国立科学博物館のクラファンには金銭だけを捧げるのではない
以前、天王寺動物園のクラファンについて書いたときも少し触れたんですけれどもね。
ことは関西に収まらず、間違いなく日本最大の科学博物館で、まぎれもなく国立の施設である、国立科学博物館(かはく)にも及んでいるのです。
今日始まって今日達成、執筆開始時点で148%ですよ。1億円のクラウドファンディングが。
これはかはくの集金力を表わすのでしょうか。集金手段さえあればかはくにはこれ以上国の予算はいらないのでしょうか。
そんなわけがありません。これはあくまで応急処置です。
1億円もの金額が半日にして集まったのは、我々かはくのファンが心の底からかはくの行く末を案じるあまりのことです。ファンだけで恒常的に支えていけるわけがありません。だからこそ国の予算が出ているのです。(独立行政法人ですが運営費交付金が出ています。)
役に立つものなら皆がすすんでお金を出すのだからそれで運営が成り立つはずだ、というのは幻想です。公助は必要です。自助や共助より前にシステム的にあってしかるべきものです。
なのに全国の博物館と博物館相当施設は予算が削られすぎて窮地に陥っています。
このことを不安に思いつつも私自身これまでの行いに心残りがあったということを、今回のクラウドファンディングはガツンと突き付けてきました。
白状しますと、コロナ禍の中であまり行けなかったのもあってかはくのリピーターズパスが切れていましたし、かはくに限らず見たもののレポもだいぶ書き損ねていたのですよね。
古生物の小説を書くため、そして自分の知的好奇心を満たすためと心の安寧のため、どれだけ博物館および博物館相当施設に世話になってきたかをもっと行動で示せるはずです。
ひとつは、書き残すことによって。
ちょうど一昨日も書いたところです。
この海展にしても、多岐の分野にわたる圧倒的な標本の数々、さらに閉館した油壺マリンパークから寄贈された標本で、標本や資料を後の世に残していくという博物館の働きを端的に表しています。
こうやって、博物館には価値があるのだということを書いて伝えていく働きをいっそう強めていかなくてはなりません。
そしてもうひとつは、やや政治的な話になってしまいますが、このような窮地に博物館を追い込んでいく言説を批判し、選挙などの行動に反映していくことによって。
「クラウドファンディングが成功したなら博物館に予算なんていらないよね」などと発言する者があれば、ことにそれがその予算を決める立場にあるものであれば特に、厳しく批判していくつもりです。
といってもSNS上で発散するというオタクムーブを取っても仕方がないですよね。しかるべき方法を取っていかなければ。
そういう決意を鈍らせないようにというのもあり、またそれそのものの抗いがたい魅力もあって……、ちょっと高額な、明らかに持つに重いリターンのコースを選択しました。
それをきちんと飾って、見るたびに決意を新たにできればな、と。
何を選んだのかのヒントはこの記事のどこかに……?
あ、そうだ。書き忘れが。
この以前作ってtogetterでまとめた「#観光とか関係なく行ってよかった博物館」っていうタグのことを掘り起こしてくださったかたがいたので、Twitterでまたちょっとこのタグを使ったんですよね。純粋に楽しさを語っているのでよろしければ。
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