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【Zwift】ゴールスプリント研究・基本編

”なるべく前の方で位置取りをして、ファーストアタックに素早く反応、ドラフティングを利用してゴール前で先頭に出る”

以前別記事”レースで勝つ為の条件は?”の中で「最終順位はほぼ最終スプリントの出力順」といった事を書きました。

この”ほぼ”というのが実はポイントで、走り方によって出力順と最終順位が多少入れ替わります。出力では自分の方が高かったのに負けた時はかなり悔しい!
 では、どうすれば良かったか?分かってたら苦労はないという事で簡単なテーマではありませんが何回かに分けて考えていきたいと思います。

まずは、典型的ゴールスプリントで勝つ為の基本戦略について考えていきます。

1.ゴールスプリントとは

zwiftレースでは単独でゴールする以外はゴールスプリントとなります。2人のマッチアップもあれば、30人以上の大集団スプリントになることもあります。
 ここでは、2人以上でゴールを競う事をゴールスプリントとします。

2.ゴールスプリントの距離は

 ゴールスプリントは必ず誰かのアタックから始まる事になります。最初にアタックする人は、抜け出してそのまま先頭ゴールを狙っています。※稀にフェイクアタックで他の選手の出方を見てる場合もあります。

 最初のアタックを口火に集団の出力が一気に上がって戦いが始まります。
このスプリントが始まる残り距離は戦略・ペース配分を考える上で非常に重要になります。

 では、どれくらいの残り距離でスプリントが開始されるか?
※ちなみにzwiftの残り表距離示は300mを切ると1m毎に表示されます。それまでは100m毎に表示されます。表示が500mから400mに切り替わった瞬間は残り400mではなくまだ残り500mあります。最終盤で100mの違いは大きいのでご注意ください。

スプリントのスタートタイミング残り距離と目安時間
残り200m以下    超遅い  15秒以下
残り200m〜300m  遅い   12〜20秒
残り300m〜600m  普通   20〜40秒
残り600m〜800m  早い   40〜55秒
残り800m以上    超早い  55秒以上

スプリントの距離と時間の関係は、時速60kmで走った場合は100m6秒
1km1分を目安として覚えておくと良いです。但しラスト200mは平均時速60km以上になることは結構ありますが、さすがに1kmスプリントとなると平均時速は55km以下程度には落ちると思います。これを加味して、ざっくりと目安時間を書いてあります。
 上記の早い遅いは私の主観ですが、だいたい残り450m時間にして約30秒が標準的なスプリントになるのではないかと思います。

 なので、1km切ったあたりからスプリントのアタックにすぐ反応できるように備える必要があります。

3.スプリントの基本は好位置に付けて最後に刺す

 スプリントでは最初にアタックをかけて逃げ切りを狙う選手がいます。
この選手にうまく着いていき、ドラフティングを利用してラスト200m以下で刺して勝利。これが理想的な展開ではと考えています。

 空気抵抗は速度の二乗に比例するので、ゴール前の速度が上がっている状態では先頭は非常に大きな空気抵抗を受けます。ドラフティングによる空気抵抗削減率が一定だとすると、削減できる絶対値は速度が上がる程大きくなります。

4.Zwiftスプリントで後ろ有利な理由は?実際のレースとの違い

 Zwiftでは現実のレースに比べて、より後ろ有利の傾向が強い印象があります。何か参考になる物はないかと色々と探していく中で、トラックレースはZwiftレースと展開が近いと感じました。
 zwiftレースは基本個人戦になります。一方ロードレースはチーム競技です。その為、Zwiftレースでは一般的なロードレースの戦術、序盤の逃げや、スプリントのリードアウトといった展開は見られません。
 その点トラックレースは個人競技なので、Zwiftと似たような展開になります。

リンク先の動画はKeirinの世界選手権です。残り2lap(500m)を切ったところで先頭に出たドイツの選手がそのまま勝利しています。
 ただこれがZwiftレースなら、これだけぴったり後ろに着かれて逃げ切るのはほぼ不可能だと思います。他のトラックレースを見ても意外と逃げ切り勝ちが多く見られます。

実際のレースとzwiftレースの違いは何なのか?

 実際のレースではコース取りが重要な要素になります。先頭が有利な点は、最短で理想的なコース取りをし後方の選手をうまくブロックすることもできます。

 後ろの選手はコースを塞がれたり、外側を回らされたり、または後方から追い抜いていく場合には大きく外側に持ち出さなくはならず、ドラフティング効果が十分に得られない展開が考えられます。

 一方Zwiftにはコース取りの要素がありません。後ろの選手はコースを塞がれて減速するようなことはなく、選手の間(又は選手自体)をすり抜けいきます。この為、最後までドラフティング効果を目一杯得て加速したまま抜いていけます。

 この為、zwiftレースでは実際のレースよりさらに、後方有利になっていると考えられます。

5.Zwiftスプリントの基本戦略

以上より、Zwiftスプリントの基本戦略は、”最初にアタックを仕掛けた選手にうまく着いていき、ラスト200m以下で抜いてゴールする”。

ここで大切なのは、出力のピークを最後の競り合いの場面、200m以下に持って行く事です。

スプリントは残り何mで始まるかは分かりません。スプリントが始まった瞬間にどの距離でもフルスロットルで行ってしまうと、残り距離が長い場合は後半タレてしまいます。
 そうかといって、残り距離による細かな出力調整も難しいと思うので、”どの距離でスプリントが始まったとしても、全力でもがくのはラスト200m以下”と単純な決め事をしておく。

ラスト200mでスプリントが始まった場合はそこから全力。
ラスト600mでスプリントが始まったとしても出力ピークはラスト200以下。
※別の見方をすると余力を残して、ラスト200mまで好位置に着けられた場合、勝利の可能性はぐっと高くなります。

 以上は基本的な戦略で、これで必ずしも上手くいかないのがスプリントの難しいところです。別途続編で掘り下げて考えたいと思います

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