見出し画像

「冬期限定ボンボンショコラ事件」を読みました。

米澤穂信さんの「冬期限定ボンボンショコラ事件」を読み終えました…読み終わってしまった…という言葉のほうが今の気持ちに近いかもしれないなあ…。そして最大限の感謝の気持ちを贈りたい作品でありシリーズでした。
春期、夏期、秋期ときて、冬期の今巻で本編は完結、ラストシーンで小佐内さんが小鳩くんにささやいた言葉にじーんとした気持ちになりながらゆっくり本を閉じました…。

ああ…終わってしまったなあ…あの日本屋さんで何気なく手に取った「春期限定いちごタルト事件」それが本編完結しこんなに感動する道へと繋がっているとはあの頃は思いもしなかったですね…。
なんだか本との出会いはこれからも一冊ずつ大切に積み重ねていけたらいいな…と、あらためて心に一つ灯がともるような温かい気持ちにもなりましたね。

なにしろ秋期から何年もの月日が流れているので、読み終わったらとても一言では語れない想いを抱くことになるだろうなとは思っていましたよ…しかしそれを踏まえたとしても読み終わった瞬間におしよせてきた大きな感動が教えてくれたのは、私が思っていたよりも私はこのシリーズが…小鳩くんと小佐内さんの二人の事が大好きだったみたいです…。

心をかためて読み始め、なかなかに序盤から衝撃の展開で指がふるえる感じでしたが、小佐内さんからのお見舞いのメッセージや、一つ一つボンボンショコラを口にほうりこむ度に三年前の中学時代の出来事を振り返り思い出していく小鳩くんの姿にいつしか夢中になってページをめくり続けていましたね。中学時代の小鳩くん小佐内さんから『互恵関係』や『小市民』という言葉が飛び出してきた時の嬉しいような泣きたいような切ない気持ちはここまでシリーズをおってきたからこそ感じるものなんだろうなあとしみじみした気持ちにもなりましたね。

このシリーズで外せない要素となっている甘いもの、今回も例のごとく美味しそうに食べている姿に食べたい気持ちをおさえきれなくなりそうでした。あの場面はズルかったなあ…サンデーが運ばれてきた時のばんざい小佐内さんかわいすぎるのでやめてほしかったです…(笑)

うーん…一番好きな場面と訊かれたら小佐内さんが小鳩くんにしっかりと伝えた感謝の言葉、あの場面は涙なしには読めなかったなあ…。

読みながら付けている読書記録のメモが書ききれなくなるほどびっしり埋まったのも初めての経験でした…。
いつの日か京都のどこかで穏やかに甘い物のお話に華を咲かせている二人が見られますように…そういう未来が二人に待っていますようにと願わずにはいられません…。小市民シリーズに出会えてよかったと強く思います、ありがとうございました。

時おりこの本を読み終わった時の余韻を思い返しながら、7月の映像化を楽しみにじっくり待ちたいと思います。