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悩める世代に明るい未来をつなぐ

朝から晩までスウェットの上下姿でパソコンに向かっている息子。
おうち時間を強いられているから仕方ない。たまの外出以外は、ほとんどその格好で過ごしている。

切り替えが出来なくてかわいそうだなぁ…と思っていたが、それも最初のうちだけで、こんなに長い期間、自粛が続くと親の方もこのスタイルに慣れてくる。
本来あるべき姿ではないのだから、本人が一番ストレスを感じているに違いない。

ただ今、
絶賛就活中。

大学院進学が決まった途端にコロナの影響でほぼ毎日リモートの世界。

最初は、友達とリモート飲み会、ゲームなど楽しんでいたが、さすがに就活が始まってからは、ちょっぴり、ピリピリ感が…
私にも伝わってくる。

普段なら、昼頃にゆっくり起きてきて、ブランチを食べる息子だが、

先日、
朝早く、ハンガーにかかった濃紺のスーツを片手に二階から降りてきた。

「ワイシャツどこ?」

聞けば、今日は、10時から会社の面接があるらしい。

「どこで?」

「うちで」と、息子。

「さすがに掃除機の音たてるとまずいよね」

わかりきった質問をしてみた。

「できれば…静かにしてほしい」

私は、掃除機を後回しにして、面接の時間は買い物に出る事にした。

息子がスーツに身を包み、部屋に入ったのを確認してから、買い物に出ようと玄関へ。

すると二階から、
「お母さん、ペットボトルの水、持ってきて!」
慌てた息子の声。

時計は、もうすぐ10時になろうとしている。

急いで冷蔵庫から、ペットボトルの水を取り出し、部屋まで駆け上がる。

「ありがとう」

始まる前から、のどがカラカラなんだろう。言いながらキャップを開けてひとくち含む。

そんなに緊張してるの?!

言わなかった…心の中でつぶやいた。

玄関で靴を履こうとした時、上から息子の声。
始まったのだ、面接が。

なぜか、私までドキドキしてきた。

普段は、口数の少ない息子も面接が始まると、様子が違った。

少しだけ、息子の喋りを聞いていたくて階段の途中まで上がり、そぉーっと聞き耳を立てた。

リアル就活もこんな楽しみ方が出来るんだ。
親の目線では、そうかもしれないが、本人にしたら、たまったもんじゃない!だろう。

数年前の娘の就活を思い出す。

何社か受けるため、わざわざ上京し、数日間、ホテルに泊まり込んでの就活スタイル。

暑い夏の最中。

娘からの携帯…

「お母さん、ヒールが取れた」

歩き過ぎて、ポキッといってしまったらしい。無理もない…

近くのデパートで新しいのを買った。
左右カタカタのまま、デパートまで歩くのが、とても、恥ずかしかったとか。今では懐かしい思い出。

本来の就活って、そんなイメージ。

一番上の息子は、院一年生の時に大学側から推薦をもらったので、就活らしいことはしていない。
「合わなかったら、すぐ辞めるから」
就職するまえから、そう宣言していたが、まだ続いている。
そして、結婚もした。

末の息子もそのパターンを選ぶのかと思いきや、自分で探してみたいと言い出した。

このご時世、そんなに簡単ではないはずだが…

息子は、何を思ったのか、先日、買い物ついでに神社⛩まで歩いてみた。と

「もしかして、神頼み??この前の面接の〜」

らしくない。息子が神頼みするなんて。

そのまさかで、息子は笑ってはいるけど、真剣なのだ。

茶化して悪かった…本当にごめん。

先日、仕事から帰ったら、
いつものスウェット上下姿でいるのだが、息子の髪が濡れている。

「えっ?もう、風呂に入ったの?」

…なんだか、いつもと違う。

普段、部屋にいるか、リビングにいてもパソコン開いてるかのどちらかなのだが…

もしかして…

「この前の面接、連絡きたの?」

「うん……ダメやった」

「これからどうしようかな。」と息子。

もうすぐ、大学が始まるらしい。

テレビで2年ぶりの入学式が開かれたといろんな大学が紹介されている。

当たり前にあった事が大々的にニュースになってしまう。

そんな時代を生きなければならない息子たちの胸の内は、親世代が思うほど、そう簡単には説明できないだろう。

今は、せめて、就職して良かった!と言える会社に縁があればと願う。

まだまだ、息子の就活は始まったばかり。

親ができる事は、はっきりいって何もない。

的確なアドバイスでも出来れば別だが、それは私にはハードルが高すぎる。
夫も黙って見守るのみ。

息子のモチベーションがまた上がるように⤴️何か面白いことでも思案するか…

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