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化石を数えて寝る世界

今回はTwitterで行っている私の日課についてお話しようと思います。

こんな感じで、夜寝る前に「この博物館のこの化石を、まるでヒツジのように数えて寝る」と宣言しております。化石はもちろん日替わりです。

数えて寝るものの変化

2020年初頭まではWikipediaやらなんやらの記事を紹介したり、

新しく出た論文を取り上げたりと種類ごとにやっていました。

その頃はまだ知らない種類を探し当ててそれを数えたりもよくしていたので知らなかった種類を覚えるきっかけになっていました。

このときのパラエオパグルスのように、覚えた種類を古生物飼育小説に登場させることもあり、古生物についていい自主勉強になっていました。

最近はどうしているかと言いますと、

2020年3月1日に、各地で休館になったり県をまたいだ移動がしづらくなったということで「エア博物館」が興ってからは自分が行った博物館の標本ごとに紹介するようにしています。

では一度見たものしか扱えなくて自主的な情報の供給が絶えて勉強しづらくなっているかというと、むしろこれによって滅多に行けなくなった博物館とのつながりが保たれ、すでに見たものの忘れていた展示を復習することや、じっくり見ずにただ撮っていたもののことをちゃんと見直して学ぶこともできています。

必ず標本の写真を見て数えているだけに、むしろ記事だけで数えていた頃より学べているかもしれません。

行けなくなったのは化石のある博物館だけではないっていうことで初期に何回か現生種の標本や動物園・水族館の生体も数えたんですけど、しっくりこなくて結局化石のみに戻しています。
それから、よほど何か紹介したいものがあるとき以外は特別展ではなく常設展のものを紹介しています。特別展の展示では紹介しても再び見られるようになる可能性が低いですからね。

数えて寝るものの実際

この記事を書くに当たって自分のツイートを検索して振り返っているんですけれども……、

ここ1ヶ月で鳥類を除く恐竜はこれだけ。フクイヴェナトルのほうは研究の結果面白い位置に分類されたっていう発表に合わせてですね。

ドングリの「はかま」だったり、

貝だったり、

ウニの食べ跡だったりと見栄えは度外視……いや、これでも度外視まではしていないです。上手く撮れていないから泣く泣く使うのを諦めたのがけっこうあるくらいなので。

むしろこう、植物でも紅葉しているみたいなオレンジで綺麗だったり、

貝でも形が面白かったり、

分からんもじゃもじゃ(ウミシダです)でも白亜紀のものにごく近い種類が今まで生き残っていることに気付いて驚いたりと、自分では面白いと思ったものを選んでいます。

別に目立つ恐竜はもう全部数え終わっちゃったとかではなく、福井県立恐竜博物館とか国立科学博物館とかの写真フォルダを見ればまだ数えてない骨格がたくさんあるんですけど、何の脈絡もなく分かりやすい恐竜を数えて寝ても面白くもなんともないと思っちゃいまして。

これは古生物飼育小説「Lv100」のマメンチサウルスの回を掲載したときなので、そういうきっかけがあるときには恐竜も数えています。明らかにいいね数が多いように見えますが、別にいつもいつも恐竜のほうが伸びるとかではないです。

これに至っては種類すら分からないんですけど、バナナワニ園の展示館に化石あったかなあと思って写真フォルダを見返したらマチカネワニ(大阪で発掘された7mもあるワニ)以外はこれだけだったんですね。でもバナナワニ園の写真を見返すこと自体が楽しかったのと、むしろ今の生き物より小さい古生物を取り上げるのに意義があると思って選んでいます。

動水博関係でたまに「子供が見とれているものを取るに足りないものと断じて、せっかく来たのだからもっと立派なものを見せようとする親」が話題になります。
しかし、どの展示も施設のかたは見てほしいと思って展示しています。博物館でいえば展示していない標本のほうがはるかに多い上に展示すると傷んでしまうリスクもあります。それでも見せてくれているものなのです。
「こんなものに時間を費やしていいのか」ということは気にせず子供も大人も心惹かれたものをじっくり見るべきだと思います。

数えて寝ることの効果

このときは自分で撮った写真なのに初めて見たかのように驚いていますね。

こんな風に、前に撮った写真を見返して数える物を選ぶのは撮るだけ撮って忘れてたものの復習にもなっています。

自分が復習するためだけではなくてフォロワーさんに紹介したい展示があるときもあります。

心当たりがあって特定の展示を数えるとすぐに決めることもあるんですが、大抵は写真フォルダを見漁って選びます。

これは群馬県立自然史博物館で撮った写真のフォルダの様子なんですけれど、けっこう手当たり次第に撮っているので数えるものが決まるまでに割とたくさんの展示を見直すことになります。

先に書いたとおりいい感じの標本なのにたまたまうまく撮れなかったからといって数えるのを諦めたものもけっこうたくさんあって、最終的に数えることにしたもの以外にもいくつもの標本に感心しつつ最終的に1つに絞っているのです。

「動水博を図書館のように利用する」ということを何回も話していますが、どんな蔵書があるか把握するとよりよく図書館を活用できるのと同じで、どんな展示があるか把握しておくとよりよく博物館を活用できます。気になったときにまた行ってじっくり見ることができますからね。といっても今は現地に行くのは難しいのですが……。

こうして日々博物館の展示のことを考え、遠くなってしまった博物館からも学び取ることを続けていると、博物館を活用できているなあという実感とともに……、

すごく……また行きたくなってしまうんですね!

自分でもよく我慢しているものだと思います。

動水博のファンの役割が重要になりそうな機運をますます強く感じるので、現地の恋しさも大事にしつつ、note記事でもっと話題にしていきたいと思います。

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