8_学食のスイス料理

食文化: チューリッヒ留学記録

チューリッヒ大学の学食はMensa (メンサ)と呼ばれる。
「Mensa行こうよ!」なんて言われるたびに、なんか頭が良くなった気になる。
チューリッヒ大学のMensaってなんかさらに賢そう。
そんなこんなで今日は食文化のお話です。

学食のメニュー

チューリッヒ大学のMensaでは5つのメニューとサラダバーがあります。

1. 主食と主菜と野菜がワンプレートになったもの。「ジャガイモとチキンと蒸し野菜」とか、「マッシュポテトと野菜とスパムのごっついのん(タイトル写真参照)」みたいなのが多い。たまにカレーらしきものも出る。基本的に塩味。5.4 CHF。

2. パスタ。概ねよく見るパスタ。ボロネーゼとか美味しい。これでもかというくらいに粉チーズをかけてくれる。サラダがつく。こないだ、クリームソースのパスタに茹でたジャガイモが添えられていて、炭水化物とは...?ってなりました。5.4 CHF。

3. ナチュリッシュベギと呼ばれる、お肉やお魚を使っていないお料理。卵と乳製品は使っている模様。豆ミート(っていうのかしら?)のカツレツにチーズとパイナップルが挟まったものはなかなかに美味しかったです。5.4 CHF。

4. ボールデリ (って呼んでた気がする)。丼です。野菜だけで構成されることもあれば、ご飯の上にマトンが乗ってたりとかすることもある。ちょっと高いのでまだ手が出ない。確か10.8 CHF。

5. バーガー。山盛りフライドポテトとハンバーガーとか、山盛りフライドポテトとホットドッグとか。アメリカンな感じ。ごつめの男子が頼みがち。確か10.4 CHF。

サラダバーはグラム単位で値段が決まるらしいけど、取ったことがないのでわかりません。学生対象だからか、どれもこれも結構ボリュームがあります。スイスでこのボリュームのランチを食べると20 CHF.はくだらないそうなので、かなりお得
それでも日本の学食よりは高いので、1~3のどれかを選んで食べてます。
神戸の学食は10日サイクルで同じメニューが出るので、8年目にもなると正直飽きるんですけど、滞在1ヶ月が経った今のところメニュー被ってないと思われます (ジャガイモ以外の添え物のレパートリーないのか?と突っ込みたくはなります)。

食文化の話

ラボの学生と仲良しのインドからの留学生(別の研究室に所属)とたまたまに隣になり、一緒に食べてました。彼はスイスに来て半年になるかならないかくらいだそう。「この子、日本からこないだ来たんだよ」なんて紹介され、他愛のない話をいくつかしていると

こっちの食生活はどう?

なんて急に聞かれました。食事が一番のカルチャーショックだったらしい。

祖国ではほとんど毎食カレーを食べていた(幾らか誇張している風でしたが)けど、スイスでのパスタとかはどうにも食べ慣れない。学食くらいは異文化交流と友達との時間ってことで食べてるけど、美味しいとは思わない。家では大体カレー

とのこと。インド人のカレー愛...とか思いながら、そういえば特に食には困っていないなぁと思い至りました。

和食と日本食

「和食」が世界遺産に登録されましたけど、「和食」と「日本食」ってなんとなくニュアンスが違うと思うんですよね。「和食」というと、出汁を引いて、四季折々の食材を使い、野菜の切り方一つとっても素材の味や繊細な味付けを引き立たせるように工夫されていて、綺麗に盛り付けをして…というイメージ。懐石料理なんかを食べると日本人でよかったと思います。

「日本食」にはもっと家庭料理なイメージがあります。
出汁を引いている時間なんてないからほんだしとか使って、大根の面取りとかは時間があればするけど、圧力鍋で炊くならまあいいか、なんてしなかったりもする。
普通にパスタも焼肉もラーメンも、その日の気分でありとあらゆる料理を作る。
けれどもそれは決して本場の味ではなく、日本風、もしくはその家庭ごとにアレンジされた味で、どこか安心するものがある。
そんで海外や一人暮らしをしたとしても、案外再現可能だったりする。

日本食という食文化

確かに海外にいても日本食にこだわる人はいます。
必ずご飯を、しかも日本米を炊かないと気が済まないという人もいます。
そうでないと体調を崩す人もいるそうなので、それはそれでいいんだと思います。

私は農学部なこともあって、新米や精米したてのお米は確かに美味しいと思います。ただ、こだわりはない。ブレンド米でも古米でも美味しいものは美味しい。スイスのリゾット米コーナーに日本米に近いお米が売っていて、それはそれで美味しいと思って食べている。
その延長で、絶対日本食を毎食食べたい!とかは思っていなくて、朝はパンで十分だし、たまにお好み焼きとか味噌汁とか照り焼きとかの日本食のようなものも作るけど、パスタも作ればラクレットとか作ったりもする。
大阪の食いだおれ精神、コンビニ、そして料理上手な母のおかげでもって、日本風にアレンジされているとはいえ、いろんな種類の料理を食べなれている。
なので、インド出身の彼のように、食べ物で困るということはほとんどないです。強いていうなら全体的に塩辛くて、体に悪そうだなぁと思うくらい (Mensaの食事も基本的に塩辛いのに、追い塩してる人がいてびびった)。

日本人は(っていう大きな主語で話すべきなのかどうかは迷うけれど)、真面目で英語や異文化に触れる機会が諸外国よりも少ないので、海外に出て暮らし始めると

・電車が時間通り来ない!
・英語が通じない!
・日曜日に店開いてない!
・バスのドアが勝手に開かない!

みたいにカルチャーショック?を受けることが多いんだと思いますが、純和食で育った人以外は、自炊さえできれば食事面で苦労することはないように思います。
それも日本食という1つの食文化なのかな、と考えた次第です。

日本食を布教してきます

今度ラボでApero (アペロ)と呼ばれる懇親会があります。今回のAperoは修士の学生の送別会。食事は持ち寄り方式で、「なんか日本の料理持ってきてよ!」とか言われたので、「日本の料理」を考えたんです。
でも出汁とかバカ高いし、純和食を作るほどスキルはないし、立食形式の懇親会だからそんなに食べにくいものも困る。。。
ということで、大阪名物お好み焼きを一口サイズで作ってみようと思います。
さすがヨーロッパ。小麦粉は安いですからね。
ラボメンバーからの反応はまたどっかで書くと思います。

ちなみに今日の夕飯は
ジャガイモとウインナーとズッキーニをコンソメ味で炒めたやつ
でした。(もはや何料理かわからん)



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