当たり前のことだが。

 経済対策そのものが物価高につながる。政府のデフレ脱却の号令の下、歴史的な諸物価の値上がりが続く。ガソリンや光熱費、食料品の値上がりは国民の消費心理を冷え込ませている。
 このような物価上昇の中で、消費者は支出を見直し、居酒屋やファミリーレストランへ出かける頻度を減らし、コンビニの利用を控え、飲食費を切り詰める傾向がある。とくに大幅に値上げをした食品の販売数量が大きく落ち込んでいる。
 2023年10月25日、消費・販売両方に調査網を有する調査会社「インテージ」が全国およそ6000店舗のスーパーマーケットのレジ情報を分析したという報道があった。おととし9月と今年9月を比べると、平均価格が値上がりをした食品の品目のほとんどは販売数量が減少した。
 落ち込みが目立ったのは調味料で、キャノーラ油が4割以上と最大の落ち込みを示し、砂糖も1割から2割低下した。また小麦粉やサバ缶は3割ほど、カップラーメンも2割ほど減った。一方、サラダ油は他の油と比べると割安感があったせいか、販売数量が9割も伸びた。
 インテージは値上げ幅が大きくなると、これに伴って販売数量が減少する傾向があったと分析した。このことから、物価高に消費が追いついていない現状が浮き彫りとなり、消費者の節約志向が明らかになった。
 こうした状況の中でも、特定の国や地域でのみ生産される特産品競争が過熱しており、価格をつり上げている要因になっている。特産品は全国的にも産地が良く知られているが、需要に対して供給が少なく、高値で販売される。最近、スーパーでは各地の果物や野菜などの特産品が平積みになっているが、これらがさらに食料品の価格の引き上げに拍車をかけている。
 例えば、ミカンの生産のトップ3は和歌山県、愛媛県、静岡県であるが、特産品として和歌山県と静岡県は知られているが、最近、時々熊本県や愛知県などの特産品も散見される。
 近年、保存技術の向上と共にビニールハウスや温室で栽培されたハウスみかんも多く流通し、ほぼ一年中販売されている。とにかく、庶民のためのスーパーでは特産品か大手企業の製品が大部分を占める。

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