過去に支配されない生き方
今回紹介する本は大ベストセラーの「嫌われる勇気」です。
この本は(アドラー心理学)を「青年と哲人の対話」という形式でわかりやすくまとめた一冊なります。
「アドラー心理学」とはアルフレッド・アドラーという精神科医の方が創始した心理学の体系であります。
世界的ベストセラーの「人を動かす」では、アドラーの思想が色濃く反映されていたり、「7つの習慣」にもアドラーの思想に近い内容が語られていて、人間理解の真理、また到達点として受け入れられています。
この本は、「人は変われる、今日からでも幸せになれる」と語る「哲人」のもとへ、その考えに納得いかない「青年」が訪ねて、その真意を問いただすところから対話が始まります。
登場人物の青年もすごく良くて、哲人の発言に対してめちゃくちゃ反論するんですね。とにかく哲人の考え、「アドラー心理学」が気に入らなくて、隙あれば反論しよう!みたいな感じで突っ込みどころを探しながら話を聞いている感じなんですね。
でも反論しているから、哲人からいろんな考えや具体的なたとえ話が引き出せていて、逆にこんなに反論できるのもすごいな能力だとも感じました。
この「嫌われる勇気」の序盤は過去についての話が多かったので
今回は序盤部分の紹介をしようと思います。
原因論と目的論
アドラー心理学では人の行動には「原因論」と「目的論」の二つの考え方があるとされています。
そして「原因論」を否定し、人の行動のすべては「目的論」であるとしています。
たとえば
何年も引きこもり、働きもしない男性がいる。その男性は過去に学校や職場でいじめを受けた経験があり、できることなら働きたいと思っているけど、外に一歩でも出てしまうと動機が始まり、手足が震えるので、変わりたくても、変われない。
一般的に考えれば、過去にトラウマがあるからこの男性は変われなんいんだ、と考えられますね。
過去にいじめを受けた「原因」があって、その結果として引きこもりになっている。
このように、「人の行動はなにか原因によって起こるもの」という考えを「原因論」といいます。
しかし、アドラー心理学では「原因論」つまり、トラウマを完全に否定し、人の行動のすべては「目的論」であるとしています。
なので先ほどの男性の「過去の原因」ではなく、「今の目的」を考えます。
「目的論」で考えると、この男性は「外に出ない」という目的があって、そのために不安や恐怖をつくり出している、ということになります。
普通に考えて、過去に学校や職場でいじめを受けた人全員が引きこもりになることはないですよね。
この男性の「外に出ない」という目的の裏には、親や周りの人に心配されたいという気持ちがあって、その目的を作っているかもしれないです。
その辺の理由は色々あると思いますが、この男性は引きこもることで、「外に出ない」という目的を達成しているということになります。
このように、アドラー心理学の「目的論」とは
「人は目的があって、そのために行動している」と考えます。
変わることの第一歩は知ること
この本の登場人物である青年が、「人は変われる」と語る哲人に反論するために質問をします。
「人づきあいが苦手な私が、明るくみんなから愛されるような人に変われるんですか?」
青年は自分自身のことを「ひねくれた性格」だと思い込んでいて、「明るくみんなから愛されるような人」になりたいのは、そうなれば幸せになれると思っているからなんですが、それに対する哲人の返答が、
変わることの第一歩は知ること、自分を受け入れることにある。
あなたはあなたであっていい。
大切なのは何が与えられているかではなく、与えられたものをどう使うかである。
また、
どんな環境でもライフスタイルはすべて自分で選択したものである。
自分で選択したなら再び選びなおすこともできる。
ここでいう「ライフスタイル」とは、「性格」や「気質」、「自分の人生観」などのことを指していて、青年の「ひねくれた性格」も自分で選択したもので、それで不幸に感じるならライフスタイルを再び選択しなおせばよいと語ります。
簡単に自分の性格や人生観など変える難しい、そう思っている人が多いと思います。
なぜそう思ってしまうんでしょう。
人は自ら変わらない決心をしている
アドラー心理学では、人が変われないでいるのは自らに対して「変わらない」という決心を下しているからだと語っています。
いろいろ不満があろうと「このままのわたし」でいることのほうが楽であり、安心なのだということです。
人が幸せになれないのは過去や環境のせいではなく、能力が足りないでもない。ただ「幸せになる勇気」が足りないのです。
アドラーの目的論は
「これまでの人生に何があったとしても、今後の人生をどう生きるかについてなんの影響もない」といっています。
過去は存在しない、自分の人生を決めるのは「いま、ここ」いるあなたなのです。
まとめ
もし、あなたがいま不幸に感じていて、幸せになりたいと願っているなら、最初にやることは「いまのライフスタイルをやめる」と決心することです。
「もしも何々だったら」と可能性の中に生きているうちは、変わることはできません。
「過去の原因」ではなく、「今の目的」で人は行動するんです。
自分自身を受け入れて、不幸であればライフスタイルを選択しなおせばいいんです。
ライフスタイルを変えて失敗すれば、また変えればいいんです。
あなたはあなたのまま、ライフスタイルを選択しなおせばいいんです。
ぜひ、幸せになるために、勇気を振り絞ってみませんか。
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