プログラムが窮屈に感じるかもしれません。まだまだ試行錯誤ですが、「対話によって自己理解や他者理解が進んで学びや発見がある」という状態を目指して、準備してまいります!

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