日本の顔 野中郁次郎
野中郁次郎(のなかいくじろう・一橋大学名誉教授)
世界的な経営学者で、名著『失敗の本質』の著者としても知られる野中郁次郎。85歳の今年、中小企業大学校の総長に就任し、企業のイノベーションを説いた『ワイズカンパニー』を上梓した。その研究意欲は衰えを知らないが、「一人じゃ何もできない男なんです」と笑う。
「社会学や歴史学など、様々な共同研究者に助けられてここまでやってきました。異なる分野の知見は極めて重要で、ホンダの創業者・本田宗一郎と補佐役の藤沢武夫のように、異質な者同士が組むことでイノベーションは生まれるのです」
いま、日本企業の多くはコロナ禍にあえぐ。ポストコロナの時代を生き抜くためには何が必要なのか。
「オンライン会議は便利ですが、やはり現場で直接会うことが一番。全身全霊で相手と向き合い、“決闘”することで、膨大な情報や知識が意識的、無意識的に飛び交う。そうして、より大きな『知』が生まれるのです」
大学の研究室にて。膨大な蔵書は「軍事」「哲学」など付箋を貼ってジャンル分けしているが、「自分でも資料の在り処がわからなくなることも(笑)」
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