見出し画像

自分の小さい器を、圧倒的仕事量でぐいっと広げる

新卒新人の教育をしていると、いろいろな若者と接することができるので発見がたくさんあります。学生時代に起業して入社、会社つとめしながら自分の会社を持っている子。界隈では誰でも知っているような会社にインターンして表彰されちゃうような実力を持っている子。そんな子たちのメンターをして1年をともにすると、入社前の経験と1年目の経験は、その子の仕事人生において大きなインパクトを持っているなぁと実感します。

ひるがえって、自分はどうだったか。

私は28歳くらいまでフリーターをしながらバンドをしていました。バンドがダメになったときにバイトをしていたWeb制作会社に拾っていただき、そこで社会人1年目を向かえました。

バイトの時は「初めてのWeb制作会社」。それまで自分のバンドのホームページ運営はしていたので「ある程度仕事できるだろ」と高をくくっていたのですが、いざプロの現場に入ると何もできず、ひたすら単純作業(サイトのキャプチャ撮りとかエクセルで数千行あるデータの処理とか、主にコピペ作業)ばかり回ってくる日々でした。「このままではいけない」と直感的に思い、隙間時間や休日を見つけてWebデザインやHTMLやCSSを独学し、制作のお仕事が回ってくるのを待つ日々でした。そして実際に制作仕事が回ってきたら死に物狂いで(とはいってもその時の売りなんてスピードくらいしかないのですが)頑張ってアピールをしようとしていました。

そんなこんなで少しずつ仕事が回ってきて。そしてバンドがダメになり社員になっても、基本的なスタンスは変わりませんでした。ただ、仕事の量が圧倒的になり、隙間時間や休日も仕事をする日々。でもそこにあまり苦しさはなく、仕事をこなす、分からないことが出てきたら調べてトライ&エラーを繰り返す、そのうちに少しづつスピードもあがりスキルがついてくる。そのうち仕事のレベルも上がってくる、というスパイラルを楽しめていたと思います(レベルは上がっても量は据え置き。故にレベルは上がり続ける)。

それから10数年たった今。あの時のような制作仕事はしていませんが、同じ業界にはいるので、経験は大いに生きています。いわゆる「叩き上げ」なキャリアなので、現場のメンバーたちとの意思疎通がしやすかったり。クロスファンクショナルなチームに入ってもコミュニケーションブリッジになったり。今現場に応じて様々なロールを使い分けできるのは、社会人1年目のあたりで培ったベースのおかげだと思っています。

「自分の小さい器を、圧倒的仕事量でぐいっと広げる」

一度広がった器は、経年しても小さくなることはなく、そこに様々な料理を乗せることができます。社会人1年目、忙しいながらも新しい発見や自分の成長を実感できた日々。「その調子やで」と声をかけてあげたいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?