見えない人の自己主張
スサノオ登場!
『よぉ、ちびっこ!』
ど、どなたでしょうか?
『あぁん?
親父がちびっこのこと孫ってんなら、俺は叔父さんだろ!
おじさんですよ~!』
あああああ!
スサノオさんかー!
(思った以上に柄が悪くてビックリした。)
『ちびっこ!
お前、俺の兄弟のどりぃむきゃ、きゃっちゃー?
作ったそうじゃねぇか!』
あ、はい。
作りましたね。
(言えてねー!!)
『しかも、俺の親父んとこに行って気をもらった麻糸で作ったそうじゃねぇか!』
あ、はい。
イザナギ麻糸で作りましたね。
(イザナギ麻糸…みのりんがドリームキャッチャーを作る際に原料となる精麻を伊弉諾神宮で直接エネルギーを注入して作った麻糸。通称イザナギ麻糸。)
『…んでたよ。』
え?
『なんで俺のどりぃむちゃっちゃー作らねぇんだよぉおおおお!』
ええええええ!?
(今完全に言えてなかったーーーー!!)
ぶきっちょな男
『夢で伝えたじゃねぇか!!』
あ、確かに夢は見ましたけど。
起きたらなんか内容は覚えてなかったんですよね。
確かに何かは見てたんですけど。
『俺はなぁ…ちびっこが怖がると思ってだなぁ。
色っ々考えて伝えてたんだよ…!』
す、すいません!
いやほら、アンジー(みのりんが呼ぶアマテラスの愛称)とツクヨミさんにぴったりの月と太陽をモチーフにしたチャームはあったんですけど、スサノオさんのは無かったから。
『あるだろうがよぉ~!
カラスの羽根がよぉ~!?』
ええええええ!
それがスサノオさんのだったのー!?
確かにあるけど!!
『カラスの羽根を剣に見立てるんだ。
ほら、実物だとお前、怪我するかもしれんだろ。』
怪我するってかその前に銃刀法違反で捕まりますね。
(いちおう気遣ってくれてんだな…ぶきっちょ過ぎて伝わらないけど。)
『作れよぉぉぉぉぉ!俺のどりぃむちゃっちゃー!!』
わ、分かりました。
分かりましたんでちょっとうちの事務員さんのパソコンジャックしてスタンプ送ってくるの止めてください!!
それ仕事道具なんで!!!!
※事務員さんからパソコンが勝手にスタンプ送るという困惑のメッセンジャー貰いました。
家族大好きっ子
うーん。
完全にスサノオさんのは作る気なかったからなぁ。
どうしよ、形になるかな…メインはカラスの羽根に決まったとして…両側の装飾をどうするか。
『んなもんお前、月と太陽にすりゃいいだろ。』
月と太陽…あ、これか。
『それであれだ。燕の羽根使え。
月と太陽を渡り鳥の燕が渡って結ぶ。』
な、なるほど。
(い、意外とこの人ロマンチストかな!?)
『いい出来映えじゃねぇか(にんまり)』
あ、でも、この大きさだとレースっていうか、飾り布使わないとちょっとバランス取れないですよ。
どうしようかな…あるかな(ゴソゴソ)
『そこはお前、月と太陽と真ん中に俺だろ。』
…あったよ、それっぽいのが。
(ていうかこの人めっちゃ家族大好きだな!?)
『おう!
いいじゃねぇか!(にまにま)』
『完璧だ…!
親父の麻、月と太陽、そして俺…!』
え、えーと。
急遽だったんで1人だけ大きい輪になっちゃったけど、いいんですか?
『構わん。
なんたって俺は、キャノン砲だからな(ドヤッ』
は、はぁ…。
(そこの発音だけは良かったなー…!)
コメディーのようですが、私と見えない方々の会話とやり取りはこんなもんです。
リアルな見えない世界の体験を綴ろうと思っています。自分が感じた感覚をそのままに。私の大切にしたい世界が伝わることを願って。見えない世界も大切にしたいと思う方はサポートしてくれると嬉しいです。