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Zwift 下りクラウチング(Supertuck)姿勢の空気抵抗削減効果

クラウチング姿勢の空気抵抗削減効果は、実はレースとレース以外で違うというお話。

 レース  :空気抵抗削減率30%
 レース以外:空気抵抗削減率7%

1.クラウチング(Supertuck)姿勢とは

 10年くらい前からでしょうか?プロのレースで下りになるとダウンチューブ上に座って小さくなり、空気抵抗を削減する姿勢が見られるようになりました。※少し見づらいですがタイトルの写真のような感じです。日本の中継ではクラウチング姿勢と呼ばれていますが、海外では”Supertuck”と言われているようです。※この記事ではクラウチング姿勢で表記します。

 Zwiftでも下記条件を満たすとこの姿勢を取ることができます。

 ①時速58km/以上
 ②下り勾配3%以上
 ③出力11W以下(足を止めている)

Zwift上でも空気抵抗削減効果があると言われています。

2.クラウチング姿勢の空気削減効果

 どれくらいの空気抵抗削減効果があるのか?Zwift公式的には公開されていませんが、25%の削減効果があるとの記事を目にしました。

   もしそうだとすると、Radioタワーの下り(約14%)で漕がなくても時速100kmになるのでは??
 時速100kmの空気抵抗は60kgの場合3400Wくらいです。
 これが25%削減されたとすると空気抵抗は2550Wに減ります
 勾配−14%を100kmで下るときに発生する出力は2592W(体重+機材68kgで)

実際に踏まずの100km/hチャレンジやってみました。

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 結果・・・最高88km/h・・・全然いきません・・・おかしい

 クラウチングを取らない場合もやってみました。足を止めるとクラウチング姿勢になってしまうので、1倍程度で軽く踏んでいます(私の体重は60kg)。

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 結果・・・最高86km/h

他の勾配でもやってみましたが、クラウチング姿勢あり/なしでおよそ1〜2km/h程度の差しかありませんでした。空気抵抗の削減率に直すと約7%

 65km/h時で65Wの削減効果しかありません。

これなら、レースでわざわざ足を止めるより軽く踏んでた方が良いと結論づけようと思っていたところZwift insiderで次の記事を見つけました。

3.クラウチング姿勢の空気抵抗削減率はレースとレース以外で異なる

この記事ではFox Hillの下りの速度をレース時とレースではない時(フリーライド時)で比較しています。

レースの時(単独走)
  出力0W(クラウチング姿勢)      平均時速62.87km/h
  出力300W(75kg・4W/kg)        平均時速62.87km/h 
レースではない時(単独走)
  出力0W(クラウチング姿勢)      平均時速54.57km/h
  出力275W(75kg・3.7W/kg)        平均時速61.97km/h
   ※なぜか同じ300Wの条件はなかった  

この記事から言える事は、同じ0W・クラウチング姿勢で下った場合の速度がレース時とレースではない時で異なります。そんなのありなのか?という思いもありますがどうやらそうらしいです。私の検証はレース時ではないので、クラウチング時の空気抵抗削減率は小さいのが正解なようです。

 逆にレース時のクラウチング姿勢の空気抵抗削減率はかなり大きく、0Wなのに4W/kgで踏んだのと同じ速度で走れています。これは予想していたよりも大きく空気抵抗削減率で約30%になります。

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※7/5に行われたバーチャルツールのプロ女子レース、同じラジオタワーの下りをクラウチングで94km/h出てました。私のフリーライド時は88km/hなので、レースとレース以外で劇的に違うことが確認できました。

4.レースでの活用

①集団の場合
クラウチング条件を満たす場合は積極的に活用すべし。

 別記事で書いたがそもそも、下りで60km/h以上出ていれば、足を止めても集団から遅れる事はない。クラウチングを取ると勝手に前に出るくらい。

ただし、限界でヒルクライムしてきた後に急に足を止めたくない人もいると思うので、軽く回していても集団から遅れることはない。

②単独で逃げている場合
 58km/hでクラウチング姿勢を取った場合は、約3W/kgの削減効果になる。
ただでこれだけの効果が得られるなら足を休めた方が良い考えもあるが、63km/hを超えたところで足を止めれば、削減効果は4W/kg以上になる。

 これくらいになると踏んでも無駄感が出てくるので、63km/h以上に上げてから足を止めた方がお勧めである。

5.まとめ

クラウチング姿勢を取る条件
 ①時速58km/以上
 ②下り勾配3%以上
 ③出力11W以下(足を止めている)

クラウチング姿勢の空気抵抗削減効果は、実はレースとレース以外で異なる
 レース  :空気抵抗削減率30%
 レース以外:空気抵抗削減率7%

レース時の活用
 集団の場合:クラウチング条件を満たしたらすぐ活用がお勧め
 単独逃げの場合:63km/h以上、削減効果4W/kg以上になったら足を止めるのがお勧め

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