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小学生の頃の思い出    ー里山の風景がそこにはあったー

私の故郷は海からも山からも近く、緑豊かな高原の麓で、小学校の裏には川が流れ、また通学途中は田園風景が広がるり、いわゆる里山と言われる様なところです。私はそんなのどかなところで育ちました。今でも野山の風景、野外授業で農家さんや牛舎の見学に行ったり、写生大会では近くのお寺の建物や川の堤防からの風景を描きに行ったりしたことをふと思い出します。遠足で行った潮干狩りも理科の授業で飼ったメダカも自然の中で自分達で見つけに行きました。川、大きな石がいっぱいあった川岸、そして海岸や海への河口、都会から離れていたため、開発も遅かったのもあると思うのですが、日本の里山の理想の風景を故郷と共に思い浮かべる事ができます。
帰省の度に変わってしまった風景と共に今でも変わらない風景を何かに書き留めて起きたい…そう思いたち、ここに書こうとと思いました。

文章として思い出の中の風景を以下に書き留めました。取り留めもなく書いています。しばしお付き合いください。

小学校の木造校舎とクスノキ


いつも思い出す風景の一つに、今はない私の小学校の木造校舎があります。私が小学生低学年の頃、その校舎は平屋の木造で、中心に大きな柱時計と授業開始と終わりを知らせる鐘がありました。その中心から3つの方向に校舎が広がっていて、雨の日の全校集会の時はいつも中心から3方向に分かれて並んで座り、校長先生や先生達の話を聞きました。私はいつも座りながら木造の廊下の床下の穴に穴から埃を捨てたり、持ってきた消しゴムの粉や鉛筆削りのカスを捨てたりしていました。

そんな想い出のある木造の校舎ともう一つ、学校の校庭の真ん中には、大きなクスノキがありました。春の若葉が香る新緑の時期、クスノキの木の香りを嗅ぐだけであの清々しい気持ちになるのは、新学期を迎えた時だったからかも。梅雨の時期は雨に混ざった木の香り、台風の後にはクスノキの実がたくさん落ちていて、その実を拾って擦るとまたクスノキの香りがする。秋、落ち葉拾いを昼休みに一生懸命生徒達でmした記憶も残っています。また秋口になるとその木の真ん中辺りにあった大きな穴にフクロウが巣をつくり冬休みや春休みも含めてみんなが木に寄らない時期にフクロウは子育てを終えて巣立っていく。季節と共に大きな木は私達の記憶に香りや色で残してくれてます。

また運動会時期は、その校庭の真ん中のクスノキを中心として、100m走や玉転がし等をしました。真夏の暑い日陽射しを遮ってくれていました。運動会だけではなく毎日の休憩時間は木の周りで遊んだ記憶も鮮明にあります。そんな大自然の中にある里山を思わせる記憶も残っています。

ですが、私が小学校3年生に上がる頃、鉄筋コンクリートの新しい校舎を作るため、木造校舎は部分ごとに徐々に取り壊されていきました。そんな校舎が取り壊される頃、小学3年生は大学を卒業仕立ての新任先生が私のクラスの担任になりました。その担任の先生は一生懸命でよく課外学習の様に私達を外に連れ出し、自然の中で様々な事を体験させてくれていました。その先生の日課は毎朝教室の黒板に詩が書かれていて、(時には後ろの黒板だったかも)その詩を書き写すのが生徒たちの日課でもありました。

その詩の中で一番記憶に残っていて、確か先生もこの詩が好きで、木造校舎取り壊しと共に運動場から無くなった大きなクスノキを思い浮かべていた草野心平さんの木という詩です。

「 木   草野 心平

葉っぱをおとした。
冬の木はいい。
裸の木々のすがたはいい。
ごつごつした古い木などは特にいい。
硬くて落ちついていて実にいい。

霜柱にかこまれて。
寒さのなかにたっている。
裸の木々の美しさ。

木々や幹のなかを。
力が流れているような気がする。
夢がいっぱいつまっているような気がする。
白い炎が燃えているような気がする。」

小学生の頃の記憶力は凄いなぁと思うのは、この詩は未だに私が大きな大木をみるとこの詩を思い出します。そしてクスノキは私の中で、草野心平さんの木の詩に最も近い木のイメージです。

学校の登下校路

私は学校に行く登下校が楽しくて、学校へ行くのはこの登下校が楽しみだったから、と言っても過言ではないです。

登下校では様々な事件を起こしています。
事件と言っても、警察沙汰になる様なそんな事件ではなく、可愛らしい物なのですが、未だに母に言われたりします。

  1. オタマジャクシ事件

  2. カマキリ事件

  3. ザリガニ事件

  4. アゲハ蝶事件

生物の名前がついている事件は同じ様な事が起きた事件なので、例えば、オタマジャクシ事件は学校の帰り道にオタマジャクシを取ってきて、水槽に入れておいて観察。足が生えて尻尾がなくなったら、カエルになる。当たり前ですが、尻尾が完全になくなる前に水槽から出てしまい、朝登校した私の部屋からたくさんのカエルが出てきたという。またカマキリも同様で、草むらでとってきたカマキリの卵を箱の中に入れておいたが、気が付いたら箱から溢れんばかりの小さなカマキリがかえっていたという。他も同様で学校に小さなバケツや箱を持って行き、帰り道、メダカやフナ、色んな昆虫を採集するために道草をしていた。

色んな事件を起こしはしましたが、どれも自分の好きなことや興味を持った事を自ら体験して学ぶ事ができたのは、そんな環境があった事は凄く幸せだと思っています。

そしてまた私の小学生の頃の記憶、そして海洋、川、森林、野山、里山の大自然やその中に暮らす生物に目を向けたいと思ったここが私の原点です。

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