【エッセイ】期待されていないという安心感

期待しないって難しい。

どんなに期待しないように、と思ってきても「期待」って無意識にしてしまう人がほとんどだと思う。私はそう。

せっかくなら、
期待以上の場所がいいな、
食べ物がいいな…って。

ほら、無意識に期待してる。


場所や食べ物に限らず人だってそう。
無意識に「こう見られていたらいいな」って期待している自分が、自分の中のどこかにいる。


仕事で、自分の実力以上のことを求められた。
今の私では到底完璧にはできないような。

上司としては、私が出来ると思って任せたわけではなかったんだろう。
経験を積ませるため、今後の成長のため。

それでも私は期待してしまった。
それに応えたいと思ってしまった。

「私にこの技量がこなせる思われてる。
じゃあ頑張らなきゃ」って。


必死になんとかくらいつこうとするものの、
そもそも私には実力がない。
飛んでくるダメ出しの嵐に疲労困憊。


先輩に相談したら、あっさりとこんなことを言われて拍子抜けしたことがある。

「◯◯さんもできると思って任せてないと思うから、情報だけ吸収したらいいよ。言い方はキツイけど、それはあなたにだけ言ってる言葉じゃないから安心して」

冷たくも聞こえる言葉だが、
期待されていない、と言われて
私はとても安心してしまった。

それと同時に期待されていると
思っていた自分に対して恥ずかしくもなる。
なに期待してしまったんだ、と。

新人が仕事ができないのなんて当たり前。
でも、数年経って今と同じ状況というのは
許されないだろう。

プレッシャーを感じてしまう。
私は今後、期待されてしまうんだろうか。

できるなら期待なんて誰からもされずに
ふわふわと働いていたいと思う自分。

多少は誰かに期待されて、その期待に応えて褒められたいと思う自分。

色んな感情が私の中に共存していて、
結局わたしは周りにどう思われたいのだろう。
期待されたいのだろうか?


ひとつ確かなことは、
現時点で私は期待されていないということ。
ガムシャラに頑張りすぎるのはやめよう。

できることを、1歩ずつ。
自分の限度を見極めて。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?