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竜科学会でした

主催の清水さんにとっても私にとっても初めての試みばかりだったのですが、結果的に大変上手くいきました!お越しくださった皆様もお世話になった皆様も本当にありがとうございました!

今回、竜について何か学術的なものを……ということで、以下のような創作を行いました。

まず、ワイバーンに対して、生き物にある条件を仮定してそれに適応した結果の姿を考案する、いわゆる「思弁的進化」を適用しました。

竜、特にワイバーンというものが本当に動物として存在する世界ではワイバーンが種分化して生息環境に合致した翼の形態と飛行の性質を持っているだろうということで、飛行の性質にはっきり違いの出る森林、高山、海上のワイバーンの姿を考案しました。

このとき、もっと竜らしい不思議な種類を加えたいということで、もしかしたら決して地上に降りないかもしれないけれど手がかりが翼の骨格しかないという謎めいた種も考案しました。

謎の骨格も含めて、それぞれの種は実際の鳥類をモデルにしています。

イラスト担当の間久部 緑郎さんには、各環境の代表的な1種ずつと、謎の骨格の図版をご制作いただきました。

そして、そのような世界では竜を専門的に扱う博物館があり、それはワイバーンや「聖ジョージの竜退治」の伝承があるイギリスにあるだろうということで、大英自然史をモデルにした博物館で飛行機械の研究家が許可を取って骨格標本を測定し研究を行ったという仮定で、学会発表風のポスターと論文風の冊子として内容をまとめました。

当日はその研究を行った研究者のつもりになって、学会のポスターセッションの真似事を行っていたのです。

本当に竜がお好きなかたに受けるという確信はなかったのですが、実際にやってみると「竜のいる世界の飛行機械の研究者」になりきって受け応えをすることができ、お聞きくださったかたとのお話でワイバーンの世界がますます広がり、予想外にお楽しみいただくことができました。

今後私の普段の創作と同様、何らかの形で継続的にお楽しみいただけるようにするつもりです。ワイバーンの研究の続きか、他の幻獣に関する考察が加わっていくかもしれません。

皆様のご出展について。

生態系の一員としての竜や社会と密接に関わった竜から超自然的な力の象徴としての竜まで、また身近な生き物の要素を取り入れた竜から竜という言葉で簡単に想像が付かないくらい不思議な姿の竜まで、非常に様々な竜が集まっていました。

しかもその上でコンセプトのとおり、どの作品も竜は本当に実在しているのだという説得力を持たせるべく、竜の姿や竜にまつわる出来事を活き活きと描き出していて、竜が好きで竜と向き合っていてよいのだという肯定感に満ちあふれていました。

容易に取り出せないところにそっと安置していたお気に入りの本を再び取り出し、本棚の目立つところに並べることができたような気分です。

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