静まり返ったいつかの深い夜に

ベランダでこの文章を書いている。風呂上がりの火照った体に吹く夜風、焚いたチャンダンの香りと相まってとても気持ちが良い。
ここしばらくすっきりしない天気が続き、春という印象からは遠い、鬱屈した気分で過ごしていたので、こうやってベランダで物思いに耽ることができるのはささやかな癒しと言える。

時折、遠くで車の走る音が、どこかの家からはテレビの音が、家の前の通りからはコツコツと歩く人の足音が聞こえる。生活のBGMだ。

目を閉じてみる。そうすると人の生活は確かに感じるのに、不思議と自分がどこにいるのか、どのぐらい時間が経ったのか、色々なことが曖昧に、そしてどうでもよくなってくる。

様々な思考や感情が浮かんでは消えていき、今日も言葉としてうまく捕まえることができず、取り留めない気持ちのまま、取り留めなく、ただ書きたいから書いていく。

きっと朝になったら小っ恥ずかしくて、文字を打ち込んだipadを叩き割りたくなるようなそんな夜の戯言。

でもこの恥ずかしさは忘れちゃいけないとは思っている。

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