見出し画像

[第十七話]T監督の移動。そして2回目の左手負傷。※痛い話をします。閲覧注意。

3月。
先生の移動の時期。
T監督は、私が母校に入学した時点で既に着任から10年近く経過していました。

公立高校なので、そんなに長く1箇所の学校にいる事も珍しく、先輩達の代くらいから”そろそろ移動かな?”なんて事を呟いていました。

なので、私たちの代は、先輩達の代と比較して、母校が築いてきた伝統やルールについて、先生自身から厳しく言われる事は少なく。
むしろ先輩が母校の弓道部のルールや暗黙の了解と言うものについて指摘してくる事が多かったです。

[先輩に言われた謎ルール]
1.女子部員は普段の学校生活でも白靴下しか認めない
→1年のある日、突然言われた。周りは黒や紺のソックスを履いていた中、弓道部は白だったので目立って少し恥ずかしかったが、先輩達が白な中、1人だけ合わせない…と言うのも、部内で波風立てそうだし、服装にそんなに頓着もしない性格だったので、抵抗しないのが得策と思い、先輩引退までとりあえず、深く意味を追求せずに合わせておいた。
※これについては、先生の一言を誤解して捉えた2代目部長(先輩の代は3回部長が変わっている。)が課した、本当に意味のないものだと後から知った。
1年生と副部長には”我々の白靴下は気にしなくていいよ。代替りしたら、私も白はやめる”と言っておいた。
とりあえず、私は先輩が引退するまでは、あまり深く考えず、先輩の慣習に従って極力、紛れることにしていました。
普通にしていても変わり者なので、同調圧力で面倒な事になる可能性は、極力排除。

2.制服時は夏服でもネクタイ着用。ボタンは全て止める。
※校則では夏服時はネクタイ不要だった。
→こちらも謎で、1年の時は鬱陶しく感じたが、よくよく考えてみると私はネクタイ無くしそうだったので、結局3年間はネクタイつけておいた。他の人も、どう言う訳か、弓道部はネクタイつけていた。(たまに副部長と大前は取っていたが…先輩時代の謎ルールは、強制するつもりはなかったので指摘せず。)

私が1年生の時に受けた説法も、後輩が入る頃にはすごく減ってしまっていました。

案の定、私たちの1年上の先輩の卒業と同時に、T監督は移動となりました。

私は、引退まで、T監督のご指導を受けたかったのですが、音楽と違い、学校の部活は師事する先生を選ぶ事は出来ない。
仕方のない事でした。

移動が発表された後、T監督が部活に来る時間は減りました。
その代わりに、次の監督となる、元国体選手の数学の先生に指導してもらう事が多くなりました。

そんな折、私は山梨遠征のあたりから、少しずつ手を故障し始めていました。

年明けから、T監督に手の内を矯正されており、弓の持ち方を変えていました。
弓手の角見つのみをよく利かせて真っ直ぐ、押せる手の内を作るために、親指と人差し指の間の皮を巻き込んで手の内を作る様に、教えられていました。
それを実践していたところ、確かに、少しずつ矢が暴発すると言う事は無くなっていました。

しかし、一回一回弓を引くのに痛みはありました。

“慣れればなくなるかな?”と、思い、先生に相談せずにそのまま練習を続けたのが良くなかった。
少しでも、痛みや無理を感じたら、指導者に言った方がいいです。
慣れれば取れる痛みと、良くない痛みがある。


私の場合は”良くない方”でした。

以下、閲覧注意。

初めは手が乾燥しただけと思っていました。
弓道のあとはハンドクリーム、保湿をしてケアをしていました。

しかし、皮膚に1ミリ位の亀裂が入り始めました。
絆創膏で抑えていましたが、その亀裂は広がり、ガーゼに。
亀裂が入ってから1週間、悪化し続け、傷の深さも出てきたので、皮膚科に行き、薬を処方してもらいました。
しかし、普通の薬では治らないどころか悪化。

最終的には左手親指から人差し指にかけてパックリと皮膚が開き、またしても手が腫れ上がって掌が4倍位の厚さになってしまい。
しかも化膿までしてきたので。

初めは”様子を見よう”と言っていた医師も、2週目にはステロイドを処方。
3週目に

医師「傷が塞がるまで弓道禁止!!」

と、ドクターストップをもらってしまいました。

…しかし、県総体まで3ヶ月を切っている…
絶不調は改善されない…
流石にやばいと思って、ドクターストップを無視して3日くらい、練習に参加していたところ……

思いっきり、握り革に肉を喰われた……

0w0(仮)「……流石に痛い(*_*)ギブ。」

という事で、この辺りから、弓どころか、モノが持てなくなってしまって、弓を持った練習が当分出来なくなってしまいました。

手にはガーゼとテーピングをぐるぐる巻きの状態。
またしても、何も持たない射法八節の練習。

すると、新監督が、荷造り用の紐を輪にしたものをくれました。

新監督「これを、指に引っ掛けて練習すると、やりやすいよ。あと、長いタオルとかで代用するのもおすすめ。よくなってきたら、裁縫用のゴムで同じものを作ってそれ使って。ゴム弓引けるまではこれで射の練習しよっか。」

0w0(仮)「ありがとうございます!!」

新監督から貰った荷造り用の紐を使って離れをすると。

“スカッ”

…と、ショボい音が鳴る。

これを見ながら、ゲラゲラと笑う……同期男子連中。
この人達は、本当に他人の不幸をよく笑う……デリカシーという概念は持ってないんだろうな。きっと。
入部当初からなので、期待はしていないけれど!!

部長「離れの音wwwwショボっwwwww」

0w0(仮)「うっせぇわ!!」

怪我をした場所が場所なので…
すごく傷が塞がりにくく、弓をまともに持てる様になったのは、4月の下旬……

ガッツリ負傷中のまま地区大会に出場し。
その後の遠征でもまだ治り切らず。

完全にテーピングが取れたのは、県総体の直前でした。

骨折より軽症なのに、骨折より完治に時間がかかってしまった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?