動物行動学と組織開発

先日読んだ書籍に、動物行動学に関する記述がありました。
・動物行動学を確立したニコ・ティンバーゲン
・動物の関係性を理解するために、4つの疑問を提唱

4つの疑問に関しては、(解釈や表現は諸説あると思いますが)
1解剖生理学(内部の機能がなぜ、どのように機能するのか)
2発達学(どんなプロセスで生物が生み出されるのか)
3系統学(どんな歴史的経緯を辿って、進化してきたのか)
4行動生態学(生態系の中で、生物がどんな関係性を持っているか)
とのこと。

上記の疑問が組織を分解して考える際の視点に近いと感じました。

組織(企業全体、各部署やチームなど)と個人を構造的に見た上で処方や対策を考えることは、組織開発や人材開発を行う上で重要な要素ですが、それらは簡単ではなく、様々なフレームワークを複合的に併用することが重要です。
上記4つの疑問から、組織と個人を捉える問いを整理してみました。

1解剖生理学(内部の機能がなぜ、どのように機能するのか)
・その企業は、社会、市場、業界、にどのような役割があるのか、現状、どのように機能しているのか?
・各部署やチームは企業の中で、どんな役割があり、どう機能しているのか?
・各社員は、どんな役割期待を持ち、どのような機能を満たしているのか?

2発達学(どんなプロセスで生物が生み出されるのか)
・その企業がどのようなきっかけや過程を経て、誕生したのか?
・各部署やチームが、どのようなきっかけや過程を経て、誕生したのか?
・その中で、各ポジションやタイトルは、どのようなきっかけや過程を経て、誕生したのか?
・それらの過程で、どんな人たちが関わり、どんなやりとりがあったのか?


3系統学(どんな歴史的経緯を辿って、進化してきたのか)
・その企業が、どのような成長や沿革(成功や失敗)を通ってきたのか?
・各部署やチームが、どのような成長や沿革(成功や失敗)を通ってきたのか?
・各社員は、これまでのキャリアや職業生活で、どのような経験を経て、今に至るのか?

4行動生態学(生態系の中で、生物がどんな関係性を持っているか)
・その企業は、社会、市場、業界に対して、どのような関係性にあるか?
・その企業は、所属する社員と、どのような関係性にあるか?
・各部署やチームが、相互にどのような関係性にあるか?
・各部署やチームにおいて、上司と部下がどのような関係性にあるのか?
・各部署やチームの内外で、社員が相互にどのような関係性にあるか?

既存のフレームワーク(先人の知恵)には、企業を生物とみたてるものがありますが、こう整理してみると、なるほど企業も有機体であると改めて感じます。

次の記事では、ここまでの視点や問いをふまえて、どのようなアプローチや処方/打ち手が考えられるのか、を、整理してみたいと思います。


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