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短編小説集

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屈橋毬花の短編小説を掲載していきます。 あらゆるジャンルの話を掲載していきますので、是非、アナタのお気に入りを見つけてください。
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#短編小説

【短編小説】砂糖菓子のような君へ

「私を恨んでいいから」 涙を流す彼女の耳元に最後の言葉を置いて、彼女をバスに乗せた。 拝…

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酔わずとも抱きしめて【短編】

失敗した。 やらかした。 ホテルで独り、枕を濡らす。 一人暮らしをする彼の部屋で、ひとつ…

強くて弱い僕らに捧ぐ【#2000字のドラマ】

 最後のチャイムが鳴ってからどのくらい経っただろうか。  教室には三人の男女だけがぽつね…

【短編】甘いのがお好きで?-前編-【『ミルクは先か後か入れないか。』『苦いままでい…

 業界が仕向けたイベントだと分かっていても、やりたくなる、やらなければならないと思わせる…

【短編】甘いのがお好きで?-後編-【『ミルクは先か後か入れないか。』『苦いままでい…

「もったいない!」 「ま、マスター?」  鼻から思いっ切り息を吸い込み、「あいつは、あん…

【短編】雨の日晴れ顔

 小さな水滴が一粒、私の頬に触れる。  そして、一粒、また一粒と、私も私もと雫らが頬を撫…

【空展】隣の芝生も青い ▽屈ノ丞

 言葉にならない感情を何にぶつけても許される年頃は、当の昔に過ぎた。だからといって、行き場のない感情を放出しないまま、何事もなかったかのように、ただいつもの日常を送れるほど器用でもない。  誰も解決してくれない。何も解決してくれない。  気付けば彼らは空を見上げていた。  今すぐにでも引き剝がしたい塊を抱え、不格好な階段を上り、殺風景な展望台にポツンと佇む二つのベンチに腰を落とし、そして、空を仰ぐ――。  サキタコヨハルは、展望台へと続く階段を駆け上がった。喉が渇き、独特

【CAKE展】僕は今夜、彼女のティラミスを【屈ノ丞】

 暗めの紅い壁紙。しっとりとしたジャズ。渋めの木材の天板と黒のアイアン脚でできたテーブル…

3FacE
4年前
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【煙展】燻る死神▽屈ノ丞

 ――苦しい。  ――息ができない。  自分が望んだはずなのに、怖くて怖くて仕方がない。 …

3FacE
4年前
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【短編】キャンドルでまた会おう。

 僕にはお盆休みの日だけ、彼女が来る。  遠距離の彼女はお盆休みになると必ず僕の家を訪ね…

【短編】Unwanted

 なあ、知ってるかい? ここらじゃ有名な話だよ。数年前に、両親を亡くした母親に殺されかけ…

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