短歌|飯田有子
春と校正者
「悔しがる人は伸びるよ」新人われを慰めし言葉新人に言う
折り紙の指示の誤植の(あしびきの)やまありたにあり・やまありたにあり
残業のつづく後輩の机には日々増えていく推しの笑む顔
晴れた日は意味無きことば連ねたし半濁音だけの鳥の鳴き声
病み上がりの作家の痛み思いつつ震えがちなる書き文字を追う
文字としか話さない日は善福寺川沿いの道えらんで帰る
常よりも春待つこころ通る人みな顔寄せゆく桜のつぼみ
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