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私を変えた、人の言葉

年月経っても何かの折に思い出す言葉ってありますか?

周りのことを気にすることなく生きてきたつもりでしたが、いまだに思い出すということは、結構な影響を私に与えてるということ。

それがこの3つです。

「人のために使うお金は必ず自分に返ってくるんだよ」
「簡単に人を嫌いにならないでね」
「前に住んだ部屋よりもグレードの低い部屋には住まない」


それぞれ別の人に言われた言葉です。
多分、今の私が言われてもスルーしてたと思います。
でもその当時の私が聞いたことで、数年経った今も、色濃く、意識に根付いているんですね。

そんな言葉他にあるかな??と思い返してみても、これ以上に強烈に思い出せる言葉が見つかりません。


人のために使うお金は必ず自分に返ってくる

これは、20代に付き合っていた彼の言葉です。

その当時、まだ私はそんなにお金がありませんでした。若かったので給料が低かったのもありますし、入ったお給料は自分の好きなものにお金を使いたかった。
プチプラの服やアクセサリー、あとは生活費で消えていきました。

でも当時の彼は、いろんなシーンで自分以外のことにもお金を出していました。
例えば、私たちよりもっとお金がない大学の後輩との飲み会や、職場の同僚との飲み会などです。

「なんでそんなにおごるの?割り勘でいいじゃん」

と聞くと、決まってその彼は

「ここで使ったお金は、そうすることで相手がよろこんでくれて、また明日から頑張ろうと思うじゃん?で、頑張って仕事して成功した時に、いつかそいつが同等か、それ以上にして返してくれるんだよ」

と言ってました。
当時は、自分もお金ないのに何を言ってるんだよ。と思っていましたが、その後彼がそういう行動をしていてくれたおかげで、私もその後輩に助けてもらったことがいくつもありました。

それを見て、経験して、確かにそうなのかもしれない、と思いました。

相手はうれしそうに彼に懐いてくれてるし、私のことも一緒に助けてくれる。
そして何より、彼自身がとてもうれしそうなんです。

彼の言葉は今も頭に残っていて、今は私が職場の部下や後輩に、よろんでご馳走しています。美味しそうに食べてる姿や、楽しそうに飲んでる姿を見ると、私も元気をもらいます。

見返りを求めたりとか、感謝して欲しいとかではなく、私がそうすることで、この子たちがキャリアアップして自分の後輩や部下ができた時に、同じように面倒見て欲しいなーという思いからです。
きっとそうすることで、彼らの部下や後輩は彼らを信頼して、頼って、万が一の時はきっと助けになってくれる。そう信じています。


簡単に人を嫌いになってはいけない

これはかつての私の上司(嫌いになった上司ではありません笑)に言われた言葉です。

当時、私は自分が合わないと思った人を無視する傾向がありました。無視するというか、関わらないようにする、というのが合ってるかな。

同じチームでも必要最低限の会話しかせず、それ以外の時はまるで「空気」のように扱っていました。意識するとイライラが溜まって、仕事どころではなくなってしまうのです。
なので「空気」のように「いるけどいないもの」として自分は自分、とばかりに関わらないようにしてたんですね。

また若さ特有のギラツキと恐いものなし感で、その上司に対して不平不満や自分の考えを主張してました。なのに「うんうん、でもねー」と煮えきらない対応ばかりする上司にイライラしたり…。

そんな私も自分のチームを持つことになり、さらにそこに新入社員が配属されることに。
聞いているとなんでうちに配属になったのか謎な新人。すかさず苦言をいう私。

そんな私に言った一言が「簡単に嫌いにならないでね」でした。

はあ??

と思いました、その時は。わけわからない采配しておいて何言ってんだよ。と。
でも今ではわかります。わけわからない采配は別として、役職がつくといろんなキャラクターの部下をまとめる必要がある。そんな状況で「嫌いだ、関わらない!」なんてやってたら、スタッフがいくらいても足りないですね。

そういう人材を、どう動かすかが大事で、それをするためには「好き嫌い」なんて低い次元の話をしていては先に進まないんですね。

私が「煮えきらないなー」とイライラしていた時、その上司は私をどう動かすかを真剣に考えていたんです。チームを持って初めてそれに気づくことができました。
かつての私のように怒って「どうなってるんですかー!」と熱く意見してくる部下に対して、あの時上司が見ていた自分がこれか、と「若いなー」としみじみ思うのです。

それ以来、ありがたいことに今では一つの部を任されていますが、役職が上がれば上がるほど、人をまとめることが難しくなっているのを実感します。

その度に、上司の言葉を思い出してはスタッフの良いところを見て、いかにモチベーションをあげて最高のパフォーマンスをしてもらえるか、を考えるようにしています。


今の部屋よりグレードの低い部屋には住まない

反感を買いそうな言葉ですが、これはかつてギラギラ且つバリバリに働いていた私の妹の言葉です。

今では専業主婦としてギラギラ且つバリバリに4人の子供を育てる肝っ玉母ちゃんをやっている妹ですが、かつては寝る間も惜しんで仕事に明け暮れていました。

同世代よりは高めの給料をいただいて、ボーナスもガッツリもらっていました。
職業柄、早朝に出て行って深夜帰ってくるので「部屋は寝れればいい」とキッチンはホテルのようなほぼ使い物にならないミニ冷蔵庫がついている部屋に住んでいました。

ただ、好立地にばかり住んでいたんですね。
もっと広くて安い家賃のところはあるのに、都心部のしかも家賃相場が高い場所で転々としていました。

「もっと郊外で安いところでもいいんじゃない?」

と聞いたことがありますが、その時言われました。

「私は前住んでたとこよりグレードの低いところには住みたくない」

なんて言い草なの!全私を敵に回した!

と聞いた瞬間は思いましたが、妹はさらに続けました。

「そうすることで自分を奮い立たせてる。もっと仕事頑張って稼いで、もっと良いところに住んで、また仕事を頑張るの」

とりあえず楽しけりゃいいやと働いていた私は、それはそれはショックを受けました。
アファメーションじゃないですが、そうやって目標を持って仕事に向かっているから、妹はどんどん収入も上がって、仕事に対してものすごい責任感を感じていられるんだな。

そもそも私とは仕事に対する向き合い方が全然違うのだと、見せつけられました。

「遠くに住んでいては通勤の時間がもったいない。私は時間をお金で買っている」

人の価値観は様々でしょうが、妹が私の価値観を変えた瞬間でした。

それ以来、私も職場までDOOR TO DOORで30分の場所に住んでいて、通勤で疲れてしまうことなく、仕事でパフォーマンスを発揮できています。多分。


3つとも私の価値観を上書きした言葉です。
それがあって今の私があります。
きっと言った本人は、そんなこと言ったっけ??と覚えてもいないようなことかもしれません。でも私にとっては結果としてありがたい言葉になりました。

私が発している言葉も、こんなふうに誰かの価値観を塗り替えることがあるのかな。

言葉ってすごいですね。
相手に発する自分の言葉は自分に正直な言葉でありたい、と思います。


夫に言われた言葉で今でも忘れられないのは
「カヨコを初めて見たときに、なんてミステリアスな三白眼だって思った」
です。

褒め言葉ではないよ、三白眼は。笑。

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