はじめの一歩をnoteから
私の故郷・福島県富岡町は、まだ一部が帰還困難区域に指定されています。その町で私は2020年5月から「起業型地域おこし協力隊」となりました。町の仕事をするだけでなく、起業に向けて自分で考えて動いていかなければなりません。その第一歩として、noteを始めることにしました。
小さな出版社から独立し、フリーランスに
高校卒業と同時に東京へ出て、学生生活を終え、美容の専門誌を出している小さな出版社へ入社しました。そこでは記事を書くというよりも「撮影」がメインでした。
もちろん、取材して記事を書くということもしていましたが、誰に、どんな撮影をお願いして、どんな誌面にしていくかということを考えて実行する仕事が中心でした。
美容師さん、フォトグラファーさん、スタイリストさん、メイクさん。たくさんの方々と関わり、充実した日々を送っていました。時間に追われ、そして私自身撮影が楽しくて楽しくて、「取材して記事を書く」ということは、外部のライターさんに任せてしまっていました。
そうこうしているうちに、あっという間に8年が過ぎ、フリーランスとして独立しようと決心した時、文章を書く体力・技術が大幅に減ってしまっているのではないかという危機感がありました。
まさかの故郷にUターン
これから自分を鍛えなおしていかないと! と思っていた矢先、フリーになって2年そこそこで、まさか結婚で故郷に戻ることになろうとは。高校時代の後輩に「紹介したい人がいる」と言われ、東京に住んでいる人だろうと思いOKしたところ、まさかのいわき市在住。
一度会うくらいならいいか、と故郷夜ノ森の桜を一緒に見に行ったところ、あれよあれよという間に結婚の話がまとまり。
え? いいの? 私、これでいいの? と思いつつも、何かに導かれるように故郷にUターンしていたのです。
仕事もパソコンとネット環境さえあれば、どこでもできます。そしてありがたいことに、東京でいただいていた仕事の多くを持ってくることができました。そのおかげで、お金や仕事の心配をすることなく福島に帰ってこれたというわけです。フリーになっててよかった!
田舎に移住する上でネックになるのは、やはり仕事探し。いわき市はまだ仕事がある方ですが、富岡町で女性が仕事を探すとなると、なかなか難しいのが現状だと思います。
移住して1年経たずに台風19号で被災
引っ越してからは、環境に慣れることで精一杯。知っている土地とはいえ、もう18年くらい帰っていなかった場所です。何もかもが変わっている!
そもそも私は誰かと一緒に暮らすなんて向いていない人間です。家の中に誰かもう一人いるという落ち着かない毎日。愛猫を愛でながら、東京から持ってきた仕事をこなすことでいっぱいいっぱいでした。
そうはいっても、せっかく戻ってきたし、地元の仕事もやってみたいなと思ってはいたのですが、なかなか行動に移せず。
まぁ、大きな不満もないし、食っていけてるし、これはこれで〜。なんて自分で自分に言い訳をしながら。
このまま変わらない毎日を過ごしていくんだろうなんて思っていたある日、台風19号が我が家(アパート)を襲いました。アパートの目の前は夏井川。物件を内見した時に、不動産屋さんに「まさか氾濫したりしないですよね〜?」なんて軽口叩いていたあの日に戻って引き止めたい! そのアパートはヤバイぞ!
夜中布団に入っていると「コポコポッ」「コポコポッ」となんだか嫌な音がする……。
あーーーーー! ああああああーーーーーー!!!
どんどん上がってくる水嵩。そして停電。二階だから大丈夫とは思いつつも内心パニックです。このまま上まで水が上がってきたら、猫たちをどうやって助け出すか。そのことを必死に考えていました。
朝、外がうっすら明るくなってくると……。
ひぃぃぃぃぃぃぃぃ。湖やんけ!! 家の前が湖と化しとるやんけ!!(トラウマ)
死を身近に感じた体験です。助かるとはわかっていながらも、それでも万が一……。と考えた出来事でした。
死を意識してようやく重い腰をあげる
いつ何が起こるかわからない。やりたいと思ったことはやっておこう。そうこの時に決意し、勢いのままに富岡町役場に連絡を入れたのでした。「何かやらせてください!」。
それが「地域おこし協力隊」になったきっかけです。もちろん、町のために自分ができることをしたいという気持ちがあるのも確かです。ですが、自分がやりたいからやってみる、というのが一番しっくりくるかもしれません。
このnoteを始めたのも、今の自分ができることを蓄積していきたいと思ったから。いざ起業! となった時に、自分のできることを仕事相手に手っ取り早く見せるためにも記事を書きためていこうと思ったのです。
先に書いたように、原稿を書く体力と技術が低下していると自覚しているので、修行の意味も込めて。会いたい人に会いに行き、聞きたい話を聞いて、書きたいように書いていこうと思っています。
プロの力を信じている
個人的に始めたnoteですが、インタビューの写真は基本的にプロのフォトグラファーさんに撮っていただこうと思っています。
仕事ではないので、もちろんギャラは私のポケットマネーから。撮影場所の使用料や、インタビューに協力してくださった方への謝礼などもすべて自腹です。
スマホで簡単にキレイな写真が撮れるようになりましたが、それでも私はプロが撮る写真の力を信じています。私には撮れないようなステキな写真を撮ってくれる。さまざまなプロの力を借りるということが、私にできるもうひとつのことなのかなと思っています。
少しずつ、細々と、続けていければと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。
トップ画像:Ko Kawaguchi
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