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vEVERESTINGで疲労予算TSSから目標出力(W)を決める方法

前回NPとTSSについて解説しました。

TSSはトレーニング量の指標として使われるのが一般的ですが、もう一つレースやロングライドの疲労予算としての使い方があります。

今回はvEVERESTINGを例に解説していきます。

1.vEVERESTINGとTSS予算

vEVERESTINGに関しての詳しい説明は置いておいて、この記事ではZwiftのAlpe du Zwift(12.2km高低差1036m)を9回登る行為と定義します。

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Alpe du Zwiftを9回登った場合の獲得標高は9324mとすさまじい値になります。走行時間も10時間を超え、挑戦する人のほとんどは未知の領域だと思われます。そんな未知の領域でいったい目標出力を何Wに設定したら良いか?

TSSから目標を設定する方法があります。例えば1日のライドでの最高TSSが300だったとします。その時の疲労具合がどれくらいだったかは、なんとなく覚えているはずです。これの1.5倍のTSS450までならなんとか体が持つのではないかと思えれば、TSS予算を450に設定します。

2.vEVERESTINGの平均出力、目安時間、TSSの関係

これまでの積み上げを駆使して、Alpe du Zwiftを登る平均出力と時間、TSSの関係を計算して下記表にまとめました。

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■計算条件
体重:65kg,
FTP:260W(4.0W/kg),
機材:Specialized Tarmac Pro+Lightweight Meilenstein
Alpe du Zwift(12.2km高低差1036m)の登りだけのタイム(下りは含まない)
ヒルクライムなので基本的には、一定ペースを刻むのが最も効率が良いので、平均出力=NPとして計算。IF=NP/FTP

この表で見て欲しいのは、まず平均出力が下がれば当然登坂時間が増えていきます。表の一番上の平均91Wでは、9本の登坂時間は約20時間40分です。

それにも関わらず、TSSは253と最も低くなります。
これは平均出力(NP)が低くなる➺IFが下がる➺TSSはIFの2乗で効くのでもっと下がる、となっています。

これはロングライドで非常に大切な法則になります。

★TSS=疲労を下げたかったら出力を下げて時間で稼ぐ

例えば同じ距離を進むのに、例え時間がかかったとしても、出力を下げてゆっくりいった方がTSS=疲労を下げてクリアすることができる。

ここで、TSS予算450の話に戻ります。TSS450でvEVERESTINGを達成しようとすると上の表の2.4W/kgと2.6W/kgの間、2.5W/kgに設定すれば、登坂時間で12時間弱と予測を立てる事ができます。

体重65kg前提で計算をしましたが、ヒルクライムなので体重が異なる人でも体重比の出力で見れば、ほぼ同じタイムとTSSになります。

3.PWR別のTSS一覧表

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■PWR別のTSS一覧表の使い方

・PWR3.5W/kgの人の場合

TSS予算の設定➺TSS予算を427に設定。※なんとなくの私の感覚ですが、TSS400~500の間に設定するのが良いと思います。

PWR3.5W/kgの列を確認➺TSS427の行を見て、走行時の倍率が1.8W/kgでいければ、登坂時間16時間7分と予想できる。

表を見ると、vEVERESTINGを達成するには最低でもPWR3.0W/kg以上ないと厳しそうです。

と、ここまで書いてきましたが、私自身vEVERESTINGに挑戦する予定は全くありません(^_^;)



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