Zwiftフレーム・ホイールの重量・エアロ効果を算出してみた
Zwift insiderのスピードテストの結果からZwift内で使える各フレーム・ホイールの重量・エアロ効果を推定し算出してみました。※上記リンクから一覧表に飛べます。※Specialized Tarmac SL7、DT Swiss ARC 62、Canyon Aeroad 2021を追記しました。9/30のアップデートでTarmac Proが少し重くなり、Canyon Aeroad 2021が最軽量となりました。⇨再びCanyon Aeroad 2021が下方修正によりTarmac Proが最軽量返り咲き。表の値は修正済20/10/30。
記事の内容は当時の考察としてそのままにします。
※総合ランキングとレベル順に入手すべきフレーム・ホイールを調べるにはこちらの新しい記事を参照ください。
結論としては巷で言われている事と同じですが、それが数値化された形になります。
※あくまで推定値です。
最エアロ(空力の良い)の組み合わせ
Specialized Venge S-Works + Zipp 858/Super9 エアロ0% 重量6.65kg
最軽量の組み合わせ
Specialized Tarmac Pro + Lightweight Meilenstein エアロ5.87% 重量5.23kg
Tronバイク※ホイール一体の為、セットでの評価
Tron (Concept Z1) エアロ0.39% 重量6.08kg
※空気抵抗はSpecialized Venge S-Works + Zipp 858/Super9を基準に算出。エアロ5.87%は基準に対して空気抵抗が5.87%増えるという意味
Tronはエアロが超優秀で、そこそこ軽い。Zwiftレースでは理想的なスペック
数値化するとTron (Concept Z1) の優秀さが分かる。Tronよりエアロの組み合わせはいくつか作ることができる。Tronより軽量な組み合わせはけっこうある。ただし、後述するようにZwiftでは(現実の世界と同様に)なるべくエアロを重視した中で軽量化するのが有利である。
Tron のエアロは極めて優秀である。Tron よりもエアロなフレーム+ホイールの組合せを構築する場合、Zipp 858/Super9又はZipp 858/Super9を選択することが必須である(それ以外の組合せだとホイールだけでエアロ0.39%以上になってしまう)。しかし、Zipp 858/Super9又はZipp 858/Super9を選択した時点で、どのフレームと組合わせてもTronより重くなってしまう。
結論:エアロと重量の両方ともTronより優れたフレームとホイールの組合せはない。
重量よりエアロを重視すべし
軽量化の恩恵が得られるのは登りだけと考え良い。厳密には転がり抵抗と加速にも重量は影響するが割合として小さいので無視しても構わない。よって平坦と下りにおいては、エアロの値がすべてである。
では登りにおいては軽量化がすべてかと言うとそうでもない。登りでも空気抵抗は小さくなるが存在するので、どちらがお得かという話になる。Tron (Concept Z1)はエアロは超優秀で重量もかなり良い。ではTronではなく「最軽量Specialized Tarmac Pro + Lightweight Meilenstein」を選んだ方が良いのはどんなときか?
Tron (Concept Z1)と「最軽量Specialized Tarmac Pro + Lightweight Meilenstein」の重量差は1.42kg。体重60kgだとすると、総重量に対する割合は1.3%である。エアロ効果は5.48%Tronの方が優れている。両者の比較では軽量化1.3%とエアロ効果5.48%どっちがお得かの勝負になる。
ざっくりと計算すると4W/kgで登った場合は、勾配約4.1%以上でやっと「最軽量Specialized Tarmac Pro + Lightweight Meilenstein」の方が有利となる。平均勾配4.1%を超えるような長い登りは意外と少ない。その上前述の通り、平坦と下りではエアロがすべてなので、登りだけのレース以外で軽量化を重視するメリットはほとんどない。
以上を踏まえてレースでのフレーム・ホイールの選定
■Alpe du Zwift
ホイール
Lightweight Meilenstein 1.17kg を当てるまでは ENVE SES 3.4 1.36kg (Level4) を使う
フレーム
Specialized Tarmac Pro(Leve11で入手可)まではその時点での最軽量フレームを選択
Level 6 :Chapter2 Tere 4.37kg
Level 8:Cannondale EVO 4.22kg
Level 11 :Specialized Tarmac Pro 4.06kg
■Alpe du Zwift 以外のレース
Tron (Concept Z1)入手後はTron (Concept Z1)を選んでおけば、ほぼ間違いない。フラットコースならSpecialized Venge S-Works + Zipp 858/Super9でも良い。それまでは、エアロ重視で選択。
ホイール
Roval CLX64 :Level 5 エアロ2.26%
Zipp 808: Level 13 エアロ1.09%
ENVE SES 8.9 :Level 31 エアロ0.87%※ここまで来るとTron入手済みのはず
Zipp 808/Super9: Level 35 エアロ0.10%
Zipp 858/Super9 :Level 45 エアロ0.00%
フレーム
Zwift Aero : Level 6 エアロ 0.70 %
Factor One : Level 8 エアロ 0.52 %
Cervelo S3D : Level 13 エアロ 0.49 %
Specialized Venge : Level 18 エアロ 0.22 %
Trek Madone : Level 20 エアロ 0.17 %
Cervelo S5 : Level 25 エアロ 0.09 %
Specialized Venge S-Works : Level 33 エアロ 0.00 %
今回計算してみて分かったこと
Zwiftではなるべく忠実に現実のスペックを再現している。ゲームだからと現実と大きく乖離した設定をしているわけではない。
ホイールの方が空力への影響が大きい点も現実に即している。機材毎の重量やエアロの差も現実的な値である。(その中で多少スポンサーの絡みとかあるのか・・・)
Zwiftはかなりの部分は現実を忠実にシミュレーションしているので、エアロ効果を重視した方が登りも含むて早く走れるというのは、現実の機材選択の参考にもなる。ただし、Zwiftはかなり理想的な状態で走れる分、現実よりも数%平均速度が上がっている点はエアロに有利に働いている。(現実世界ではこんな平均速度で走れない!)
重量・エアロ効果の算出方法について
Zwift insiderでAlpe du Zwift とTempus Fugitにおける各フレーム・ホイールのスピードテスト結果が公開されている。
Tempus Fugitはほぼ平坦とみなせるので、ここのタイム差は、エアロ効果の違いとみなす事ができる。
Alpe du Zwift からは空気抵抗の影響も加味しつつ重量を算出した。重量の絶対値に関しては基準がないと算出は難しいのでホイールに関しては、Lightweight Meilenstein の現実のカタログ値1.165kgを基準に算出した。
フレーム重量は計算通りでいくと現実の数字よりかなり軽くなってしまったので、現実的な数字で補正を行った。(最軽量の組み合わせで5kgを割らない程度)
機材重量が大きい場合は、体重に対する割合から体重が重い方が有利となる。Zwift では体重が軽くても戦えるように多少体重軽い人優位にしている可能性がある。その為機材重量の設定も現実よりも軽めにしているのかもしれない。
またホイールは回転体なので空気抵抗や重量は厳密には回転体として求める必要があるが、Zwift がそこまでやってるかは分からない。今回は回転の影響は考えずに算出している。
MTB、グラベルの数値は以下の記事をご覧ください
いただいたサポートはエクセル365の維持費にしたいと思います。