築地市場跡地の再開発について。

 2024年4月19日、東京都は築地市場跡地の再開発事業者として、都市整備局出身者が天下りしているとされる三井不動産を中心とした企業連合「ONE PARK×ONE TOWN」を選定した。
 この再開発計画では約5万人の収容が可能なスタジアムなどを建設する予定で、企業グループの中には読売新聞グループも含まれており、プロ野球・巨人のAチームの本拠地となる可能性がある。
 再開発区域は隅田川に面した約19ヘクタール(東京ドーム4個相当 5万7千坪)の都有地で、一般定期借地権で事業者に70年間貸し付けられる。計画案によると、スタジアムは全天候・超多機能型施設で、コンサートや大規模展示会などの開催も想定する。
 さらに空飛ぶ自動車の発着場やオフィス棟、ホテル棟なども設置する計画で、これらの施設の大部分は32年度に開業予定である。市場移転から6年後に未来の街づくりが始まる。
 小池知事は17年6月に豊洲市場への移転と築地再開発の基本方針を表明した。そして、長年培った築地市場のブランド力を活用し、22年度に跡地を食のテーマパーク機能を有する新しい市場として東京を牽引する一大拠点とすると力説した。
 同時に築地に戻る仲卸業者への経営支援にも言及し、豊洲移転反対派が多かった仲卸に配慮した懐柔策には疑問が残った。やはり、同年11月に小池氏は食のテーマパークとは、築地の歴史を踏まえた一つの考えた方としての選択肢の一つに過ぎない点を強調し、豊洲移転を果たすと、その構想はすっかり立ち消えになった。
 案の定、今回の再開発計画は相変わらずの事業優先で、現在進行中の神宮外苑の再開発事業と同様で、いかにも小池氏らしい発想の地域の活性化と観光の振興が主眼である。しかし、都内には他の場所にオフィスビルやホテルなどは多数あり、わざわざこれらを建設する意味はないと指摘されている。
 持続可能な都市開発の視点に基づいた構想だという。それを言うなら都内には緑地や公園、廉価な家賃の住宅が少ないことから、再開発に公園や大規模な住宅団地の建設を組み込むことは、非常に有益だと思われるが、全くそういった視点はないようだ。
 人口密度が高い都市を考える上で、公園は重要で、自然と都市生活を融合させ、市民にリラクゼーションとレクリエーションの場を提供する。一見、無駄のように思われるが、有意義な選択肢の一つと考える。
 また大規模団地の建設は高層住宅になる点は避けられないが、労働力を供給する意味で意義があり、住宅だけでなく、商業施設、公共施設、緑地などを統合した複合施設として設計される場合が多い。
 都市の魅力を高め、地域の活性にも大きな貢献をするだろう。

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