Zwift 4つの走行抵抗

前回の記事で公開したzwiftの計算シートの4つの走行抵抗を解説します。


①転がり抵抗

転がり抵抗係数crr、重量m、速度vに比例。

 Crr×m×g×v    

※gは重力加速度。速度vはすべて秒速m/sで計算

Crr値は下記zwiftinsiderの記事参照

重量、速度に比例していることから、実は後述する登坂抵抗に似ている。Crrを勾配に置き換えて考えることができ、こうすると負荷のイメージし易い。

Crrの代表値は以下のようになる

ロードバイク 舗装路:0.004     ダート:0.025
MTB                舗装:0.01        ダート:0.014

例えば、ロードで舗装路を走っている時の転がり抵抗は0.4%の坂を登っている時の抵抗に等しいです。値としてはたいしたことありません。それがダート区間に入ると2.5%の坂と同じくらいの負荷になります。ダート区間に入ると2%の登りに入ったのと同じと考えればよいわけです。

ダートコースであるJungle circuitのレースでロードとMTBが混在していることがあります。ダート区間ではロードバイクはMTBより転がり抵抗が約0.1大きいので、ロードはMTBに比べ常に1%の坂を余分に登らされていることと同じになります。どうりできついわけです。

②空気抵抗

速度vの3乗に比例
空気抵抗係数Cdと前面投影面積Aに(CdA)に比例

 (空気密度×CdA×v^3)/2

zwiftでは、身長・体重が増える→前面投影面積が増える→空気抵抗が増えるとなっている。計算シート内では身長・体重に合わせてCdA値が変化するように設定してある。これはZwiftinsiderのスピードテストを元に推定で算出したもので、完全に正確な値ではないと思うが、傾向を掴むことはできる。

ドラフティグを行うと同じ速度で走る為の出力を下げる事ができるが、それはこの空気抵抗を削減できるからである。一定割合で空気抵抗を削減できるとしてシート内では計算している。

③登坂抵抗

勾配、重量、速度に比例

 勾配×m×g×v

※勾配は1%なら0.01

④加速抵抗

例えば平坦で40km/hで一定巡航するのに必要な出力約240wだとします。240w一定で出し続ければ40km/hをキープできます。
240w以上の出力を出した場合は、速度が少しずつ上がる、加速することになります。

ここで、毎秒m/s加速していますと分かってもピンとこない、使えない知識となるので、1km/h上げるにはどれくらいのエネルギーが必要か?これを知っていた方が役に立ちます。

      (m×(v+0.278)^2)/2-(m×v ^2)/2

※速度は秒速に直して計算。1km/hは0.278m/s
体重60kg,自転車+装備8kgで計68kgとした場合、40km/hから1km/h速度を上げる為には、221Jのエネルギは必要です。

ここでJ(ジュール)は仕事の単位で、W(ワット)は1秒あたりの仕事量であるので

W(ワット)×時間(秒)=仕事J(ジュールとなります)

例えば200Wで5秒漕いだ場合は 200W×5(S) =1000(J)の仕事をしたことになります。

話を元に戻します。

40km巡航いん必要な出力が240Wの場合に1秒間240W+221で461Wで踏めば、速度は41km/hになります。

※厳密には、41km/h巡航に必要な出力が少し上がっているので、もう少し踏まなくてはいけまんが、知識として掴むには上記程度の認識で良いと思います。

10秒間で加速する場合には、240W+221/10で262Wで10秒間踏めば、速度は41km/hになります。

レースでは約一定出力をキープして走っていたのに、いつの間にか集団から遅れ、離されはじめている事がよくあります。そんな時に追いつこうと出力を上げるのですが、そんな時に240Wから260Wに上げたくらいでは、頑張っているんのにちっとも追いつかなくいといったことがあります。こんな時は、素早く短時間高出力(400Wで3秒とか)で踏んで加速して追いついた方が、素早く集団に復帰できて結局出力を節約できます。

 加速は短くピリッと!

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